eぶらあぼ 2015.3月号
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253NHK バレエの饗宴2015日本を代表するバレエ団とダンサーが一夜限りの競演文:石村紀子神シェンユン韻晩會 2015 日本公演踊りと映像の美しきコラボレーション文:石村紀子 アメリカ・ニューヨークに拠点を置き、世界的な活動を続けている中国の舞踊団「神韻芸術団」。失われた中国の「伝統文化」の復興を使命として2006年に誕生。以来、毎年世界のおよそ100都市を回り、反響を呼んでいる舞踊団である。 この団の特徴は、音楽と舞踊で天上の風景や古代伝説、英雄伝を語ることにより、中国に古くから伝わる思想や伝統、歴史をわかりやすく伝えていること。 司会による演目解説もあり、より理解を深めることができるようになっている。古典舞踊や舞踊劇、オペラ歌手による独唱などバリエーションに富んだ演目がテンポよく進んでいき、飽きさせない。 ダンサーは非常に身体能力が高く、男性は難易度の高い跳躍や宙返りなどの超絶技巧を駆使した踊りを、女性は柔軟性を存分に活かしたたおやかな踊りを披露して圧巻だ。極彩色の衣裳や、最新テクノロジーを使用した映像を組み合わせた装置も中国らしさに溢れている。また、同団には専属のオーケストラが帯同し、二胡や琵琶など中国古来の楽器と、西洋の楽器を組み合せたオリジナルの楽曲を演奏。この団にしかない独特の調べで華を添える。 日本での公演は今年で8回目となるが、毎年プログラムは一新されるので、新鮮な発見があるはず。現代の中国では失われてしまった文化と思想に触れてみてはいかがだろうか。3/28(土)17:00 NHKホール問 ハローダイヤル03-5777-8600 http://www.nhk-p.co.jp4/15(水)、4/16(木) 兵庫県立芸術文化センター 4/18(土)~4/21(火) 東京文化会館 問 古典芸術振興会コールセンター0120-91-8487 http://ja.shenyun.com 日本を代表するバレエ団やダンサーがカンパニーの枠を越えて集結。古典から現代作品まで、さまざまな作品を一挙に観ることができる稀有な公演である。4回目となる今回は、4つのカンパニーが出演、それぞれの個性が最も際立つ作品でバレエ芸術の粋を披露する。 下村由理恵バレエアンサンブルは『カルメン』(抜粋)を上演。女優のような演技も魅力的な下村由理恵が激しく情熱を燃やすカルメンをドラマティックに演じる。新国立劇場バレエ団は、昨年11月に上演した新制作版『眠れる森の美女』から第3幕を披露。古典の名作ならではの様式美が随所に詰まった演目である。新潟を拠点に活動するNoism1は新作『supernova』をお披露目、切れ味鋭い最先端のコンテンポラリー作品で躍動する肉体の美しさを魅せる。『パキータ』を上演するのは牧阿佐美バレヱ団。華麗なクラシックテクニックを存分に楽しめる煌びやかな作品だ。 この公演の特に素晴らしいところは、演目ごとに専用の装置がきちんと組まれる点である。こうした配慮は通常のガラ公演では珍しい。各カンパニーの持ち時間も長く、じっくりと作品を味わうことができるのだ。また通常、録音した音源を使用する作品も、すべて東京フィルハーモニー交響楽団(指揮:園田隆一郎)による生演奏で上演されるのも嬉しい。総合芸術としてのバレエ本来の形を存分に堪能できるのだ。多彩な作品に酔いしれることができる一夜限りの“夢の饗宴”。見逃せない。Noism1『solo for 2』より ©瀬戸秀美下村由理恵『カルメン』より ©スタッフ・テス
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