eぶらあぼ 2015.1月号
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62フィナーレは一柳慧の「第九」文:江藤光紀ハンヌ・リントゥ(指揮) 東京都交響楽団日本管弦楽の名曲とその源流⑳ (最終回)第12回 東京音楽コンクール 優勝者コンサート未来のスターたちの饗宴文:笹田和人第783回 定期演奏会Bシリーズ 2015.1/23(金)19:00 サントリーホール問 都響ガイド03-3822-0727 http://www.tmso.or.jp2015.1/12(月・祝)14:00 東京文化会館問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 http://www.t-bunka.jp 都響が定期演奏会に組み込んでいる現代音楽シリーズ『日本管弦楽の名曲とその源流』は別宮貞雄のプロデュースで始まり、途中、一柳慧にバトンを受け継ぎ、本公演で20回を数える。プログラミングには意外性を感じることも多く、なかなか視点がユニークだった。今回が最終回とのことで、ちょっと寂しい。 指揮にはフィンランドを中心に活躍する中堅ハンヌ・リントゥが登場。同国第2の都市にあるタンペレ・フィルの音楽監督を務めた後、昨年フィンランド放送響の首席指揮者に就任した。客演歴も世界の諸都市に及ぶなど精力的な活動を見せている。 プログラムだが、まずリントゥのお国の作曲家シベリウスの交響詩「夜の騎行と日の出」から。巧みな描写力をもった佳作だ。続いてルトスワフスキの「チェロ協奏曲」(1970)。東西冷戦期にあってソ連を中心とする共産 芸術家として羽ばたく可能性に富んだ若い演奏家の発掘と支援・育成を目的に、東京文化会館などが開催している「東京音楽コンクール」。2014年夏に開かれた第12回大会では、坪井夏美(ヴァイオリン)と梅田智也(ピアノ)、岡昭宏(バリトン)の3人が、優勝の栄冠を手に。1月に開催される「優勝者コンサート」では、円光寺雅彦指揮の読売日本交響楽団をバックに、瑞々しい音色と歌声を披露する。 弦楽部門第1位の坪井は米ニューヨーク出身で、東京芸大3年に在学中。ステージではシベリウスのヴァイオリン協奏曲を弾く。「常に“音”への探究心を忘れず、技術を磨き、自分自身も人間として成長し、より多くの方々にヴァイオリンの音色に触れていただけるよう、精進してゆきたい」と決意を語っている。 ピアノ部門第1位の梅田は岐阜県出身、東京芸大大学院修士課程2年在学圏では前衛芸術は押しなべて抑制されていたが、ポーランドは西側の現代音楽界にも影響を与えた数少ない例外。その先頭を走っていたのがルトスワフスキで、本作は鉄のカーテンの向こう側で育まれた独自の作風を示している。独奏はピーター・ウィスペルウェイ。こうした世界的奏者が日本で現代ものを披露するのも珍しい。中ながら、既に3回のリサイタルを開催。今回は、シューマンの協奏曲を披露する。「偉大なる作曲家たちの、数々の素晴らしい作品を通して、皆様と過ごす時間に心から感謝し、日々音楽と向き合っていきたい」と力を込める。 そして、イタリア声楽コンコルソでもシエナ大賞を受賞するなど数々の実績 当夜のメインでシリーズ掉尾を飾るのは、企画者でもある一柳慧の都響委嘱による新作・交響曲第9番。近年の一柳は年齢を感じさせないますます旺盛な創作力でオペラや協奏曲、舞台作品などの大作を次々と発表している。彼の“第九”はどんな作品になるのだろう。片山杜秀とのプレトークではその聴きどころも開陳されるはずだ。を重ねて来た、声楽部門第1位で香川県出身の岡。グノー《ファウスト》から〈門出を前に〉など3つの名オペラ・アリアを聴かせる。「バリトンという声の魅力、役柄の魅力を、素晴らしいオーケストラの音色と共に、お客様に少しでもお伝えし、楽しんでいただければ」と語っている。ピーター・ウィスペルウェイ ©Benjamin Ealovegaハンヌ・リントゥ ©Kaapo Kamu岡 昭宏梅田智也坪井夏美

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