eぶらあぼ 2015.1月号
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192小林緑・国立音大名誉教授の企画&講演によるシリーズ「津田ホールで聴く女性作曲家」。締め括りの第5回は、スウェーデン初のオルガニストで電信技師でもあったルイーゼ・アドルファ・ル・ボー(1850~1927)や、生前は名声を得たが今は埋もれたエルフリーダ・アンドレー(1841~1929)の作品を中心に。作品へ並々ならぬ共感を寄せる遠藤香奈子(ヴァイオリン)と江口心一(チェロ)、宮崎貴子(ピアノ)の演奏で聴く。ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉にとって、創立30周年の幕開けとなるステージ。山下一史の指揮とトークで、J.シュトラウスⅡの喜歌劇《こうもり》の序曲や、新星ソプラノの鈴木玲奈を迎えてのアリアと、さらに「ウィーン奇想曲」「愛の喜び」と2014年バッハ国際コンクールを制したヴァイオリン岡本誠司のソロでクライスラーなど、ウィーンの名旋律を。グノー、レハールとパリゆかりの名曲も添えて。山下一史 ©K.Miura鈴木玲奈現代音楽の第一線で活躍する5人の演奏家で結成されたアンサンブル「東京現音計画」。彼らの生む音を浸透させる“ミッション”は、着々と進行中だ。今回はサクソフォンの大石将紀をフィーチャーし、ジェルヴァゾーニ、ポゼ、細川俊夫の佳品に加えて、昨年に委嘱初演した川上統「羅鱶」(ラブカ)を再び。さらに近年、目覚ましい活躍を展開する池田拓実への委嘱新作の世界初演も交えて、彼らの新たな一面を現出させる。東京芸大・同大学院を経て英国王立音楽院に学び、在学中にアンドラ公国国際コンクールで最優秀スペイン音楽賞を受賞したピアノの竹内真紀。音楽院修了後は、ソロに室内楽に、オーケストラ共演にと精力的に活動する。ファリャ「アンダルシア幻想曲」、ドビュッシー「版画」、スクリャービンのソナタ「黒ミサ」にヤナーチェク、バッハを配した個性的なプログラムに、彼女のこれまでの歩みと豊かな音楽性が滲む。東京交響楽団の新年のご挨拶は、日本楽壇の“伝説”のコンビと共に。半世紀前に東響の指揮台でデビュー以来、数々の名演を披露してきた重鎮・秋山和慶。名曲中の名曲、ドヴォルザーク「新世界から」をメインに。そして、鮮烈なデビューからやはり半世紀、第一線を疾走し続けるピアノの中村紘子を迎え、ベートーヴェン「皇帝」を。ここへ、J.シュトラウスⅡのワルツ「春の声」も交えて、新春の訪れを慶ぶ。創立から半世紀を超えてなお、12人が紡ぐ調べは瑞々しさを失わない。東京ヴィヴァルディ合奏団が、新年に贈る“音の年賀状”は、ザハール・ブロンら巨匠の薫陶を受けた、ヴァイオリンの弓新(ゆみ・あらた)をソロに迎えての、ヴィヴァルディ「四季」がメイン。ここへ、ルイスによる、田舎での生活の喜びを謳う「イギリス組曲」、バルトーク「弦楽のためのディヴェルティメント」と、魅力的なラインナップで臨む。月の1津田ホールで聴く女性作曲家 第5回平等と自由を求めた女性作曲家たち東京現音計画#04ミュージシャンズセレクション2:大石将紀ニューフィル千葉 ニューイヤーコンサートウィーン・パリ華麗なる新春MUSE NEW YEAR CONCERT中村紘子(ピアノ)&秋山和慶(指揮)&東響東京ヴィヴァルディ合奏団ニューイヤーコンサート竹内真紀(ピアノ)1/9(金) 19:00津田ホール1/14(火) 19:00杉並公会堂(小)1/11(日) 14:00千葉県文化会館1/10(土) 15:00所沢市民文化センターミューズ1/17(土) 14:00紀尾井ホール1/13(火) 19:00東京文化会館(小)文:笹田和人 ©Hiroshi Takaoka左から:遠藤香奈子©堀田力丸、江口心一、宮崎貴子弓 新©Eiji Shinohara

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