eぶらあぼ 2015.3月号
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46日本モーツァルト協会 創立60周年記念 モーツァルト交響曲全45曲演奏会天才の足跡を辿る、空前絶後の大ツアー文:柴田克彦アレクサンドル・ラザレフ(指揮) 日本フィルハーモニー交響楽団ラザレフが刻むロシアの魂 SeasonⅢ ショスタコーヴィチ 2第11番は真の傑作です文:飯尾洋一3/7(土) サントリーホール ブルーローズ(小)11:00 曽我大介(指揮)、15:00 金聖響(指揮)、18:30 湯浅卓雄(指揮)管弦楽:シアターオーケストラトーキョー3/8(日) サントリーホール11:00 三ツ橋敬子(指揮)、15:00 井上道義(指揮)、18:30 大植英次(指揮)管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団問 日本モーツァルト協会03-5467-0626 http://www.mozart.or.jp第668回 東京定期演奏会3/20(金)19:00、3/21(土・祝)14:00 サントリーホール問 日本フィル・サービスセンター03-5378-5911 http://www.japanphil.or.jp これは前代未聞の大企画だ。モーツァルトの全交響曲が、2日間6公演で作曲年代順に演奏される。世界的に見ても極めて稀な、演奏史上に輝く画期的イベントと言っても過言ではない。 周知の通り彼の交響曲は41曲にあらず。今回は、真作確定の39曲に、真偽不明曲の中から真作の可能性が高い6曲を加えた計45曲が、年代ごとに分けて披露される。この点も日本モーツァルト協会の創立60周年記念企画ならでは。特に、番号のない曲、20番台半ばまでの曲は、生涯唯一の生体験となる可能性十分だ。 初日は、曽我大介、金聖響、湯浅卓雄が、シアターオーケストラトーキョーを指揮して、第1番~21番を演奏。会場はサントリーホールのブルーローズ(小ホール)ゆえに、若き日の才気を間近で 首席指揮者アレクサンドル・ラザレフと日本フィルによる『ラザレフが刻むロシアの魂 SeasonⅢ ショスタコーヴィチ』、シリーズ第2弾となる3月の公演では、交響曲第11番「1905年」とピアノ協奏曲第2番(独奏:イワン・ルージン)が取りあげられる。昨年10月の第1弾では交響曲第4番が演奏されて大きな話題を呼んだことが記憶に新しいが、今回の交響曲第11番「1905年」でも聴く人に強烈なインパクトを残してくれるのではないだろうか。 交響曲第11番「1905年」は、1905年にロシア皇帝への請願のためにペテルブルク宮殿に向かった民衆の行進に対し、軍隊が発砲して多くの犠牲者を出した「血の日曜日事件」が題材となっている。ラザレフと日本フィルは感知できる。 2日目は、三ツ橋敬子、井上道義、大植英次が、東京フィルを指揮して、第22~41番を演奏。こちらは大ホールで、スケールアップした音楽を堪能できる。また各指揮者の解釈も見どころのひとつ。特に2日目は、三ツ橋の第25・29番、井上の「パリ」「ハフナー」「リンツ」、大植の「プラハ」&三大交響曲など、興味深いプログラムが並んでいる。すでに2003年に同曲を演奏し、これがまれに見る名演として語り草となっている。昨年、今回のシリーズを始める前に開かれた記者会見で、ラザレフは「この交響曲は日本フィルと初共演した思い出深い曲でもあり、私の大好きな作品でもある。この曲が革命のために書かれた作品であるかどうかは、私にとっては関係ない。これはプロパガンダのための音楽などではなく、ほかのショスタコーヴィ 8歳から32歳まで生涯にわたって書かれた交響曲は、モーツァルトの音楽的成長の濃密な縮図。それを短期集中的に耳にすることは、天才の変遷と円熟、先進性、引いては音楽の素晴らしさを実感する意義深い旅となる。もちろん珍しい曲や有名曲に絞るのもひとつの楽しみ。ロビーではCDや書籍も販売されるなど、ホール全体が“モーツァルト市”と化すので、足を運べば興趣は尽きない。チの傑作と同様に、深みのある音楽なのだ」と語っていた。 この曲が単に歴史のひとこまを描いた交響曲ではなく、現代社会と共有する普遍的な問題意識を宿した作品であることを痛感させてくれることだろう。金 聖響 曽我大介三ツ橋敬子 ©Walter Garosi湯浅卓雄大植英次 ©飯島 隆井上道義 ©加納典明イワン・ルージンアレクサンドル・ラザレフ ©山口 敦
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