eぶらあぼ 2015.2月号
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166SACDCDCDCDCDモーツァルト:フルート四重奏曲集/カール=ハインツ・シュッツR.シュトラウス:英雄の生涯/藤原浜雄&英雄の生涯オーケストラチェロ一いちえしゅう會集/宮田大マーラー:交響曲第1番「巨人」/川瀬賢太郎&東京佼成ウインドオーケストラモーツァルト:フルート四重奏曲第1番~第4番、同ヘ長調(原曲:オーボエ四重奏曲)カール=ハインツ・シュッツ(フルート)アルベナ・ダナイローヴァ(ヴァイオリン)トビアス・リー(ヴィオラ)タマーシュ・ヴァルガ(チェロ)R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」謙=デイヴィッド・マズア(指揮)R.シュトラウス生誕150周年記念 英雄の生涯オーケストラ藤原浜雄(ソロ・コンサートマスター)フランク:チェロ・ソナタ イ長調/ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ/フォーレ:エレジー/黛敏郎:BUNRAKU/尾高尚忠:夜曲宮田大(チェロ)ジュリアン・ジェルネ(ピアノ)W.F.マクベス:マスクマーラー(河邊一彦編):交響曲第1番「巨人」川瀬賢太郎(指揮)東京佼成ウインドオーケストラカメラータ・トウキョウCMCD-28313 ¥2800+税収録:2014年2月、東京(ライヴ)ナクソス・ジャパンNYCC-27280 ¥1800+税N&FNF-65502(SACD)  ¥3500+税NF-25502(CD) ¥2800+税収録:2014年2月、東京(ライヴ)日本コロムビアCOCQ-85244 ¥2000+税2011年からウィーン・フィルの首席フルート奏者を務めるシュッツに、同楽団初の女性コンサートマスター、ダナイローヴァ、首席ヴィオラのリー、首席チェロのヴァルガが共演した、盤石の布陣による正調ウィーン流モーツァルト。ビブラートを控えた明るく温かな音で品のいいソロを奏でるシュッツと、生彩に富んだ弦楽器陣が、典雅かつ愉悦感に溢れた音楽を繰り広げる。特にシュッツの柔らかな音色は魅力的であり、音楽の刻みまでもが雄弁な弦楽器陣の演奏も同曲集では出色。オーボエ四重奏曲のフルート版も本アルバムの価値を高めている。心地よい録音も特筆される。(柴田克彦)読響退任の年の2011年。コンサートマスター藤原浜雄は同オーケストラの3月14日定期公演にて「英雄の生涯」を弾く予定であったのだが、東日本大震災のために中止。しかし、藤原浜雄ファンで、当盤のライナーにも文章を寄せている中嶋豪氏が発起人となり、何と藤原浜雄に改めて「英雄の生涯」を弾いてもらう公演を実現させた。2014年2月9日、東京芸術劇場。そのライヴ盤がこれである。経緯は前述ライナーに詳しいのだが、藤原のソロは表現の幅広さにさすがの力量を発揮、指揮も良く、主に在京オーケストラの名奏者を集めたアンサンブルの一体感も見事である。(藤原 聡)不思議だ。そこに音が存在するにもかかわらず、常に静謐さを感じさせられる。有名なヴァイオリン作品から編曲されたフランクのソナタを、宮田は完全に自分の血肉にした上で、まるでオリジナルのチェロ作品のように響かせ、そこへラヴェルとフォーレの小品を対置。さらに、義太夫で用いる太棹の奏法を採り入れた黛と、穏やかな和の空気感を西洋的語法で表現した尾高の作品が、もう一つのペアを成す。それぞれから生まれた和洋の水紋は、宮田の凜とした気迫と透明な音色によって一つになり、深い湖の底へと消えてゆく。禁欲的なジェルネのプレイも絶妙である。離れ難い魅力に溢れた1枚だ。(寺西 肇)佼成ウインドの定期のライヴ・シリーズ第7弾で、このコンビのデビュー盤でもある。1970年代の定番曲「マスク」は、響きやフレージングなど全てが耳に新鮮。「巨人」は、滅法面白い。工夫に充ちた弦楽パートの扱いと相まって、オーケストラとは異なる色合いが創出され、吹奏楽で演奏する意味が見事に示されている。特に中間楽章の遅い部分は、管楽アンサンブルの名曲をも思わせ、全体に、通常埋没しがちな弦の動きを浮き彫りにするクラリネット陣が新発見の喜びを与えてくれる。テンポの揺らしなど随所で個性を発揮しながら、巧みにまとめた川瀬の功績も大。(柴田克彦)

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