eぶらあぼ 2014.12月号
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7412/12(金)19:00 赤坂ベヒシュタインセンター(03-6441-3636)、2015.1/12(月・祝)14:00 姫路キャスパホール(及川音楽事務所03-3981-6052)榎本玲奈オフィシャル・ウェブサイトhttp://raynapiano.jimdo.comCD『In a Landscape~ある風景のなかで』Beltà RecordYZBL-1040 ¥2381+税榎本玲奈(ピアノ)曲に籠めた想いは“祈り”と呼べるもの文:飯田有抄 何に強いエナジーを感じ、どう光を当てて包容したいのか。そのプレゼンテーションの仕方がクリアで、人々の共感を引き寄せることのできる音楽家は多いわけではない。アルバム『In a Landscape~ある風景のなかで』でデビューを飾った榎本玲奈は、それができるピアニストの一人に違いない。フィトキン、佐藤聰明、ケージ、トゥールといったコンテンポラリーの作曲家たちのミニマル色の強い作品から、静/動のコントラストに富んだ選曲をし、鮮烈な、あるいは瞑想的な世界観を明快に提示した。「これらの曲たちに籠めた想いは一貫してある種の“祈り”と呼べるもの」と彼女は述べている。12月には赤坂ベヒシュタイン・センターで、1月には姫路キャスパホールでコンサートを行う。音楽や芸術が「社会からかけ離れた場所にならないようにしたい」と望む彼女は、震災チャリティー活動にも積極的。「ゆくゆくはジャンルレスなART、総合的な舞台作りをしたい」と語る榎本のステージに注目だ。2015.1/30(金)19:00 よみうり大手町ホール問 読売新聞文化事業部03-3216-8500 http://yomi.otemachi-hall.com国府弘子 Happy Music 2015 「ピアノ一丁!」心揺さぶる“Happy Music”な夜文:藤本史昭国府弘子 きき手に幸せな時間を約束してくれるという点では“屈指の人”といっていいだろう。国府弘子。ジャズをベースとしつつ、ジャンルの枠を超えて八面六臂の活動を展開するピアノ界のスーパー・レディ。そんな彼女が、8年ぶりとなるソロピアノ・アルバム『ピアノ一丁!』のリリースを記念し、よみうり大手町ホールでスペシャル・ライヴをおこなう。 今回、国府をサポートするのは、ファンにはおなじみの八尋洋一(ベース)と岩瀬立飛(ドラムス)。互いを知り尽くしたメンバーによるパフォーマンスが、会場を喜びと興奮で満たしてくれることはまちがいないだろう。さらに今回はゲストとして、夏川りみが出演。岩崎宏美など、歌手との共演にも積極的な国府が、しなやかで伸びやかな夏川のヒーリング・ヴォイスと繰り広げるコラボレーションは、必ずや大きな感動をもたらしてくれるはずだ。冬の寒さを吹き飛ばす元気エネルギーにあふれたライヴ。心の暖を取りたい音楽ファンは、ぜひ!12/20(土)18:00 新宿文化センター問 新宿文化センター03-3350-1141 http://www.regasu-shinjuku.or.jp新宿文化センター開館35周年記念 ベートーヴェン「第九」文化の拠点の新たな門出を祝う文:笹田和人十束尚宏 1800席の大ホールなどを擁する新宿区立の複合文化施設として、1979年にオープンした新宿文化センター。近年は新宿コマ劇場や東京厚生年金会館などの閉館に伴い、周辺では唯一の大ホールとなり、区内のみならず都内全域でも、ますますその重要性を高める中、節目となる35周年を迎えた。それを記念する、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付」。 わが国では、年末になると数多く聴ける「第九」だが、実は、ヨーロッパではホールの杮落しなど特別な機会を選んで上演される。その意味では、今回の「開館35周年記念の、師走の第九」は、2つの理由でいかにも相応しい。 演奏を担うのは、十束尚宏指揮の東京都交響楽団に、髙橋絵理(ソプラノ)、谷口睦美(メゾソプラノ)、大槻孝志(テノール)、宮本益光(バリトン)という4人の実力派ソリスト、そして、区民を中心に一般から公募した「新宿文化センター合唱団」の布陣。 瑞々しいサウンドでホールを満たし、区民のための文化の拠点の新たな門出を祝う。

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