eぶらあぼ 2015.4月号
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61「作曲家の肖像」シリーズ Vol.102 北欧 アイヴィン・オードラン(指揮) 東京都交響楽団北欧の4大作曲家にスポットを当てて文:オヤマダアツシピエタリ・インキネン(指揮) 日本フィルハーモニー交響楽団若い感性で迫るブルックナー文:飯尾洋一4/29(水・祝)14:00 東京芸術劇場コンサートホール問 都響ガイド03-3822-0727 http://www.tmso.or.jp第669回東京定期演奏会4/24(金)19:00、4/25(土)14:00 サントリーホール問 日本フィル・サービスセンター03-5378-5911 http://www.japanphil.or.jp 東京都交響楽団による“もうひとつの定期”であり、100回を超える人気シリーズ「作曲家の肖像」。週末または祝日の午後2時からということもあり、平日夜の定期演奏会とは異なる雰囲気も感じさせるコンサートだが、そのプログラムは通常の定期演奏会よりも冒険的であるものが多く、指揮者やソリストもまったく遜色がない。 2015年度のテーマは作曲家ではなく、やや変化球気味の「国・地域」だ。4月29日に行われるシリーズ第102回は、北欧諸国の作曲家たちをチョイス。今年が記念すべき生誕150年となるシベリウス(フィンランド)とニールセン(デンマーク)をはじめ、4人の作曲家にスポットライトを当てる。グリーグ(ノルウェー)の「ペール・ギュント」は演奏会用組曲ではなく、劇音楽全曲版からの抜粋であることもポイントだ。ニールセンがエーゲ海の神々しい日の出を これまでにマーラーやシベリウス、ワーグナーなどで日本フィルと共演を重ねてきたフィンランドの気鋭、ピエタリ・インキネン。この4月の東京定期ではブルックナーの交響曲第7番を指揮する。 インキネンのブルックナー? 34歳の首席客演指揮者がとりあげるレパートリーとしては、やや意外な感をもたれるかもしれない。しかし、もともとインキネンはワーグナーを得意とする指揮者である。2013年の日本フィルとの《ワルキューレ》第1幕も記憶に新しいが、パレルモやメルボルンで《ニーベルングの指環》を指揮するなど、この年齢にして豊富な実績を持つ。ブルックナーはそのワーグナーに大きな影響を受けた作曲家である。昨年11月の東京定期演奏会後に行われたアフタートークで「シベリウスは、ブルックナーからもワーグナーからも大きな影響を受けている」と、インキネンは指摘していた。つまりインキネンにとって、ワーグナー、ブルックナー、シベリウスは音楽史のなかでひとつの系譜を形作ってモティーフに作曲した序曲「ヘリオス」と、スウェーデンのシンフォニストであるアルヴェーンが作曲したゴージャスな「祝典序曲」は、なかなかコンサートで聴けない作品。そしてシベリウスの「フィンランディア」がホールに熱気を運んでくれる。おり、その意味でブルックナーも欠かすことのできないレパートリーなのだろう。とりわけ交響曲第7番に対しては「いちばんのお気に入りの作品」と語っている。 もう一曲のこの日の聴きものは、名 指揮台に登場するのは1956年生まれのベテラン指揮者、アイヴィン・オードラン。出身国のノルウェーおよびヨーロッパ各地で堅実に活動を続けてきたマエストロだ。小林沙羅が可憐で健気なソルヴェイグを歌うのも楽しみ。手アンジェラ・ヒューイットを独奏に招いた、ブラームスのピアノ協奏曲第1番だ。ヒューイットが愛着を持つファツィオリ社製のピアノが使用される。輝かしく、そして味わい深いブラームスを期待できる。小林沙羅 ©Nippon Columbiaアイヴィン・オードラン ©Benjamin Ealovegaアンジェラ・ヒューイット ©Bernd Eberleピエタリ・インキネン

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