eぶらあぼ 2015.1月号
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68読響アンサンブル・シリーズ Vol.3 ニュー・イヤー・コンサート~華麗なる木管五重奏~快適な空間で極上の響きに浸る至福の新年文:柴田克彦阪哲朗(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団“日本の”ベートーヴェンをお聴かせします!文:飯尾洋一2015.1/17(土)14:00 よみうり大手町ホール問 読売新聞文化事業部03-3216-8500http://yomi.otemachi-hall.com第856回 サントリー定期シリーズ2015.1/13(火)19:00 サントリーホール第90回 東京オペラシティ定期シリーズ2015.1/14(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール第857回 オーチャード定期演奏会2015.1/18(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522 木管アンサンブルの響きは、理屈抜きに心地よい。それを木に包まれた小ぶりのホールで聴けば、心地よさはさらに増す。1月によみうり大手町ホールで行われる「ニュー・イヤー・コンサート~華麗なる木管五重奏~」は、まさにそんな幸せなコンサートだ。『読響アンサンブル・シリーズ』の第3回目でもある同公演の主役は、読売日本交響楽団の管楽器奏者26人の中に占める4人の女性奏者=首席フルートの倉田優、オーボエの北村貴子、首席クラリネットの藤井洋子、ファゴットの岩佐雅美。この木管の華やかな顔ぶれに、ホルンの伴野涼介、打楽器の野本洋介が加わって、柔らかく温かな響きを聴かせる。 プログラム前半は、ハイドンの「ディヴェルティメント 変ロ長調 Hob.Ⅱ:46」(これ実は、第2楽章の主題がブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」に用いられた曲)、イベールの「3つの ドイツ・バイエルン州のレーゲンスブルク歌劇場で音楽総監督を務める阪哲朗が、久々に東京フィルの指揮台に立つ。ベルリン・コーミッシェ・オーパー専属指揮者、アイゼナハ歌劇場音楽総監督などを歴任し、2009年に現職に就いた阪哲朗だが、東京でその指揮を聴く機会は決して多くはない。ヨーロッパの歌劇場で着実に実績を積みあげてきた実力者が、どんな音楽を東京フィルから引き出してくれるのか、大いに注目される。 1月のサントリー&東京オペラシティ定期ではドヴォルザークのチェロ協奏曲とベートーヴェンの交響曲第7番を指揮する。ドヴォルザークでソロを務めるのは大御所、堤剛。大ベテランに対しても、阪はただ合わせるだけの音楽作りをするつもりはないようだ。「ソリストに従うだけの指揮は、どうしても演奏のスケールが小さくなる。音楽上でソリストと指揮者がガンとぶつかることで生まれる摩擦熱が大切」と語る。小品」といった本格的な木管作品。繊細かつふくよかな音が精緻に綾なすアンサンブルを、じっくりと堪能できる。後半は雰囲気を変えて、「観光列車」「美しく青きドナウ」をはじめとするヨハン・シュトラウス2世等のワルツやポルカ。こちらはおなじみのメロディと共に、晴れやかなウィーンのニューイヤー気分を満喫できる。ちなみに木管によるこうしたウィーンの音楽も定番のひとつだ。 読響の管楽器陣の技量の高さは周知の事実。その音色美と名技を、室内楽に最適な501席のホールで味わうのは、新年早々贅沢この上ない。ここは、日常の憂さや疲れを忘れ、極上の読響サウンドに浸ろう! オーチャード定期では、仲道郁代をソリストに迎えてシューマンのピアノ協奏曲と、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」が演奏される。一年の大半をドイツで過ごす阪によれば「ドイツと日本では雨の降り方が違う。同じ曲であってもその土地の気候や国民性によって表現はがらりと変わるもの。今回は日本人の指揮者が振って日本人の演奏家が奏でる日本のベートーヴェンになる」という。日本の田園風景、日本の雨と嵐が感じられるだろうか。倉田 優藤井洋子伴野涼介野本洋介 岩佐雅美北村貴子仲道郁代 Photo:Kiyotaka Saito堤 剛 ©鍋島徳恭阪 哲朗©読響

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