eぶらあぼ 2015.6月号
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255ロシアバレエ グラン・ガラ復興に共感したスターたちが参集文:渡辺真弓 ウクライナのキエフ・バレエのソリストとして活躍する田北志のぶが2013年から開始し、今回で第3回目となる「グラン・ガラ・コンサート」が今夏も各地で開催される。この企画は、東日本大震災からの復興を祈念して開始されたもので、田北の被災地に対する想いに共感したスター・ダンサーたちが世界から参集し、毎回感動のステージを繰り広げてきた。今回は仙台と東京の2都市が復興祈念のチャリティ。さらにその2都市と、長野、北九州、大阪の5公演には、松本市出身で2014年ローザンヌ・コンクール優勝の二山治雄*が特別出演するのも大きな話題だ。 プログラムは「愛と死」がテーマ。田北が踊るのは3曲で、定評ある『瀕死の白鳥』のソロのほか、『ロミオとジュリエット』**と『カルメン組曲』をマリインスキー・バレエのスター、イーゴリ・コルプと共演するのが楽しみだ。ボリショイ・バレエのマリア・アラシュとアレクサンドル・ヴォロチコフはグリゴローヴィチの初期の傑作『愛の伝説』よりパ・ド・ドゥを披露。マリインスキーのエレーナ・エフセエワとアンドレイ・エルマコフはブリアント振付『DEUX』を本邦初演。元シュツットガルト・バレエ団のア左:アレクサンドル・ヴォロチコフ 右:マリア・アラシュ7/18(土) 川口総合文化センターリリア(048-254-9900)、7/20(月・祝) 東京エレクトロンホール宮城(河北チケットセンター022-211-1189)、7/22(水) Bunkamuraオーチャードホール(サンライズプロモーション東京0570-00-3337)、7/23(木) ホクト文化ホール(026-226-0008)、7/26(日) よこすか芸術劇場(046-828-1602)、7/30(木) アルモニーサンク北九州ソレイユホール(ヨランダオフィス・チケットセンター092-406-1771)、8/1(土) フェスティバルホール(06-6231-2221)*二山治雄が出演するのは7/20、7/22、7/23、7/30、8/1のみ**『ロミオとジュリエット』は7/18、7/20、7/22、7/23のみ金沢21世紀美術館 アーティスト・イン・レジデンス 『Museum × KNZ Fringe~街と、人と、出会う』新しいアートが人と人をつなぐ文:乗越たかおアーティスト・イン・レジデンス期間第1期 6/8(月)~6/22(月) ※一部一般公開あり 第2期 9/26(土)~10/12(月・祝)新作公演 10/10(土)、10/11(日) 金沢市内各会場問 金沢21世紀美術館交流課076-220-2811 http://www.kanazawa21.jp 金沢21世紀美術館は、美術館ながらダンスなど舞台芸術にも活発に取り組んできた。とくにレジデンスには積極的だったが、今回はさらに一歩進み、海外のアーティストと、金沢のアーティスト、ディレクター、ボランティア等との交流を踏まえたクリエイションを行う。そのため全体を2段階にしてあるという。第1期は6月で、リサーチや交流といった相互理解を深める時期。第2期は9月から10月にかけて創作に取りかかる。それぞれ約2週間ずつたっぷりと時間を費やし、最終的には新作を10月10日、11日に上演をする。 今回来日するのは、数々の刺激的な作品を上演しているイギリスのアーティスト主導型コミュニティ『フォレスト・フリンジ』 から選出された3組のアーティストたち(写真)。ときに街のポップカルチャーを、ときに環境や自然をテーマに、演劇的であったりキャバレーのようなスタイルにしたりと変幻自在だ。そんな彼らが金沢の歴史と伝統、そして最先端の美術館と出会う。 基本的にはアーティスト主導だが、「作品には金沢の要素が生きていること」「地元金沢の住民の協力者を得ること」等が「リクエスト」される。地元との触れあいが重要だからだ。 同館では、今回の開催を皮切りにこうした「アーティスト主導のレジデンス」を継続していくという。外国人アーティストがいわば触媒となり、金沢に点在する様々なアーティスト・コミュニティが協働することも狙いだ。金沢21世紀美術館は、単に美術品を展示するのではなく、新しいアートが生まれる場所として、人と人をつなげていくのである。ニック・グリーン "Slowlo" Photo:Oliver Rudkin Courtesy of Ibt13アクション・ヒーロー "Watch me Fall" Photo:Camilla Cereaスコッティ Photo:Matthew Brindleレクサンドル・ザイツェフは早逝した鬼才ショルツの『Notation Ⅰ-Ⅳ』に登場。ワシントン・バレエの精鋭ブルックリン・マックは、『海賊』と『バヤデルカ』で超絶技巧を炸裂させそう。選りすぐった充実のプログラムが見逃せない。左:田北志のぶ 右:イーゴリ・コルプ
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