eぶらあぼ 2014.12月号
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178SACDCDCDCD木下牧子室内楽集「もうひとつの世界」モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番・第25番/ペーター・レーゼルwith.../會田瑞樹J.S.バッハ:イタリア協奏曲/コルネリア・ヘルマン木下牧子:もうひとつの世界、夜は千の目を持つ、時のかけら、ソルシコス的夜戸澤哲夫(ヴァイオリン)田中拓也(サクソフォン)西久保友広(マリンバ) 鈴木大介(ギター)栗友会女声アンサンブル 他モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番・第25番ペーター・レーゼル(ピアノ)ヘルムート・ブラニー(指揮)ドレスデン国立歌劇場室内管弦楽団末吉保雄:西へ/田口和行:回鼓録/内藤明美:砂の女/国枝春恵:Azuma-ha-ya/糀場富美子:ねむりの海へ/水野修孝:ヴィブラフォン独奏のための三章/羽根玲夢:星めぐりの記憶※全曲世界初録音會田瑞樹(パーカッション)J.S.バッハ:イタリア協奏曲、協奏曲BWV 974(原曲:マルチェッロ:オーボエ協奏曲)、フーガBWV950,951(アルビノーニの主題による)、イタリア風のアリアと変奏、協奏曲BWV975(原曲:ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲RV316) 他コルネリア・ヘルマン(ピアノ)ナミ・レコードWWCC-7767 ¥2500+税キングレコードKIGC-16 ¥3200+税コジマ録音ALCD-102 ¥2800+税カメラータ・トウキョウCMCD-25041 ¥2500+税どちらかと言えば合唱曲や管弦楽曲のイメージがある木下牧子の室内楽作品4曲を収録。大変聴き応えがある1枚。いわゆる前衛的な“ゲンダイオンガク”作風ではなく、木下は自身の姿勢について「あくまで普遍的な手法を用いて作曲する」と語っているように、オーソドックスな書法の中に彼女ならではの個性と煌きがたっぷり盛り込まれている。特に楽器の組み合わせによる音色の作り方が秀逸で、繰り返し聴こうという気にさせる。敢えて言えば、バルトークやプロコフィエフに馴染んだ耳には理解しやすいだろうが、勿論それらとは全く違う。この辺りの感覚が実に優れている。(藤原 聡)ドイツの巨匠ペーター・レーゼルによるモーツァルトの協奏曲新録音プロジェクト第4弾。今回は第24番ハ短調、第25番ハ長調という、比較的規模の大きい同主調の2作を並べた。2013年6月からリリースされた過去3枚に続き、今回も彼の故郷ドレスデンにおけるレコーディングの聖地、ドレスデン・ルカ教会での録音だ。ブラニー指揮、ドレスデン国立歌劇場室内管弦楽団とレーゼルとのアンサンブルは、古典派らしいキビキビとした躍動感をベースに、ハ短調の柔和な悲哀、ハ長調の堂々たる気品とのコントラストが色鮮やか。何度も聴き込みたい一枚だ。(飯田有抄)本盤で元気に“叩きまくる”會田瑞樹はまだ20代半ば。収録曲はすべて2年以内に書かれた新作で、會田と同世代からベテランまで多彩な面々が並ぶ。作風もさまざま。激しいパルスや質感の異なる打撃音が生理的な解放感を伴いつつ原初的な呪術性を呼び出だしたかと思えば(田口、国枝)、メタリックなヴィブラフォンが夢幻の境地(糀場)やジャジーで懐かしい気分(末吉、水野、羽根)を描く。また内藤作品は手の込んだ音響世界で私たちの想像力を刺激する。それらをつなぎ合わせた先に、今日の打楽器創造の眺望がひらけてくる。エキサイティングで野心的なアルバムだ。(江藤光紀)ライプツィヒ・バッハ国際コンクールで1996年に最高位入賞し、モダン・ピアノならではのバッハ演奏の地平を拓いてゆくヘルマン。「フランス組曲」全6曲ほかを取り上げた2枚に続く、新アルバムのテーマはイタリアに。「イタリア協奏曲」はもちろん、ヴィヴァルディやアルビノーニら“先進地”の巨匠の名協奏曲から鍵盤楽器へのトランスクリプションなどを並べた。バロック演奏のマナーを踏まえつつ、自在なタッチで推進力を持たせてゆくのが、彼女の持ち味。さらに、編曲作品においては原曲まで精査する真摯な姿勢で臨み、南国の陽光を映した作品の魅力を、余さず掬い取ってゆく。(寺西 肇)

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