eぶらあぼ 2014.11月号
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59シン・ヒョンス(ヴァイオリン) 高い音楽性とメンタルの強さ文:渡辺謙太郎ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 2014 in 仙台“芸術の方舟”が今年もやってくる文:大塚正昭11/29(土)14:00 かつしかシンフォニーヒルズ問 かつしかシンフォニーヒルズ03-5670-223311/30(日)15:00 青山音楽記念館バロックザール問 青山音楽記念館075-393-001111/1(土)~11/9(日) アーク・ノヴァ仙台会場(勝山館となり)問 仙台放送エンタープライズ内 アーク・ノヴァ事務局022-723-0942詳細は右記ウェブサイトでご確認ください。 http://ark-nova.com 韓国期待の若手ヴァイオリニスト、シン・ヒョンス。2008年のロン・ティボー国際コンクールにおける韓国人初優勝をはじめ、パガニーニ、チャイコフスキーなど多くの難関で優勝や入賞を重ねてきた。さらに12年には、エリーザベト王妃国際コンクールで第3位に入賞し、その安定した実績は、高い音楽性とメンタルの強さの賜物と言えるだろう。 ここ数年、日本で積極的な演奏活動を展開しているヒョンスが、この11月に東京と京都でリサイタルを行う。共演はエリーザベト王妃国際でも彼女をサポートした俊才ピアニストの佐藤卓史。先日彼女にインタビューした際、「佐藤さんはお互いの長所を引き出して高め合える最高のパートナー。日本のホールはどこも音響が素晴らし 昨年、宮城県・松島町で開催された『ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ』が、今年は仙台市内に会場を移し『ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 2014 in 仙台』として開催される。このフェスティバルは、音楽を通じて東日本大震災からの復興を支援するために、スイスのルツェルン・フェスティバルの働きかけによって実現したもので、可動式コンサートホール「アーク・ノヴァ」を使用するのが特徴だ。昨年は、ルツェルン祝祭管のソリスト6名によるコンサートや、グスターボ・ドゥダメルによる指揮ワークショップ、坂本龍一指揮による東北全土の子供たちで結成された東北ユースオーケストラの演奏などが繰り広げられ、地元の人々はもちろんのこと、全国から聴衆が松島にやってきた。 会場の「アーク・ノヴァ」(ラテン語で“新しい方舟”の意)は高さ18メートル・幅30メートル・長さ36メートルの大きさ。空気圧で膨らむことにより、約500席を配置可能な無柱の巨大空間を実現しており、建築家の磯崎新と英国彫刻家のアニッシュ・カプーアが設計&建築に携わっていることでも話題となった。 今年は仙台市内に「アーク・ノヴァ」を設営するため、アクセスが抜群によくなり、より気軽に音楽を楽しめる環境が整った。く、聴き手の反応も温かいので、演奏できることをいつも嬉しく思っています。今後は日韓の架け橋になれるような活動をもっと増やせたらいいですね」と語っていたので、親密で洗練された掛け合いが期待できそうだ。 注目のプログラムは、前半がシューベルトのソナタ&ロンド、後半がラヴェルのソナタ&サラサーテ「カルメン幻想曲」という中身の濃い4曲。後半のラテンものは、ロン=ティボー国際以来の彼女の得意曲だが、この6年間で重ねたさらなる充実やいかに。前半の 会期中、ビッグバンド・ジャズや能など、様々なジャンルのステージが展開される。クラシック関連の公演は、ルツェルン祝祭管ソリストたちによる室内楽(11/3)、ティル・フェルナー(ピアノ)(11/4)、ユリアンナ・アヴデーエワ(ピアノ)(11/6)、鈴木大介(ギター)×平田シューベルトでも、演奏に必要とされる高い技巧、「歌曲王」ならではの純度の高い歌い回し、張り詰めた緊張感といった諸要素を、どのように組み立てるかに注目だ。耕治(バンドネオン)デュオ(11/8)、荘村清志(ギター)がソリストとして出演する仙台フィル スペシャル・コンサート(11/9)など盛りだくさん。ほとんどの公演が1000円で楽しめるのも魅力だ。今秋、“芸術の方舟”が待つ仙台に足を運んでみてはいかがだろうか。アーク・ノヴァ内観アーク・ノヴァ外観荘村清志 ©得能通弘 CHROMEティル・フェルナー ©Ben Ealovegaルツェルン祝祭管ソリストたち
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