eぶらあぼ 2015.2月号
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40イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)圧巻のプロコフィエフ「戦争ソナタ」文:飯田有抄日本フィル 第40回 九州公演オーケストラと地域の絆が熱演を生む文:飯尾洋一3/3(火)19:00 トッパンホール問 トッパンホールチケットセンター  03-5840-2222 http://www.toppanhall.com3/4(水)19:00 すみだトリフォニーホール問 トリフォニーチケットセンター  03-5608-1212 http://www.triphony.com2/4(水)~2/17(火) 全10公演問 日本フィルハーモニー交響楽団  03-5378-6311※詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。http://www.japanphil.or.jp 深く熱を帯びた音圧と、豊潤な叙情性に満ちたロシア・ピアニズム。その確かな継承者として知られるイェフィム・ブロンフマンが、切望されていたリサイタルを開く。アンサンブルや協奏曲の共演者として来日を重ね、その圧倒的な熱演に人気を博すブロンフマンだが、日本でのソロリサイタルは7年ぶりとなる。予定されていた2009年のリサイタルは、インフルエンザのために空港で足止めされてしまい中止になったので、ますますファンの渇望高まる中での開催だ。 嬉しいことに今回は、彼の息づかいまでもが届きそうなトッパンホール(約400席)と、温もりある残響美が期待できる、すみだトリフォニーホール(約1800席)の2つのホールで2日続けて開催される。プログラムはブロンフマンがもっとも得意とするプロコフィエフ。このロシア人作曲家のピアノ・ソナタと協奏曲の全曲録音を行い、いず 日本フィルの九州公演が40周年を迎える。今年は2月4日から17日にかけて、宮崎、大分、唐津、佐賀、長崎、北九州、熊本、大牟田、福岡、鹿児島をめぐる全10公演が開催される。指揮を担うのは桂冠指揮者である小林研一郎。九州公演での指揮は6年ぶりだ。 40年にもわたり継続してツアーが行なわれていることには驚くばかりだが、これも日本フィルと九州各地の愛好家たちとの強い結びつきがあってこそ。単に演奏会を開催するだけではなく、各地でボランティアスタッフが実行委員会に参加するなど、地域が主体となって音楽文化の一端を担っているのがこの九州公演の特色である。本番に先んじて日本フィルのメンバーが病院や幼稚園、学校などを訪れて室内楽を演奏したり、公演後に地元の実行委員会と楽団員、指揮者、ソリストが一緒になって懇親会で交流を深めるなど、「市民とともに歩む」日本フィルらしいれも高い評価を獲得しているブロンフマンが今回選曲したのは、第二次世界大戦中に書き上げられたピアノ・ソナタ第6・7・8番だ。「戦争ソナタ」と呼ばれるこの3つの作品には、激しいリズムが生み出す緊迫感、複雑なハーモニーがもたらす陰影が張り巡らされ、プロコフィエフのユーモアや叙情性も余すところなく発揮されている。ブロンフマンのどこまでも深みある音色、繊細さと豪快さを持ち合わせたテクニック、そして大局観に優れた音楽構築力で、きっと忘れられない「戦争ソナタ」を聴かせてくれることだろう。活動が40年の歴史を作りあげている。 プログラムには「炎のマエストロ」の持ち味が発揮されるであろう曲目が並ぶ。メインプログラムはドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」、またはベルリオーズの「幻想交響曲」。そして、小林亜矢乃独奏によるモーツァルトのピアノ協奏曲第20番や、千住真理子によるサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」ほかのヴァイオリン名曲など、ソリストの妙技にも期待が高まる。 地域とオーケストラの絆が、熱く豊かな音楽となって結実する。©Dario Acosta小林研一郎 ©山口 敦小林亜矢乃 ©H.Uchida千住真理子 ©富田眞光(vale.)

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