eぶらあぼ 2015.2月号
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28 ドイツ中世の街ローテンブルグ。その街並みの一角を再現した高輪プリンセスガルテン内に、昨年7月音楽ホール「AMBIENTE」(アンビエンテ)がオープンした。 アンビエンテの客席は可動式で最大120席。ステージはソロから10人前後の室内楽までにぴったりの大きさだ。ホール全体は地上階と地下1階が吹き抜けとなっており、地下1階のホールへは、3基の美しいシャンデリアを眺めながらゆったりとした階段を降りて入場する。実質2階分を使ったホールは天井が高く、ステージからの音が自然と客席へ伸びてくるのが心地よい。初めてホールに足を踏み入れる方は皆、これほど贅沢で、本場ヨーロッパの薫りがするホールが日本にもあったのかと驚くに違いない。 “ヨーロッパ”に徹底的にこだわるのが、当館のオーナー・宮城敬雄だ。アンビエンテのある建物の3階にはもともとアンディームジークという80席の小ホールがあり、そこでコンサートを長年にわたり開催してきた。より本格的な室内コンサートを行うために、地下もホールにしようと決意したという。設計に“古きヨーロッパの雰囲気と響き”に徹底的こだわったホールが誕生取材・文:渡辺謙太郎あたってイメージしたのは、モーツァルトが宮廷演奏を行ったことでも知られるウィーンのシェーンブルン宮殿の「鏡の間」だという。 指揮者でもある宮城は、ホールの音響や楽器の面でも“本物”を追求。床には4700枚の無垢のカリン材を敷き詰めた。ステージの下には、ドイツのシュヴァルツバルトの樹齢150年の大木を25年間充分に乾燥させた上、カットした丸太77個を設置している。これらの工夫は、ステージ上の音の響きをより自然に客席に伝えるという彼の発想によるものだ。 常設のピアノは、1991年ハンブルク製「スタインウェイB-211」。世界的ピアニスト、マリア・ジョアン・ピリスも愛する名器だ。彼女は来日するとここでリハーサルをするのが慣例で、「このスタインウェイは最高! 日本公演の会場にも持ち歩くことができればいいのに」と絶賛を惜しまなかった。 また、披露宴やパーティーなどで好評を博しているレストランが併設されているため、“音楽と食”のマリアージュも満喫できるこのホール。「本物の音楽を本物の空間で思い切り表現して欲しい。アンビエンテはそのファーストステージ。才能ある若手演奏家が世界へ羽ばたくお手伝いができれば嬉しいですね」と宮城は主催公演も積極的に行っていきたいと抱負を語る。音楽ホール AMBIENTE ‒アンビエンテ‒東京都港区高輪4-24-40 高輪プリンセスガルテン内問 03-3443-1521 http://www.p-garten.co.jp音楽ホールAMBIENTE―アンビエンテ―無垢のカリン材を敷き詰めた床

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