eぶらあぼ 2015.5月号
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44オーケストラに加え、パイプオルガンも愉しめる 金沢のLFJのテーマは『パシオン・バロック~バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディ』。バロック音楽を中心に据えながら、「Regard sur Kanazawa 金沢への視点」と銘打った独自プログラムが用意されている。 1560席のコンサートホールでは、初日の幕開けにハワイ生まれの一流トランペット奏者エリック宮城が登場し、地元の石川県立小松高校および長野県長野東高校の吹奏楽部とコラボする。リムスキー=コルサコフ「シェヘラザード」をフレッシュなサウンドで聴かせてくれるだろう。 井上道義が指揮するオーケストラ・アンサンブル金沢の演奏をご当地で聴く楽しみもある。彼らが本拠地とするこのホールで、ベルリン・フィルのクラリネット奏者ヴェンツェル・フックスと演奏するウェーバーのクラリネット協奏曲第2番は注目だ。 チョン・ミョンフンの指揮・ピアノによる東京フィルの登場も話題を呼んでいる。モーツァルトのピアノ協奏曲第23番や、ベートーヴェンの交響曲第7番という爽やか系の名曲が演奏される。 さらに、このホールでしか聴くことのできないパイプオルガンの音色も味わっておきたい。フランスのオルガニスト、エリック・ルブランが、バッハのコラール前奏曲やオルガン協奏曲などを堂々たる響きで奏でてくれるだろう。邦楽とのコラボや室内楽公演もさらに充実 室内楽にも贅沢なアンサンブルが登場する。通常は邦楽専用で使用されている「邦楽ホール」で聴けるのも一興だ。オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管メンバーによって構成されるムジカ・レアーレ、そしてドイツのザクセン・バロックオーケストラ・ソロイスツ、それにフランス古楽グループのアンサンブル・レ・ゾンブルが、それぞれJ. S. バッハの世界を作り出す。 能楽宝生流シテ方とクラシック音楽との合同企画も金沢ならではの恒例企画。今年はパリ・コロンヌ弦楽四重奏団と、金沢を拠点に活躍するソプラノ歌手・石川公美のバッハとヘンデルの演奏と共に、金沢生まれの渡邊荀之助が舞う。 さらに、言わずと知れた人気アーティストの仲道郁代、本国ナントのLFJでも活躍するアンヌ・ケフェレックといったピアニストの公演や、金沢市アートホールに登場するチェンバロの中野振一郎、リュートのダニエル・ザピコ、ヌオーヴォ・アスペット・ブレーメンといった一流古楽奏者やグループの演奏など、金沢の「パシオン」も聴きどころ満載である。4/28(火)~5/5(火・祝) 北陸エリア(福井・石川・富山)5/3(日・祝)~5/5(火・祝) 石川県立音楽堂、金沢市アートホール 問 ラ・フォル・ジュルネ金沢音楽祭実行委員会事務局076-232-8111 http://lfjk.jp北陸新幹線が開通したことにより、ぐっとアクセスしやすくなった金沢。LFJ会場となる石川県立音楽堂は駅の目の前、金沢市アートホールもほど近い距離にある。東京から2時間半で着くので、会期が重なる東京のLFJとハシゴも可能! 金沢観光も視野にいれながら、石川でしか聴けないプログラムを堪能したい。ラ・フォル・ジュルネ金沢2015パシオン・バロック~バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディエリック宮城ムジカ・レアーレ©Seth Carnillパリ・コロンヌ弦楽四重奏団昨年の金沢駅・鼓門井上道義チョン・ミョンフン©Riccardo Musacchioヴェンツェル・フックスエリック・ルブラン

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