eぶらあぼ 2015.4月号
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68オペラ・ガラ・コンサート~世界オペラ歌唱コンクール『NEUE STIMMEN 新しい声』の歌手たちを迎えて~4/29(水・祝)15:00 よこすか芸術劇場問 横須賀芸術劇場046-823-9999 http://www.yokosuka-arts.or.jpイ・ミョンヒュン(テノール)歌うことで多くの人を勇気づけ、癒したいと願っています取材・文:東端哲也Interview ドイツのベルテルスマン財団が1987年から隔年で開催している『世界オペラ歌唱コンクール NEUE STIMMEN 新しい声』。韓国人テノール、イ・ミョンヒュンは、前回(2013年)よこすか芸術劇場で行われた予選オーディションを経て、男声部門で見事優勝を果たした。「12歳の時、三大テノールの韓国公演をテレビで観て感動し、オペラ歌手になることを決意した」という彼は、14歳で声楽を学んだ時からこの道一筋。現在はハンブルク音楽演劇大学に在籍しながらキャリアを積んでいる。 「勉強を始めた当初から、過去の偉大なリリック・テノールの歌唱に深いインスピレーションを受け、自分もそのように歌いたいと強く願ったものでした。テノールの声はとても繊細で、それをうまくコントロールするのは大変難しい時もあります。でも、この声を自分が授かったことを、とても嬉しく誇りに思うのです」 現在の声質はリリコ。マスネ《ウェルテル》より、有名な〈春風よ、何故私を目覚めさせるのか?〉をドイツの本選で歌ったが、この役に望まれる繊細なロマンティシズムと情熱を持ちあわせている。 「私の大好きなアリアのひとつで、甘い旋律を最後まで維持できるかがポイントなのです。コンクール本番では音楽コーチのサポートもあって、自分でもベストの力が出せました。ただ、オペラの舞台でウェルテル役を演じるのはまだ早過ぎると思います。キャリアの初めから無理は禁物ですからね。今、得意としているのはドニゼッティ《愛の妙薬》のネモリーノやモーツァルト《魔笛》のタミーノなど。声が合っているだけでなくキャラクターも私自身のパーソナリティに近いかもしれません(笑)」 4月には、本年の予選を前によこすか芸術劇場で開催されるガラ・コンサートに出演し、得意のレパートリーに加え、プッチーニ《ラ・ボエーム》より〈冷たい手を〉、ヴェルディ《リゴレット》より四重唱なども歌う予定だ。 「前回、横須賀で歌った時、温かく迎えてくれた聴衆の皆さんのことを今でも覚えています。あの響きの美しいホールで再び、共に予選を戦った仲間と一緒に歌えるのを楽しみにしています。今はまだハンブルクで勉強を続け、欧州の文化などを学ぶ身ですが、いつの日か人々を勇気づけたり、癒したりできるような音楽家になりたいです」4/23(木)11:00 第一生命ホール問 トリトンアーツ・チケットデスク  03-3532-5702 http://www.triton-arts.net第一生命ホール ライフサイクルコンサート 雄たけひろ大と行く 昼の音楽さんぽ第1回 藤原真理 春、咲き誇るチェロチェロの名曲を優しいトークと共に文:渡辺謙太郎藤原真理 ©Atsuya Iwashita 本物の演奏とわかりやすい切り口で、クラシックをもっと身近に。開館以来、このコンセプトを貫いてきた第一生命ホールに、魅力的なシリーズがまたひとつ加わる。音楽ライター・山野雄大がナビゲートする『雄大と行く 昼の音楽さんぽ』だ。 注目の第1回には、日本を代表するチェリスト・藤原真理が登場。『春、咲き誇るチェロ』と題した約90分の公演を行う。プログラムは、カサド「親愛の言葉」、シューマン「アダージョとアレグロ」、J.S.バッハ「無伴奏組曲第1番」など。いずれもチェロの豊かな響きを味わうのに打ってつけの名曲だ。共演ピアニストは藤原の信頼が篤い倉戸テルが務める。そして今回は、モーツァルトの《魔笛》を基にベートーヴェンが作曲した2つの変奏曲が並ぶのも聴きどころ。構築性の高い作風で、変奏曲の名手と謳われた彼の手腕がいかに優れていたか。一流の演奏による聴き比べは、それを鮮やかに示してくれることだろう。

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