eぶらあぼ 2015.5月号
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176(3/26・京都勧業館みやこめっせ)。これは小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトの一環でもあり、「子どものためのオペラ」と称する通り、多くの子どもたちに生のオペラの魅力に触れてもらおうという、いわばオペラの“入門編”。歌唱が日本語なのも音楽塾としては初めての試みだ。 上演の前に行われた小澤によるオペラのあらすじの説明とオーケストラの楽器の解説が実に愉快で、団員たち(小澤征爾音楽塾オーケストラ)は、小澤の紹介に併せパートごとに、ユーモラスなパフォーマンスを行いながら四方八方から入場。これには子供たちも大喜び。各楽器の形態やその音色に大きな興味を寄せていた。 小澤の指揮による音楽が始まると、騒がしい雰囲気の会場もすぐに静まり、デイヴィッド・ニースのファンタジックな演出、サラ・G・コンリーの装置・衣装と高沢立生の照明が、色彩感あふれるメルヘンの世界を盛り上げた。歌手たち(金澤桃子、鈴木望、駒田敏章、小倉牧子、他)も好演で、多くの子どもたちがおとなしく熱心にオペラを鑑賞していた。 なお、「ロームシアター京都」の2016年のオープニング事業も決定しており、クラシック関係の主な催しとしては、開館記念公演・式典(京都市交響楽団による記念演奏会、他)(1月)、京都市交響楽団オリジナル・オペラ《フィデリオ》(1月)、ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミー『くるみ割り人形』(1月)、小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト《こうもり》(2月)、マリインスキー・オペラ《エフゲニー・オネーギン》(10月)、新国立劇場 高校生のためのオペラ鑑賞教室 関西公演《フィガロの結婚》(10月)、秋の合同バレエ祭(仮称)『白鳥の湖』(11月)などが予定されている。問 ロームシアター京都 開設準備室075-746-3355  http://www.rohm.co.jp/web/japan/theater■山田和樹がモンテカルロ・フィルの 音楽監督就任へ 指揮者の山田和樹が、2016年9月、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団(OPMC)の芸術監督兼音楽監督に就任する。4月3日、同団が発表した。 モンテカルロ・フィルは、イーゴリ・マルケヴィチ、ロヴロ・フォン・マタチッチ、マレク・ヤノフスキらが歴代の音楽監督を務め、現在はジャンルイジ・ジェルメッティが芸術監督を務める。 山田はすでに14年9月から同団首席客演指揮者のポストに就いていた。任期は2016年9月から2019年8月までの3年間。2015/16シーズンから様々な準備に着手し、「年に最低8週間」、全21回の定期演奏会のうち5、6回を指揮、夏の宮殿コンサートを2回、その他にツアー、録音なども行うという。オペラ公演も指揮する予定。 山田はこのほか、現在、日本フィル正指揮者、スイス・ロマンド管首席客演指揮者、横浜シンフォニエッタ音楽監督、仙台フィルミュージック・パートナー、オーケストラ・アンサンブル金沢ミュージック・パートナー、東京混声合唱団音楽監督を兼務している。モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団http://www.opmc.mc■小澤征爾が京都の小学生2000人に オペラを披露 小澤征爾が、2016年1月に開館する「ロームシアター京都」のオープニング・プレ事業として、小学生約2千人を招待し、ラヴェルの《子どもと魔法》を上演した子どものためのオペラ《子どもと魔法》より ©大窪道治3/26 モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団演奏会より ©テレビマンユニオン

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