eぶらあぼ 2014.11月号
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65村上敏明(テノール) & 髙野一重(バリトン)歌の喜びが溢れるステージ文:笹田和人METライブビューイング 2014-15ネトレプコ、フレミングなど今年もスター歌手たちが集結!文:岸 純信(オペラ研究家)11/8(土)14:00 津田ホール問 ミリオンコンサート協会03-3501-5638 http://www.millionconcert.co.jp11/1(土)《マクベス》より10作品を順次上映 詳細は右記ウェブサイトでご確認ください。 http://www.shochiku.co.jp/met 天性の実力を誇るハイ・バリトンとして精力的なステージ活動を展開する一方、指揮者として日本の合唱界をリードし続けて来た髙野一重。藤原歌劇団で常に主要キャストを務めるなど、わが国を代表する名テノールとして国際的に活躍する村上敏明を迎えて、ジョイントリサイタルを開く。美声と名旋律が溢れる、魅力的なステージだ。 武蔵野音楽大学を卒業後、藤原歌劇団に入団した髙野。コンクール入賞など実績を重ねる一方、秋山和慶らに指揮法を学び、東京アカデミー少年少女合唱団を率いるなど合唱指揮者としても活躍、フジテレビ『小川宏ショー』などのTV出演や、自ら主宰する「愛唱歌を楽しむ会」などを通じ、歌の楽しみを伝える活動にも力を注いできた。一方の村上は国立音楽大学を卒業後、伊ボローニャに留学。15の国際声楽コンクールで優勝や入賞を果たし、 「世界中に本物の迫力と感動を届ける」METライブビューイング。絶妙のカメラワークで舞台を活き活きとスクリーンに映し、オペラを手軽に楽しませることでとみに評価が高いが、11月からの新シーズンでは何より、スター歌2002年に欧州デビュー。国際的に活躍する実力派だ。 ステージは、2部構成。第1部は「ナポリ民謡・日本歌曲名曲選」で、髙野が〈帰れソレントへ〉〈児島高徳〉〈平城山〉を歌えば、村上が〈つれない心〉〈落葉松〉〈九十九里浜〉で応える。さらに、第2部「イタリアオペラの名曲選」では、村上がヴェルディ《リゴレット》から〈女心の歌〉やプッチーニ《トスカ》の〈星も光りぬ〉、髙野がビゼー《カルメ手の豪華な顔ぶれに目を奪われる。 まずは開幕を飾る《マクベス》。オペラ界の頂点に立つ名花アンナ・ネトレプコが満を持してマクベス夫人の役に挑んだ。常に全力投球の彼女がこの悪女役で新境地を拓く。続く《フィガン》から〈闘牛士の歌〉やヴェルディ《ドン・カルロ》の〈一人寂しく眠ろう〉と名アリアを披露。安藤敬指揮の東京アカデミー室内管弦楽団などがバックアップする。ロの結婚》では、指揮台に復帰した巨匠ジェームズ・レヴァインのもとに名歌手が集結、優れたチームワークで「歌い合う素晴らしさ」を満喫させる。一方、喜歌劇の《メリー・ウィドウ》では、METを代表するプリマドンナのルネ・フレミングが優雅な未亡人役を演じ、美丈夫でパワフルなバリトンのネイサン・ガンが相手役を務め、大人の恋の駆け引きをしっとりと描くだろう。 このほか、喉の技を華やかに競う《湖上の美人》は、ベルカントの第1人者ジョイス・ディドナートが題名役、共演は名テノールのファン・ディエゴ・フローレスとジョン・オズボーン、貫禄のメゾのダニエラ・バルチェッローナという、実に贅沢なキャスティング。《イオランタ》と《青ひげ公の城》も、奇才マリウシュ・トレリンスキの演出で人間の「光と闇」を対照的に描くステージに。「人気のオペラに深く踏み込み、知られざる名作に近づく好機」として、全10作はどれも見逃せない!髙野一重村上敏明アンナ・ネトレプコとジェリコ・ルチッチ 《マクベス》より ©Marty Sohl/Metropolitan Opera
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