eぶらあぼ 2015.6月号
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507/8(水)15:00 19:30 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター  03-5478-8700http://www.hakujuhall.jpHakuju Hall 第16回 ワンダフル one アワー デジュー・ラーンキ(ピアノ)気高い境地を身近に堪能する1時間文:柴田克彦デジュー・ラーンキ ©Andrea Felvegi “ハンガリー三羽烏”…かつて一世を風靡したこのフレーズは、今なお消え去っていない。だが三羽烏=シフ、コチシュ、ラーンキは、それぞれ違った道を歩んできた。そして、繊細で陰影に富んだ“インティメイト”な音楽性を持つピアニストとして成長を遂げたのが、デジュー・ラーンキだ。シューマン国際コンクールで優勝後、メータ、マゼールやベルリン・フィル等と共演し、アイドル的な人気をも得た彼だが、精妙かつ誠実な近年の演奏は、「瑞々しい自然体の優美さ」と評された2010年の久々のリサイタル・ツアー、12年の4手・2台ピアノ、13年の上岡敏之&読響とのブラームスの協奏曲などの名演によって、日本でも再評価されている。そうした中、彼は7月にHakuju Hallでリサイタルを行う。そこは300席のまさにインティメイトな空間。ゆえに現在の彼の魅力が最大限に発揮されるのは間違いない。ベートーヴェンのソナタ第16番とショパンの「24の前奏曲」も、身近で聴けばより本質を味わえる選曲。還暦を超えて至高の境地に達したその音楽を、今ここで生体験したい。6/27(土)19:00 すみだトリフォニーホール問 トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212 http://www.triphony.comトリフォニーホール 〈ゴルトベルク変奏曲〉2015 ダン・テファー(ピアノ)超刺激的なゴルトベルクを文:藤本史昭 従来のジャズ・カテゴリーを超えた活動で、ポスト・ブラッド・メルドー世代の中でも一際注目を集める鬼才ピアニスト、ダン・テファー。そのテファーが、ニューヨークタイムズ紙で絶賛されたアルバム『ゴルトベルク変奏曲』をたずさえて、すみだトリフォニーホールに初登場する。 「主題と変奏」と「テーマとアドリブ」という形態の親和性ゆえにだろうか、ジョン・ルイス、ジャック・ルーシェ、ユリ・ケインなど、過去にこの作品にジャズ・サイドから接近したピアニストは少なくないが、テファーのアプローチはそのどれとも違う。それが具体的にどういうものか、ネタバレになるので詳細は書けないが、一つだけヒントを挙げるとすればアルバム原題となっている『GOLDBERG VARIATIONS/VARIATIONS』。精密に構築されたバッハの原曲とラディカルな即興が美しく交錯する「この時・この場所」でしか味わえない超刺激的なゴルトベルクを、あなたもぜひ体験してほしい。7/7(火)18:30 日経ホール問 日経ミューズサロン事務局03-3943-7066 http://www.nikkei-hall.com第438回 日経ミューズサロン ミハル・カニュカ(チェロ)無伴奏チェロが紡ぐ壮大な宇宙文:寺西 肇 これは、必聴のステージだ。陰影豊かな表現と温かな音色で聴衆を魅了するチェコの名チェリストで、精鋭集団プラジャーク・クヮルテットのメンバーとしても知られるミハル・カニュカ。日経ミューズサロンに登場し、古今の無伴奏チェロ作品を訪ね歩く旅へと聴衆を誘う。演奏で心がけていることについて「私は、緻密なアーティキュレーションを施すのが好き。リズムのみならず、正確な“音創り”を心がけることは、バッハ演奏の上で必須です」と語る名匠。今回のステージでは、そのバッハの組曲第5番の全曲を核に据えて、まずは“バッハ以前”のドメニコ・ガブリエッリの作品を。そして、生誕150年のシベリウス「主題と変奏」をはじめ、コダーイ、マルティヌー、フェルト、ヒンデミット、レーガーの作品から聴きどころを集めた“以後”まで、多彩な無伴奏チェロ作品を披露する。たった1本のチェロによって、ステージ上に創り上げられる壮大な宇宙。音の持つ力を、実感できることだろう。

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