eぶらあぼ 2015.5月号
166/225

177コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPAL■第46回サントリー音楽賞に広上淳一 と京都市交響楽団 広上淳一と京都市交響楽団が第46回(2014年度)サントリー音楽賞を受賞した。「サントリー音楽賞」(旧名・鳥井音楽賞)は公益財団法人サントリー芸術財団が1969年の設立以来、わが国における洋楽の振興を目的として、毎年、その前年度においてわが国の洋楽文化の発展にもっとも顕著な功績のあった個人または団体を顕彰するもの。《贈賞理由》 広上淳一が常任指揮者に就任してからの京都市交響楽団は驚異的な能力の向上を遂げ、今や日本で屈指のオーケストラになったといっても過言ではない。定期演奏会が十回以上連続で売り切れを記録したことも、その何よりの証といえる。単なる個々のプレイヤーの技術的な上手さを超えて、一つのアンサンブルになったときの独自の「サウンド」の深みの感覚がある。また、独奏パートだけではなく、それを支える和弦や内声や副声部の目立たないシンプルなフレーズが、ことごとく完璧に調和して「決まる」ことにも瞠目される。これらは今日なお日本のオーケストラではなかなか得難い資質である。特に昨今の演奏の中でも、3月14日の577回定期演奏会はNHKでも放映され、また東京でも同じ演目で公演が行われ、楽団の能力の高さを広く知らしめた。■第14回佐治敬三賞が決定 第14回(2014年)佐治敬三賞が「鈴木俊哉 リコーダーリサイタル《細川俊夫ポートレイト》」と「ニンフェアール第10回公演 東洋と西洋の絃」に決定した。 佐治敬三賞は、わが国で実施された音楽を主体とする公演の中から、チャレンジ精神に満ちた企画でかつ公演成果の水準の高いすぐれた公演に贈られるもので、2001年度(平成13年度)に公益財団法人サントリー芸術財団により制定された。《贈賞理由》○鈴木俊哉は1961生まれ。アムステルダム・スヴェーリンク音楽院卒業。リコーダーを花岡和生、ワルター・ファン・ハウヴェに師事。リコーダーの可能性と技術の開拓に取り組み、B.ファーニホウ、細川俊夫、野平一郎、S.シャリーノ、湯浅譲二ら現代作曲家達と共同作業をおこない、彼らの作品を初演。「細川俊夫ポートレイト」は日本を代表する作曲家の初期から現在までを俯瞰し、その作風と音楽思想をリコーダーを通じて表現しようとする果敢なものであった。受賞したリサイタルでは長年コラボレーションを続けてきた細川作品を的確に理解し、独自の思想で裏打ちされた豊かな音楽表現を表現しえたという点で、注目に値する演奏会になっていた。○ 「ニンフェアール」は愛知県を拠点とする団体で、同県にゆかりのある作曲家・演奏家を国内外から招聘広上淳一 Photo:Greg Sailor京都市交響楽団鈴木俊哉 リコーダーリサイタル《細川俊夫ポートレイト》ニンフェアール第10回公演 東洋と西洋の絃

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です