eぶらあぼ 2015.3月号
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54パスカル・ドゥヴァイヨン&村田理夏子ピアノデュオ・リサイタル『洪牙利(ハンガリ)の魂』4/4(土)18:30 東京文化会館(小)問 コンサートイマジン03-3235-3777 http://www.concert.co.jp他公演(プログラムは異なります)3/14(土) 熊本市健軍文化ホール(日本ピアノ教育連盟九州南部支部096-380-0268)、3/21(土・祝) 藤沢リラホール(0466-22-2721)、4/12(日)宗次ホール(052-265-1718)、4/13(月) 神戸女学院大学音楽学部音楽館ホール(0798-51-8550)パスカル・ドゥヴァイヨン & 村田理夏子(ピアノデュオ)ハンガリーをテーマに2台ピアノの醍醐味を取材・文:渡辺謙太郎Interview 2006年から活動を開始し、来年結成10周年を迎えるパスカル・ドゥヴァイヨンと村田理夏子のデュオは、まさに“現在”(いま)が聴き頃だ。ここ数年間、拠点のベルリンで開催した全公演が満席になるなど、大きな注目を集めている。4月に4年ぶりに行われる日本公演のタイトルは、「洪牙利(ハンガリ)の魂」。これは今年没後70周年のバルトークを記念した企画だそうだ。 「バルトークの『2台ピアノと打楽器のためのソナタ』を取り上げます。このソナタは、ピアノ・デュオというレパートリーの中で最も美しい作品だと思います。色彩感が非常に豊かな上、心地よくて聴きやすい素晴らしい曲。ただ、演奏家がそれを的確に表現するのは非常に難しい」(ドゥヴァイヨン) ティンパニ、シロフォン、シンバル、トライアングルなど、多くの打楽器を用いた打楽器パートには2人の若手日本人、大澤香奈江と小島快を起用。 「2人とも桐朋学園の出身で、現在はパーカッションアンサンブルグループ『打BLITZ!』の一員として活躍中の実力派。ドゥヴァイヨンが桐朋の特任教授をしている縁で知り合いました。先日、初めて一緒にこの作品を合わせたのですが、授業で1年間しっかり勉強してきたそうで、細部まで知り尽くしていたので共演が楽しみです」(村田) この大曲の前後に演奏するのも、やはりハンガリーにゆかりのある作品。シューベルト「ハンガリー風ディヴェルティメント」と、ブラームス「2台ピアノのためのソナタ」だ。 「『ディヴェルティメント』は、シューベルトがハンガリーのエステルハージ伯爵家の2人の娘にピアノを教えていた頃に作曲した連弾曲。作曲者がこの地で感銘を受けた瑞々しいインスピレーションにあふれています。そしてブラームスのソナタは、傑作として名高いピアノ五重奏曲の基になった作品。彼の音楽は全ジャンルが“交響的”ですね。その管弦楽的な色彩をいかに引き出すかが面白さですし、大きな課題でもあります」(ドゥヴァイヨン) 結成10周年を見据え、「レパートリーをさらに拡げていきたい」と語る2人。具体的な展望として、ラフマニノフのピアノ・デュオ全作品、ベートーヴェン交響曲の2台ピアノ版など、実に魅力的な作品が多数並んでいる。そのライヴが、日本のファンの前で一日も早く実現することを心から祈りたい。3/21(土・祝)14:00 古賀政男音楽博物館 けやきホール問 古賀政男音楽博物館03-3460-9051 http://www.koga.or.jp永遠の古賀メロディー クラシックコンサート次世代へ歌い継ぐ永遠の名旋律文:笹田和人会田道孝小林真由美 古賀政男がこの世を去って30数年を過ぎてなお、彼が綴ったメロディーは、すべての日本人の心を掴んで離すことはない。そんな魅力あふれる名旋律を、小林真由美(ソプラノ)、加形裕子(メゾソプラノ)、粟飯原俊文(テノール)、石崎秀和(バリトン)という気鋭の声楽家たちが、次世代へと歌い継ぐ『永遠の古賀メロディー クラシックコンサート』。 ステージでは、「影を慕いて」「丘を越えて」「赤い靴のタンゴ」「誰か故郷を想わざる」などお馴染みのメロディーが情感豊かに披露される。さらに、ピアノとアレンジを担当する会田道孝が、この日のために「悲しい酒」や「月の浜辺」をピアノ独奏用に特別に編曲。会田自身により初演される。また、数々のオペラの檜舞台で活躍中の4人の名歌手が揃うだけに、名オペラ・アリアの数々も併せて歌われるのも楽しみ。古賀メロディーを愛してやまない人も、これまでじっくりと味わった経験がない人も、その新しい魅力を発見できるステージになりそうだ。

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