eぶらあぼ 2015.4月号
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178SACDCDCDCDアヴェ・マリア/ヴィットリオ・グリゴーロ曼珠沙華~平山美智子 山田耕筰を歌うロンド~珠玉のヴァイオリン名曲集/新垣隆&礒絵里子マーラー:交響曲第4番&第6番/アシュケナージ&シドニー響カテーナ、バルトルッチ、カッチーニ、シューベルト:アヴェ・マリア/フランク:天使のパン/ヴェルディ:レクイエムより「私は嘆く」/モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス 他ヴィットリオ・グリゴーロ(テノール)ファビオ・チェローニ(指揮/オルガン)ローマ・シンフォニエッタ管弦楽団システィーナ礼拝堂合唱団松平頼暁:歌う木の下で/早坂文雄:うぐいす/山田耕筰:この道、かえろかえろと、待ちぼうけ、赤とんぼ、鐘が鳴ります、からたちの花、青蛙、曼珠沙華/湯浅譲二:おやすみなさい 他平山美智子(ソプラノ)高橋アキ(ピアノ) 他新垣隆:ロンド、哀しい鳥/エルガー:朝の歌、夜の歌/ディニク:ひばり/モンティ:チャルダーシュ/サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン/グラズノフ:瞑想曲/クライスラー:愛の喜び、愛の悲しみ/ヴィラ=ロボス:黒鳥の歌 他礒絵里子(ヴァイオリン)新垣隆(ピアノ)マーラー:交響曲第4番・第6番「悲劇的」ウラディーミル・アシュケナージ(指揮)エマ・マシューズ(ソプラノ)シドニー交響楽団ソニーミュージックSICC-1775 ¥2400+税カメラータ・トウキョウCMCD-28317 ¥2800+税ソニー・ミュージックダイレクトMECO-1027 ¥3000+税オクタヴィア・レコードEXCL-00101(2枚組) ¥3500+税本作は、今をときめくスター・テノール、グリゴーロの“聖なるアリア集”というだけではない。彼が11歳〜14歳まで所属していたヴァチカンのシスティーナ礼拝堂合唱団で歌い、心に刻まれたという宗教曲の数々を、同団とともに収録しており、彼の音楽のルーツとその魅力を再発見できる。大半の収録曲の編曲をグリゴーロ自らが手掛け、当時の師でもあった神父の作品はもちろん、極めてオペラ的なヴェルディ「レクイエム」のソロにも敬虔な祈りが感じられる。シューベルトの表題曲が聖歌隊に入るきっかけを作ったのというのも興味深い。4月の来日公演が待ち遠しい。(東端哲也)欧州のオペラの檜舞台での活躍を経て、前衛作品の世界へ身を投じ、現代の大家から数々の作品の献呈も受けて来た世界的ソプラノの平山美智子。当盤は、90歳を迎えた2013年、高橋アキのピアノをパートナーに、イタリアで収録された。山田耕筰のお馴染みの歌曲に加え、現代日本の作曲家3人の独創的な世界を歌い分け。平山は老いを繕うどころか、むしろ武器に。例えば、「かえろかえろと」での独創的な表現は、今の彼女にしかできまい。かと思えば、ふっと透明感あふれる声で魅せ、ポルタメント表現の巧さに唸らされる瞬間も。凄い。ここには、真の音楽がある。(寺西 肇)昨年センセーショナルな“告白”で注目を浴びた、作曲家でピアニストの新垣隆。生来持っていた豊かな才能と人柄の良さに音楽仲間のサポートもあって、その後音楽活動に復帰。フリージャズとのコラボ作に続いて、今回はヴァイオリン二重奏「デュオ・プリマ」の活動で知られる旧知の礒絵里子とのクラシック・アルバムをリリースした。肩の凝らない小品集ではあるが1曲ごとのコントラストが非常に美しい一枚。もちろん、クライスラーの名曲を彷彿とさせる愛らしい「ロンド」と、神秘的でちょっぴり遊び心もある「哀しい鳥」の新垣作品も聴きどころだ。(東端哲也)アシュケナージが2013年まで首席指揮者を務めていたシドニー響とのマーラー。第4番は各声部がよく歌う上に、端正に造形されているあたりにベテランらしさが表れている。軽やかに始まり、第3楽章では弦の陶然とした美もたっぷりと味わわせてくれる。「天上の生活」のエマ・マシューズの歌唱も逸品。第6番は目の覚めるような、はきはきとしたスピードでスタートし、スケルツォ楽章との関連性を聴き手に意識させる。第4楽章の複雑なテクスチュアも簡潔にまとまめられている。この曲によく見られる重々しく壮絶な解釈とは一線を画した、喉元をすっきりと通る爽快で雄渾な「悲劇的」だ。(江藤光紀)

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