eぶらあぼ 2015.4月号
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182SACDCDCDCDアルフレッド・リード自作自演集/リード&東京佼成ウインドオーケストラオルフ:カルミナ・ブラーナ/飯森範親&東響ヴィヴァルディ:グローリア/新イタリア合奏団&岡山バッハカンタータ協会ジークフリート牧歌~近藤薫デビューアルバムリード:第2~第4交響曲、第1~第4組曲、小組曲、アルメニアン・ダンス パート1・2、「ハムレット」への音楽、オセロ、エルサレム賛美、エヴォリューションズ 他アルフレッド・リード(指揮)東京佼成ウインドオーケストラオルフ:世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」飯森範親(指揮)東京交響楽団半田美和子(ソプラノ)高橋淳(テノール)与那城敬(バリトン)東響コーラスヴィヴァルディ:グローリア、キリエ/J.S.バッハ:カンタータ「主よ、われ汝をあおぎ望む」BWV150フェデリコ・グリエルモ(指揮)新イタリア合奏団岡山バッハカンタータ協会(合唱) 他ワーグナー(荒井英治編曲):ジークフリート牧歌フランク:ヴァイオリン・ソナタシュニトケ:古い様式による組曲ペルト:鏡の中の鏡近藤薫(ヴァイオリン)長尾洋史(ピアノ)日本コロムビアCOCQ-85248~52(5枚組) ¥6400+税収録:2014年2月、東京(ライヴ)オクタヴィア・レコードOVCL-00552 ¥3200+税マイスター・ミュージックMM-3044 ¥2816+税HERB ClassicsHERB-022 ¥3000+税没後10年を迎えた“吹奏楽の神様”A.リードは、東京佼成ウインドオーケストラを指揮して、約250曲の作品中84曲を録音した。当盤は、その中からさらに33曲を厳選して収録したベスト・ボックス。50年に及ぶ作品が概ね作曲順に並べられ、初来日時のライヴを含む1981〜94年の録音が収められている。むろん生彩に富んだ最高レベルの名演揃いだが、今回改めて驚いたのは、表情のこまやかさと豊かさ。例えば「アルメニアン・ダンス パート1」の慈しむようなフレージングは、「本来の姿はこうだったのか…」と感銘を新たにさせる。吹奏楽ファンは必携!(柴田克彦)冒頭から十分なパワーと骨太さに満ち溢れながら、美しさを犠牲にしない素晴らしい響きに魅了され、全曲に渡ってこの美点は徹底して維持される。飯森の手腕は特筆に価する。声楽陣も見事で、中でも「カルミナのテノールといえばこの人」とも言うべき高橋淳の芝居っ気に満ちた「焙られた白鳥の歌」は最高の一語。バリトンの与那城敬は「怒りに心収まらず」で正確さを敢えて犠牲にしてまでもこの歌の「激情」を迸らせて圧巻だし、「赤い胴着の乙女〜」、「ゆれ動く、わが心」での半田美和子の美声による秘めやかな歌もまた聴き物。合唱も雄弁。ライヴながら録音も優秀だ。(藤原 聡)“音楽大国”の誇りと伝統を受け継ぐ名門アンサンブルと、1987年の結成以来精力的に活動する岡山の合唱団体が共演。ヴィヴァルディとバッハの宗教声楽作品を収録した。モダン楽器ならではの表現を追究する新イタリア合奏団の美点は、「グローリア」の前奏の、南国の陽光を写し取ったような輝かしさに反映されている。ヴィヴァルディは、まるで彼らのサウンドを想定して、この音楽を書いたかのよう。時に浮き彫りとなる、チェロのルイジ・プクセドゥのコンティヌオも味わい深い。さらに、合唱とソリスト陣も、真摯かつ丁寧に2大巨匠の佳品へ対峙していることが聴いてとれる。(寺西 肇)東京フィルを経て、九響のコンマスを務める俊才の初ソロ盤。彼の実演にはオーケストラや室内楽で数多く接してきたが、今回ソロを初めて聴き、こんなに上手かったのかと驚嘆した。近藤のヴァイオリンは、春の雪解け水のように瑞々しく、草や木々を潤すように作品を紡いでいく。荒井英治が編曲した「ジークフリート牧歌」は、オリジナルがこちらかと思うほど自然で緻密な佇まい。弱音に細心の注意が払われているシュニトケとペルト、そして長尾洋史の好サポートも光るフランク。どこまでも清廉で悠揚としたその彫琢は、過去の巨匠たちの名盤にも比肩するような美しさだ。(渡辺謙太郎)
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