eぶらあぼ 2015.3月号
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251ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2014/15 バレエ『愛の伝説』ファン待望!10年ぶりの上演をシネマで堪能文:新藤弘子 ロシアの名門バレエ団の舞台を身近に観られる「ボリショイ・バレエ in シネマ」。『ラ・バヤデール』『ファラオの娘』など人気作品が毎月1本映画館で楽しめる好企画だが、3月、いよいよバレエ・ファン待望の作品が公開される。 若き日のユーリー・グリゴローヴィチが振り付けた『愛の伝説』は、ペルシャの伝説を下敷きにした物語。妹シリンを病から救うために自らの美貌を差し出す女王メフメネ・バヌーと、姉妹に愛される青年フェルハドらの愛と苦悩が、グリゴローヴィチ得意の躍動感あふれる舞踊によって大胆に描き出されボリショイ・バレエ in シネマ Season2014/15『愛の伝説』 3/20(金)、3/21(土・祝)全国の映画館 4/3(金)、4/4(土) Bunkamuraル・シネマ※詳細は右記ウェブサイトをご確認ください。 http://bolshoi-cinema.jpてゆく。スケールの大きい振付ゆえにボリショイ劇場改修中は上演できず、昨年10月、10年ぶりに再演の日を迎えた。 出演はマリーヤ・アラシュ、アンナ・ニクーリナ、デニス・ロヂキンら今が旬のキャストたち。11月に来日するマリインスキー・バレエもこの作品の上演を予定しており、観ておけばそちらへの期待も倍加しそうだ。©Pathe Live/dbi inc.Japan新国立劇場バレエ団 2015/16シーズン 公演ラインアップ大原芸術監督のもと、良質で多彩な舞台を文:渡辺真弓 新国立劇場2015/16シーズンのラインアップが1月16日に発表された。大原永子舞踊芸術監督にとって2シーズン目となるバレエ&ダンス部門は、バレエ6演目、ダンス4演目(5公演)が登場する。バレエの見どころをご紹介すると、まず話題は開幕(10/30)を飾る新制作の『ホフマン物語』全幕。オッフェンバックの名曲に、英国の誇る振付家ピーター・ダレルの演劇的バレエで、主人公ホフマンの3人の女性を巡る恋の遍歴を華麗に描いたもの(初演は1972年スコティッシュ・バレエ)。今回の上演では、装置と衣裳デザインを日本人スタッフが担当。大原監督自身が、スコティッシュ・バレエのプリンシパル当時、主役となる3人の女性を踊り分け作品を熟知しているだけに、適材適所の配役で新国立劇場バレエ団の総力を結集した制作となることだろう。オペラや演劇ファンにもおススメ。 もう1演目、大原体制の特色が表れているのが、2月公演のブルノンヴィル版『ラ・シルフィード』と、日本初演となるウエイン・イーグリング振付『Men Y Men』(初演は2009年イングリッシュ・ナショナル・バレエ)の2本立て。妖精のロマンティック・バレエと男性のみの出演による現代作品で、作風のコントラストを楽しんでもらおうという趣向だ。 全幕ものはさらに3本。12月はクリスマスの風物詩『くるみ割り人形』、5月はスペインが舞台の『ドン・キホーテ』、シーズン最後の6月は、前監督ビントレーが新国立劇場バレエ団のために振り付けた夢一杯の『アラジン』がそれぞれ再演される。新年には、バレエの名場面を集めた〈ニューイヤー・バレエ〉を開催。良質で多彩な舞台を届けたいというポリシーが伝わってくる内容だ。※2015/16シーズン ラインアップの詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。問 新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999 http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/小野絢子米沢 唯福岡雄大左:『ホフマン物語』第2幕(スコティッシュ・バレエ公演) Photo:Bill Cooper右:『Men Y Men』 Photo:Richard Haughton
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