eぶらあぼ 2015.2月号
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162ました。2回目はヴェルディ『レクイエム』、そして3回目はシベリウスで、これらも非常に充実した演奏ができたと思います。初めて母国のオーケストラのシェフとして活動できることを光栄に思っていますし、新日本フィルを良い方向に引っ張っていければと考えております」との抱負を述べた。 崔は「初共演のシュトラウスは鮮烈に覚えています。本当に引き出しの多い指揮者であると感心しました。また、言葉で説明しなくても互いにわかり合えたので、今回の就任をとてもうれしく思っています」と上岡に対する期待を語った。 2015/16シーズン定期演奏会(トリフォニー定期&サントリーホール定期)の主なラインナップは以下の通り。【9月】◎デリック・イノウエ(指揮) バルトーク:歌劇《青ひげ公の城》(演奏会形式) 他 ◎ナタリー・シュトゥッツマン(指揮) ビゼー:「アルルの女」第1・第2組曲 他 【10月】◎ハルトムート・ヘンヒェン(指揮) ブラームス:交響曲第1番 他 【11月】◎レオン・フライシャー(指揮/ピアノ) ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲/ラフマニノフ:交響曲第2番 【1月】◎ダニエル・ハーディング(指揮) ブリテン:「戦争レクイエム」 ◎トーマス・ダウスゴー(指揮) マーラー:交響曲第5番 他 【4月】◎準・メルクル(指揮) ラヴェル「ダフニスとクロエ」(全曲) 他 【7月】◎ダニエル・ハーディング(指揮) マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」新日本フィルハーモニー交響楽団 http://www.njp.or.jp■小泉和裕が名古屋フィルハーモニー 交響楽団音楽監督に就任 名古屋フィルハーモニー交響楽団(名フィル)は、小泉和裕が2016年4月から音楽監督に就任すると発表した。任期は19年3月までの3シーズン。名フィルの音楽監督のタイトルは、03年まで5シーズン務めた小林研一郎(現・名フィル桂冠指揮者)以来、13シーズンぶり。 小泉と名フィルは、1971年2月、21歳のときに「第2回民音指揮者コンクール入賞者記念コンサート」で初共演。以来、定期的に客演を重ね、93年〜96年には客演常任指揮者を務め、これまで定期演奏会に15回登場するなど、緊密な関係を継続してきた。次回の定期演奏会登場は今年9月の第427回定期で、ベートーヴェン作品などを指揮する。名古屋フィルハーモニー交響楽団 http://www.nagoya-phil.or.jp■2015年武満徹作曲賞のファイナリスト が決定 2015年度「武満徹作曲賞」(東京オペラシティ文化財団主催)の譜面審査結果が発表された。同賞はオーケストラ作品の作曲コンクールで、毎年1人の作曲家が単独で審査に当たるのが特徴。17回目となる15年度の審査員は、1952年ヘルシンキ生まれで、現代フィンランドを代表する作曲家として活躍を続けるカイヤ・サーリアホ。44ヵ国から集まった151作品の中から、下記の4名がファイナリストに選ばれた。5月の本選演奏会で上演され、受賞作が決定される。◎トーマス・ヴァリー(オーストリア/1981年生):ループ・ファンタジー ◎ファビア・サントコフスキー(スペイン/1989年生):存在の絵 ◎セバスチャン・ヒッリ(フィンランド/1990年生):リーチングス ◎イーイト・コラット(トルコ/1984年生):[difeãs]* *diérance=差延の意2015年度 武満徹作曲賞本選演奏会★5月31日(日) 15:00・東京オペラシティ コンサートホール渡邊一正(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団武満徹作曲賞http://www.operacity.jp/concert/award/■訃報:遠山一行 音楽評論家の遠山一行氏が2014年12月10日、脳梗塞のため東京都内の自宅で死去した。享年92。妻はピアニストの遠山慶子。東京都出身。東京帝国大学(現・東京大学)、同大学院を卒業後、1946年から評論活動を始め、クラシック音楽評論の先駆者として活躍。その後パリ大、パリ音楽院に学ぶ。1967年に、江藤淳、高階秀爾と『季刊藝術』を創刊。また山田耕筰、武満徹ら明治以降の日本の近代作曲家の自筆譜を収集保存、研究するための遠山音楽財団を設立、附属図書館(日本近代音楽館)を開設した。桐朋学園大学学長、日本音楽コンクール委員長、東京文化会館館長、東京芸術劇場館長、草津夏季国際音楽アカデミー&フェスティヴァル音楽監督などを歴任。1979年フランス文芸勲章オフィシエ章、1993年勲三等旭日中授章、1998年文化功労者。1976年著書『ショパン』で毎日芸術賞を受賞。他に『私の音楽手帖』『いまの音むかしの音』『マチスについての手紙』『遠山一行著作集』(全6巻)などがある。小泉和裕
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