eぶらあぼ 2015.6月号
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176CDBDブラームス&シューマン:ピアノ五重奏曲/近藤嘉宏&クァルテット・エクセルシオスペイン狂詩曲~阪田知樹デビュー!/阪田知樹アンコール!/川久保賜紀映画『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』ブラームス:ピアノ五重奏曲シューマン:ピアノ五重奏曲近藤嘉宏(ピアノ)クァルテット・エクセルシオリスト:スペイン狂詩曲/スクリャービン:2つの詩曲op.32/ドビュッシー:映像 第2集/ショパン:ピアノ・ソナタ第3番/ラフマニノフ(阪田知樹編):「ここは素晴らしい処」(「12の歌」op.21より)阪田知樹(ピアノ)クライスラー:プレリュードとアレグロ、美しきロスマリン、中国の太鼓/ガーシュウィン:3つのプレリュード/サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン、アンダルシアのロマンス/ブラームス:ハンガリー舞曲 第5番/バルトーク:ルーマニア民族舞曲/ラヴェル:ツィガーヌ/モンティ:チャールダーシュ川久保賜紀(ヴァイオリン)江口玲(ピアノ)ステファニー・アルゲリッチ(監督)マルタ・アルゲリッチ、スティーヴン・コヴァセヴィッチ、ロバート・チェン、シャルル・デュトワ、ステファニー・アルゲリッチ(以上出演)ナミ・レコードWWCC-7785 ¥2500+税オクタヴィア・レコードOVCT-00112 ¥3200+税エイベックス・クラシックスAVCL-25871 ¥3000+税ポニーキャニオン/ショウゲートBD:PCXE.50517 ¥5800+税DVD:PCBE.54599(2枚組) ¥5200+税©Ideale Audience & Intermezzo Films.1992年にミュンヘン響との共演で鮮烈なデビューを果たし、第一線を疾走し続けるピアノの近藤嘉宏。そして、わが国では珍しい常設の弦楽四重奏団として活動し、昨年で結成20周年を迎えたクァルテット・エクセルシオ。この両者が邂逅し、ピアノ五重奏曲を代表する2つの佳品に対峙した。磨き上げられたエクセルシオのアンサンブル力に、近藤は生気をもって対応。この時代の作品に特有な、転調に伴う絶妙な色彩変化など、余さず表現し尽くしてゆく。また、ブラームスの第1楽章、スフォルツァンド表現ひとつすらリピート前後で描き分けて見せるなど、“職人技”の快演を聴かせる。(寺西 肇)2013年のヴァン・クライバーンコンクールで最年少ファイナリストとなり、昨年からハノーファー音楽大学に留学。年々目覚ましい進歩を見せ、大きな期待を集める阪田。演奏会のようなコントラストのある選曲で、その音楽性をあらゆる方面から知ることができる。スクリャービンとドビュッシーでは、音のパレットの多彩さを存分に披露。知的で繊細な表現の中、意外な一面を見せるのが、ショパンのソナタ。音楽を大きく捉えつつ、力強くドラマティックな世界を創り出し、特に思い切りのよいフィナーレには圧倒される。のびのびした音楽に、今後のさらなる飛躍を思わせるデビュー盤だ。(高坂はる香)名手・川久保が約4年ぶりに発表した新譜は、ファン待望のアンコール集。実演で幾度となく取り上げてきた得意曲のサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」は、さすがに弾き込んでいるだけあって、覇気も洗練もすばらしい。また、ガーシュウィンやブラームスでは、作品の官能性をあざやかに浮かび立たせながら、憂いを効果的に織り込んでいるのも見事だ。そして後半のバルトーク、ラヴェル、モンティ。いずれも弾き急がず、高揚感を巧みに増幅させながら、フィナーレへ堂々と突き進んでゆく。川久保の充実ぶりを満喫し、今後の期待もますます高まる1枚だ。(渡辺謙太郎)圧倒的な魅力を放つピアニスト、マルタ・アルゲリッチ。本作は三女ステファニーが監督したドキュメンタリー映画だ。娘の眼差しから描かれているのは、アルゲリッチのキャリアや私生活上の出来事を時系列的に追う物語ではない。彼女の自然な語りやオフステージの映像は確かに貴重だが、中心に描かれているのは、母と3人の娘たち、そしてそれぞれの父親との間に浮き彫りにされる愛情や葛藤、困惑や不安、期待と落胆などの複雑な心理であり、血縁に対する想いという普遍的なテーマも包含している。演奏シーンは豊富だが、特典としてショパンのピアノ協奏曲第1番のライヴ映像も収録している。(飯田有抄)SACDSACDDVD
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