eぶらあぼ 2015.5月号
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60第11回 ストラディヴァリウス・サミット・コンサート2015最高の名手と銘器が出会う瞬間文:宮本 明5/28(木)愛知県芸術劇場コンサートホール、5/29(金)山口市民会館、5/30(土)サントリーホール(完売)、5/31(日)福岡シンフォニーホール、6/2(火)アクトシティ浜松(中)、6/3(水)サントリーホール、6/4(木)フェスティバルホール、6/6(土)松山市民会館、6/7(日)サントリーホール(完売)※各公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。問 http://st-summit.com ヴァイオリンの女王的存在として君臨するストラディヴァリウス。その銘器ばかりが揃ってアンサンブルを奏でる『ストラディヴァリウス・サミット・コンサート』が今年も開催される。しかも出演するのが世界最高峰ベルリン・フィルのトップ・メンバーたちなのだから超豪華。注目度倍増のコンサートだ。 現存するストラディヴァリウスは600挺ほどと言われているが、今回ステージに集まるのは、そのうちの11挺。かつて貴志康一が日本人として初めて所有したストラディヴァリウスである「キング・ジョージⅢ」(1710年製作)はじめ、7挺のヴァイオリンと、ヴィオラとチェロ2挺ずつが集結する。その時価総額は約90億円以上だとか。希少価値でいえばヴィオラがすごい。ストラディヴァリウスのヴィオラは現在世界に10挺ほどしか残っていないといわれるが、そもそも製作されたヴィオラそのものがせいぜい20挺程度だったという説もあるから、世界遺産級の貴重品だ。そのうちの2挺が同時に鳴り響くのを聴ける機会は滅多にない。幻の銘器といわれるヴィオラ「グスタフ・マーラー」(1672年製作/作曲家マーラーの生誕100年の年にお披露目された)も登場する。 バッハ、モーツァルトからヴィヴァルディ「四季」、チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」、バーバー「アダージョ」など、弦楽の名曲がこれでもかと並ぶプログラムにも大満足。銘器、名曲、名演奏家の掛け合わせで、異次元の魅力が生まれるにちがいない。©満田 聡切るバッティストーニにより、各曲の個性が際立つ情熱的な演奏が繰り広げられることは間違いない。イタリア音楽の深さ、幅広さを知る上でも絶好のプログラムである。アンドレア・バッティストーニ(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団俊英の就任披露は《トゥーランドット》!文:加藤浩子第864回 オーチャード定期演奏会 5/17(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール第865回 サントリー定期シリーズ5/18(月)19:00 サントリーホール第94回 東京オペラシティ定期シリーズ5/21(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京フィルチケットサービス 03-5353-9522http://www.tpo.or.jp 春から始まる在京オーケストラの新シーズン最大の話題のひとつは、27歳のイタリアの俊英、アンドレア・バッティストーニが東京フィルの首席客演指揮者に就任することだろう。2012年の東京二期会公演《ナブッコ》で初共演して以来、共演のたびに名演を披露してきた最強の組み合わせが、いよいよ未来を目指して始動する。 5月に行われる就任披露のコンサートは、このコンビならではの魅力的なプログラム。記念すべき初回は、演奏会形式による《トゥーランドット》(5/17, 5/18)。プッチーニの遺作にして冒険的かつ壮大な傑作《トゥーランドット》は、バッティストーニがヴェローナ音楽祭でも振っている得意の演目。オーケストラ音楽としての効果も満喫できる点で、「演奏会形式に最適」(本人談)だという。主役の2人には、彼が本作で共演した国際的に活躍するティツィアーナ・カルーソー(トゥーランドット/ソプラノ)とカルロ・ヴェントレ(カラフ/テノール)を招聘し、ソプラノの浜田理恵が得意とするリューを歌うなど、キャストも万全。輝かしくダイナミックな演奏が期待できそうだ。 バッティストーニ&東京フィルのコンビによるもうひとつの柱が、イタリア生まれのオーケストラ音楽の傑作を紹介するシリーズだ。ロッシーニからレスピーギまで時代順に並んだ『東京オペラシティ定期シリーズ』のプログラム(5/21)は、まさに彼でなければできないセレクション。吹奏楽で聴くことの多いレスピーギ「シバの女王ベルキス」がオーケストラで聴けるのも楽しみ。どの曲も「本当に傑作」だと言い左より:アンドレア・バッティストーニ ©Fabio Parenzan/ティツィアーナ・カルーソー/カルロ・ヴェントレ
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