eぶらあぼ 2015.3月号
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254吉川隆弘 × 西島数博『ジュリエットからの手紙』華麗なピアノの調べとダンサーの身体が織りなす、愛のメッセージ文:浦野芳子 2年前に上演され、好評を博した舞台が戻ってくる。『ジュリエットからの手紙』は、ロミオに寄せるジュリエットの思いが綴られた手紙の数々を通して、現代を生きる男女に、愛の美しさや深さ、そして儚さや切なさを伝える作品だ。ソロピアノのメロディに乗せ、ジュリエットからの手紙をダンサーたちが繊細な体の動きを通して表現していく。演奏は、ミラノ・スカラ座のバレエ公演でモーツァルトのピアノコンチェルトを演奏した経歴も持つ吉川隆弘。ダンサー陣には、スターダンサーズ・バレエ団のプリンシパルを経て多彩に活動の場を広げている西島数博、香港バレエ団でプリンシパルとして踊ってきた富村京子、そしてジュネーヴとチューリッヒのカンパニーで踊っていた梶谷拓郎、と国際的に活躍する面々。恋の一歩を踏み出すのに躊躇している男女に、豪華なメンバーが一体となって愛の素晴らしさを語り掛ける。3/29(日)15:00 18:00 イタリア文化会館・東京 アニェッリホール 問 Ampio吉川隆弘音楽事務所03-6421-8131 http://www.takahiroyoshikawa.com梶谷拓郎西島数博富村京子吉川隆弘谷桃子バレエ団『海賊』ダイナミックな魅力に溢れた新バージョン文:守山実花 伝統を守りながら、チャレンジを続ける谷桃子バレエ団。男性ダンサーも充実し、トリプルキャストで古典を上演できるカンパニーである。新作の『海賊』は、古典バレエのプリンスとは一味もふた味も違う、ダイナミックで雄々しい男性的な魅力にあふれた主人公が活躍する作品。ギリシャを舞台に、海と冒険を愛する海賊たち、美女や奴隷商人、大金持ちのパシャらが入り乱れ、物語が展開する。 演出・振付は、元キーロフ(現マリインスキー)・バレエ団プリンシパル、エルダー・アリエフ。物語の筋を整理、新解釈でわかりやすいものにする一方、オリジナル振付の魅力を生かし、かつ見ごたえあるダンスシーンへと発展させている。他の版との大きな違いは、海賊の首領コンラッドの魅力をより際立たせていること。この役を持ち役としてきたアリエフ独自の視点で、作品に新しい光が当てられる。監修・指導はイリーナ・コルパコワ、その薫陶を受け、ブラッシュアップされた舞台に期待したい。3/21(土・祝)14:00 19:00、3/22(日)16:00 東京文化会館 問 谷桃子バレエ団03-3717-7806 http://www.tanimomoko-ballet.com/©スタッフ・テス森山開次 × ひびのこづえ × 川瀬浩介 LIVE BONE in 春秋座かつてないスタイルに進化した、LIVE BONE文:高橋彩子 2004~09年のNHK『からだであそぼ』(09年以降は『あさだ! からだ!』)内で、身体のパーツをキュートな踊りで表現して人気を呼んだ、森山開次(振付・ソロ)×ひびのこづえ(美術・衣装)×川瀬浩介(音楽)の「踊る内臓」コーナー。10年からはライヴパフォーマンス『LIVE BONE』となり、日本国内13ヵ所と、インドネシア(バリ&ジャカルタ)、シンガポールを巡った。 さらに13年、ダンサーや美術・衣装を追加した劇場版が誕生。骨、内蔵、目、鼻、口…などをテーマに次々と繰り広げられる楽しく美しいダンスが、老若男女を魅了した。この劇場版が、歌3/29(日)14:00 京都芸術劇場 春秋座問 京都芸術劇場チケットセンター075-791-8240 http://www.k-pac.org舞伎俳優・市川猿之助が芸術監督を務める京都芸術劇場・春秋座に初登場。それも、昨年12月にオーディションで選ばれた小学生達10名からなる「こどもBONEズ京都」とプロのダンサー達との共演という、かつてないスタイルで、新たな場面を加えて上演される。 『からだであそぼ』を見て育った世代の子供達を迎え、本作はどのような進化を遂げるのか? 観客にとっても、人体の魅力と無限の可能性を再発見するひとときとなりそうだ。
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