eぶらあぼ 2014.12月号
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200クリスマスに相応しい、美しいハーモニーのプレゼント。幼少時に渡仏し、共にパリ高等音楽院などに学んだ、ピアノの宇宿真紀子とチェロの宇宿直彰による姉弟デュオ「レ・クロッシュ」。今回はフォーレ「夢のあとに」やラフマニノフ「ヴォカリーズ」などの佳品をデュオで披露するほか、直彰がバッハの無伴奏組曲第1番からのプレリュード、真紀子がドビュッシー「子供の領分」と、ソロ曲もたっぷり聴かせる。月の12佐藤祐介(ピアノ)新ピアニスト宣言Vol.2レ・クロッシュ クリスマスコンサート~ピアノ&チェロの世界西川綾子(トランペット)と仲間たち埼玉会館ランチタイム・コンサート第27回渡辺克也(オーボエ)吉野直子(ハープ) & 堤剛(チェロ) デュオ岡田博美(ピアノ)悪魔のささやき―ショパンとスクリャービンロンドンを拠点に、国際的な活動を展開するピアノの名匠・岡田博美。毎年の帰国リサイタルは、その名技もさることながら、独特な切り口によるプログラミングも注目を集める。今回は「悪魔のささやき」と題して。劇的に創作の志向を変えたショパンのソナタ第2番「葬送」と、その影響下でやはり作風を激変したスクリャービンの第9番「黒ミサ」を軸に。「何かにとり憑かれた2人の作曲家」と岡田は評する。「新ピアニスト宣言」とのタイトルは、伊達ではない。11歳で作曲、12歳でピアノを始め、国内外のコンクールで優勝や入賞を重ねた佐藤祐介。「埋もれた過去の作品を発掘、現在(いま)の作曲家たちの音まで、自分なりに繋いでいきたい」というリサイタルの第2弾では、バリエールやバルバートルなどバロック作品の蘇演から、若林千春らからの献呈作や伊藤巧真らへの委嘱作品の世界初演まで、新たな感性で自在に紡いでゆく。トランペットの西川綾子は大阪音楽大学に学び、第6回長江杯コンクールで最高位入賞、ソリストとして活躍する一方、女性だけのトランペット・ユニット「キャトルフィーユ」を主宰。今回は番匠久世(ピアノ)や丹下緒(トランペット)、荒玉哲郎(ベース)ら多種多様な仲間が集い、アルビノーニの協奏曲からエネスク「伝説」、アンソニー・プログやジョゼフ・トゥリンまで多彩な作品を通じ、この楽器の魅力を掘り下げる。ベルリン・ドイツ・オペラ首席などを歴任、現在はソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルグの首席として活躍を続けるオーボエの渡辺克也。埼玉会館のランチタイム・コンサートに登場し、ピアノの古澤幹子の共演で、シューマン「3つのロマンス」などクラシックの名曲から、「ホワイト・クリスマス」など聖夜にちなむ調べまで、多彩に披露する。「オーケストラの中の希望の光」と絶賛された美音を堪能したい。12/6(土) 19:00サントリーホール ブルーローズ(小)12/13(土) 16:00日仏文化協会汐留ホール12/12(金) 19:00あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール12/11(木) 12:10埼玉会館12/13(土) 17:00フィリアホール12/13(土) 14:00東京文化会館(小)文:笹田和人 ©yukako kusanoこれは要注目。ハープの吉野直子とチェロの堤剛、日本を代表する2人の名手がステージで邂逅を果たす。シューベルト「アルペジオーネ・ソナタ」やフォーレ「シシリエンヌ」から、マルセル・トゥルニエやユン・イサンまで多彩に。さらに、それぞれの楽器のためのヒンデミットのソロ曲も。名手同士の顔合わせのみならず、実演ではなかなか“お耳”にかかれない楽器の編成という点からも、ぜひお薦めしたい。吉野直子 ©武藤章堤剛 ©鍋島徳恭
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