eぶらあぼ 2014.12月号
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76ファンタスティック・ガラコンサート201412/28(日)15:00 神奈川県民ホール問 チケットかながわ0570-015-415 http://www.kanagawa-kenminhall.comCDリリース記念コンサート2015.1/12(月・祝)14:00 ヤマハホール問 日本コロムビア03-6895-9001CD『アドルフに告ぐ』日本コロムビア COCQ-85070¥2500+税サクソフォンの音色の魅力満載です!取材・文:片桐卓也Interview上野耕平(サクソフォン) デビュー・アルバムのタイトルが『アドルフに告ぐ』。ひねったタイトルだが、手塚治虫のマンガとは関係ない。ここでのアドルフとは、サクソフォンの生みの親アドルフ・サックス(1814~1894)のこと。2014年はその生誕200年となる。そしてそのアルバムで演奏しているのが、若手サクソフォン奏者として数々のコンクールを制した上野耕平である。このデビュー・アルバムは、編曲ものではなく、サクソフォンのために書かれた作品ばかりを集めている。 「サクソフォンの楽器としての魅力を知っていただくには、やはりその楽器のために書かれた作品で勝負するのが一番良いだろうと思いました」と上野。吉松隆「ファジーバードソナタ」に始まり、A.リード「バラード」、P.モーリス「プロヴァンスの風景」、P.クレストン「サクソフォン・ソナタ」、J.ドゥメルスマン「ファンタジー」というラインナップだ。 「一般の方には馴染みがないかもしれませんが、サクソフォンを習っている方にはよく知られた作品ばかりです。そして聴いていただければ分かるように、サクソフォンの音色の魅力がこれらの作品の中に満載されていると思います」 小学校の時に吹奏楽に出会い、サクソフォンを始めた。そして小学校4年生の時に、日本のクラシカル・サクソフォンの世界をリードしてきた須川展也の演奏に触れた。 「それは人生を変える体験でした。こんな演奏をする人がこの世界にいるんだ、という驚き。そして自分もそこに近づきたいという想いが強くなりました」 以後、吹奏楽を続けながら、須川に弟子入り。現在は東京芸術大学の4年生に在籍中だ。2011年に日本管打楽器コンクールのサクソフォン部門で最年少優勝(特別大賞もあわせて受賞)した。あえて聞いた、サクソフォンのどこに魅力を感じるか、と。 「それはすべてです。楽器の音色、サクソフォンのために書かれた作品の魅力、そして機械的な部分も。例えばこのキーを押すと、こんなところが動く(と実演してくれた)とか、機構としても面白いものを持っています。そして、まだまだ楽器としての可能性が開拓され尽くしていないところも」 小学生の頃の最初の夢は、鉄道の運転手になることだった。鉄道に乗るのも好き(特に飯田線が良いらしい)で、サクソフォンは機械好き男子にはぴったりの楽器だったようだ。まずは、12月28日には神奈川県民ホールでの『ファンタスティック・ガラコンサート2014』に出演して、ドビュッシーの作品などを演奏する。来年1月にはデビュー・リサイタルも開催。新星の出現を目撃したい方は、このチャンスを逃さないように。12/14(日)14:00 紀尾井ホール問 サモンプロモーション0120-499-699 http://www.samonpromotion.comヨーロピアン・ジャズ・トリオ クリスマス・コンサート「たおやかな叙情性」を愉しむ一夜文:藤本史昭 匂い立つようなブルース・フィーリング、思わず身体が動きだす躍動感、未知なる響きに挑戦する先進性…。一口にジャズといってもその魅力は様々だが、ではヨーロピアン・ジャズ・トリオ(EJT)のそれはなにかと問われれば、躊躇なく「たおやかな叙情性」と断言しよう。どんな曲もノーブルな香気で包んでしまうその美しい演奏は、数多あるピアノ・トリオの中でも突出した個性といっていいはずだ。そんな彼らの魅力を存分に楽しめるコンサートが開催される。 今回の公演はクリスマス・シーズンと重なることもあり、プログラムにはクリスマス・ソングが満載。〈ホワイト・クリスマス〉をはじめとする名曲の数々が、さてどんなEJTカラーに染まるのか。コンサートではこれ以外にも有名クラシックやポップス、映画音楽などこのトリオならではのリスナー・フレンドリーなナンバーが演奏される予定。EJTが奏でる美ジャズとともに、一足早いクリスマスを祝いたい。

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