eぶらあぼ 2015.5月号
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180CDCDCDCDフランス革命時代のフルート協奏曲集/エマニュエル・パユロメオとジュリエット/栃尾克樹J.S.バッハ:パルティータ(全曲)~ジルバーマン・ピアノによる/武久源造ガブリエリの饗宴/ブラス・プリンシパル・ジャパンドヴィエンヌ:フルート協奏曲第7番 ホ短調/ジアネッラ:同第1番 ニ短調/グルック:同 ト長調/プレイエル:同 ハ長調エマニュエル・パユ(フルート)ジョヴァンニ・アントニーニ(指揮)バーゼル室内管弦楽団プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」よりムソルグスキー:歌曲集「青年時代」より・同「死の歌と踊り」よりラフマニノフ:チェロ・ソナタ栃尾克樹(バリトン・サクソフォン)山田武彦(ピアノ)J.S.バッハ:パルティータ(全6曲)武久源造(フォルテピアノ)ガブリエリ:第7旋法による8声のカンツォーナ第1番・第2番、ピアノとフォルテのソナタ、4声のカンツォーナ・ペル・ソナーレ第1番「悪魔にとりつかれた女」・第4番 他ブラス・プリンシパル・ジャパン[NHK交響楽団、東京都交響楽団、読売日 本交響楽団のメンバーによるブラス・アン サンブル]ワーナーミュージックWPCS-13053 ¥2600+税マイスター・ミュージックMM-3046 ¥2816+税コジマ録音ALCD-1148,1149(2枚組) ¥3400+税オクタヴィア・レコードOVCC-00111 ¥3000+税研ぎ澄まされた技巧、響きを自在にコントロールすることによって生み出される多彩な音色が、多くの人々を魅了し続けているパユ。時代の中に埋もれてしまった作曲家や作品の発掘に積極的である彼は、今回の新譜にも、「フランス革命」期の協奏曲を4曲収録した。核となるフランソワ・ドヴィエンヌの作品は、優雅な作品様式がモーツァルトの作品との近似性を感じさせる。後のフルート技術の革新的な発展に貢献した華麗な技巧が駆使されているが、パユは正確無比な演奏によってそれを吹きこなすに留まらず、難渋な走句から様々な表情を引き出すことに成功している。(長井進之介)バリトン・サックスの深みのある色艶とロシア音楽の相性のよさを存分に味わえる1枚。プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」は、冒頭の歌い出しが実に官能的。また、共演の山田武彦によるチェロ&ピアノ編曲なので、ピアノの好サポートも随所で光る。ムソルグスキーの2つの歌曲の編曲では、原曲のバスの語り口や抑揚を丹念に描出。そしてラフマニノフのチェロ・ソナタの編曲でも、原曲の郷愁や陰影感を忠実に再現しながら、技巧的な難所もみごとにクリア。栃尾と山田、2人の名手ならではのスケールの大きな音楽と充実した対話を聴かせてくれる。(渡辺謙太郎)バッハは遅くとも1735年には、名匠ジルバーマンが開発した初期のピアノに接している。もっとも、“第一印象”は今ひとつだったようだが、その後も弾く機会はあっただろう。武久は、このピアノに、佳品「パルティータ」が新たな命を得る可能性を見出した。1747年製作のジルバーマン・ピアノの複製の音色は、チェンバロではなく、打弦楽器であるクラヴィコードと、現代ピアノの中間のよう。チェンバロとピアノ、両方の特徴を備えたレジスター(音色変化の機構)の面白さも加わって、どこかポップな印象だ。ここに武久独特の真摯な取り組みが“化学反応”し、芳香と愉悦を生む。(寺西 肇)N響、都響、読響の金管奏者12人による“ガブリエリの饗宴”とくれば、米国3大楽団の奏者によって録音された定盤(1968年)の、最新在京オーケストラ版企画であるのは間違いない。だが本作はトランペットとトロンボーンのみ。そこが決定的に違う。各団体の両楽器の首席&パートナー4名が1グループを形成しながら、様々な組み合わせで奏する形は、筋が通っている上にスリリング。両楽器の持ち味であるストレートで切れ味良く輝かしい響きの交錯が、独特の興趣を生み出していく。演奏機会の多い曲が年代順に収録されているので、資料や参考CDとしての価値も高い。(柴田克彦)
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