eぶらあぼ 2015.6月号
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172CDCDCDベートーヴェン:「クロイツェル」、フランク:ソナタ/五嶋 龍スマイルー母を想うー/幸田浩子ドヴォルザーク:「アメリカ」、ボロディン:第2番/イタリア弦楽四重奏団デュフリ:クラヴサン曲集/濱田あやベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」フランク:ヴァイオリン・ソナタヴィエニャフスキ:創作主題による華麗なる変奏曲マスネ:タイスの瞑想曲五嶋龍(ヴァイオリン)マイケル・ドゥセク(ピアノ)チャップリン:スマイル/シューベルト,モーツァルト,ブラームス:子守歌/R.シュトラウス:明日!/アーン:クロリスに/ロジャース:サウンド・オブ・ミュージック/ラヴランド:ユー・レイズ・ミー・アップ/栗山和樹:『永遠の0』挿入曲 他幸田浩子(ソプラノ)加藤昌則(編曲/ピアノ/オルガン)西江辰郎、千葉清加(ヴァイオリン)篠﨑友美(ヴィオラ) 川上徹(チェロ)大萩康司(ギター)ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」ボロディン:弦楽四重奏曲第2番イタリア弦楽四重奏団ジャック・デュフリ:ララール、シャコンヌ、メデ、三美神、ランツァ、フォルクレ、ロンド ハ長調 他濱田あや(クラヴサン/チェンバロ)ユニバーサルミュージックUCCG-1698/9(2枚組) ¥3500+税日本コロムビア COCQ-85257 ¥2800+税TOWER RECORDS/ユニバーサルミュージックPROC-1682 ¥1143+税ナミ・レコードWWCC-7784 ¥2500+税かつての“天才少年”が、真の音楽家として、いかに成熟を遂げたか。そして、音楽以外の様々なことに挑戦し、精神的に充実しているか。実感することができるだろう。収録したのは、2つの名ソナタを軸とした、王道の佳品ばかり。しかし、そこには五嶋龍という奏者を通してしか味わえない、音の世界が広がっている。骨太な音色で彫刻を穿ってゆくようなベートーヴェン「クロイツェル」、そして、曲全体が醸す独特の雰囲気を掌でそっと掬い取るようなフランクなど、しなやかで変幻自在なプレイ・スタイル。それを、共演経験も多いイギリスの名匠ドゥセクがしっかりと受け止めている。(笹田和人)幸田浩子の第7作目は、チャップリン作の表題曲に象徴される“涙と微笑みの間”にある愛唱歌集。「サウンド・オブ・ミュージック」や讃美歌「主よ、みもとに近づかん」がお好きだったという母上への思慕がテーマ。それぞれに伴奏楽器で趣向を凝らした3大子守歌やR.シュトラウス、アーンの歌曲などクラシックものから、4年間レギュラーを務めたNHK-FMの番組から生まれたオリジナル曲まで盛り沢山。ラストを飾る人気曲「ユー・レイズ・ミー・アップ」のポジティヴなメッセージも圧巻だが、ボーナストラックであるテレビ版『永遠の0』の挿入曲も感動的な余韻を残す。(東端哲也)1945年の結成から80年の解散まで世界の第一線で活躍し、多くのファンを獲得したイタリア弦楽四重奏団。晴朗な音色で清潔な歌心にあふれ、音楽のつくりが自然で美しいのが特徴。このスラヴ系の名品2作でも、常に音楽が淀みなく流れ、ふとした瞬間に立ちのぼる香りや哀愁がすばらしく、心のこもった盛り上がりは胸を熱くする。両曲とも完熟の名演で、派手さこそないが発見に満ち、何度でも聴きたくなる。最高級の個人技と合奏能力を踏まえた上での“自然体”こそ、アンサンブルのひとつの到達点。彼らの数多くの録音は、今後も室内楽を愛する人にとって座右の演奏であり続けるだろう。(林 昌英)ジュリアード音楽院古楽科修士課程を一期生として最優秀で終え、ニューヨークを拠点に広く欧米で活躍する濱田。鍵盤楽器奏者でもあるクリスティ率いるレザール・フロリサンでチェンバリストも務めるだけに、その実力のほども分かろう。当盤には、18世紀パリのサロンで人気を博したジャック・デュフリが1744年から24年間に全4巻を発表した『クラヴサン曲集』からの14曲を収録。故・レオンハルトが愛奏した銘器“ルフェーヴル”を存分に鳴らし切る一方、難曲が要求する技巧をひけらかすことなく、さらりと、しかし、説得力を持って弾くことで、その向こうにある歌心を浮き彫りにしている。(寺西 肇)CD
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