eぶらあぼ 2014.11月号
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56 Photo:Kamemura Shunji12/2(火)19:00 ヤマハホール(イチマルマルニ03-3264-0244)、12/5(金)19:00 よみうり大手町ホール(読売新聞ホール企画部03-6739-5838)、12/8(月)19:00 ザ・シンフォニーホール(otonowa075-252-8255)、12/11(木)19:00 日立システムズホール仙台(仙台・杜の響きコンサート022-302-3344)、12/16(火)19:00 松本 ザ・ハーモニーホール(松本実行委員会070-1417-3838)、12/17(水)18:45 三井住友海上しらかわホール(クラシック名古屋052-678-5310)情熱と冷静さが交錯するフランクに魅かれて取材・文:片桐卓也Interview宮田 大(チェロ) ソリストとして、また水戸室内管弦楽団のメンバーとしても活躍を続けるチェリストの宮田大。12月には東京、名古屋、大阪などでリサイタルを開く。 「この春に第2弾となるCDを録音しました。そのリリース記念という意味もありますが、久しぶりにまとまった数のリサイタルを日本で開催できますね」 リサイタルの曲目は、イタリアのバロック期の巨匠マルチェッロに始まり、ベートーヴェン、そしてフランクのソナタ(一部会場ではショスタコーヴィチ)というラインナップだ。 「水戸室内管弦楽団に客演したオーボエ奏者の方が、アンコールにマルチェッロを演奏された時に、こんなに美しいメロディがあるんだと驚きました。バッハもこの作品を編曲しているのですが、こちらはちょっとメロディの装飾が多い版になっていて、今回はその版をチェロで演奏します」 ベートーヴェンはチェリストにとって必須の作品だ。 「その中で第4番は比較的短い作品ですが、第1楽章、第2楽章ともゆったりとした部分から始まり、そこから次第にベートーヴェンらしい力強い世界に入って行くという構成になっています。そこがフランクのソナタの雰囲気に合うかな、と思っています」 後半に置かれたフランクのソナタは、言うまでもなくベルギー出身のこの作曲家の代表作(原曲はヴァイオリン・ソナタ)。 「情熱的な部分と冷静な部分が交錯するようなイメージですね。第1楽章の冒頭も、ピアノの作り出す温かみのあるロマンティックな和音の上に、チェロがちょっと冷静な音で登場します。とても魅力的な作品ですし、ピアノのジュリアン・ジェルネがやはりベルギー出身で、彼らしい同郷の作曲家への想いもあって、演奏するのがとても楽しみです」 2011年の『Dai First』以来、3年ぶりとなる新録音『宮田大/チェロ一會集(いちえしゅう)~Rencontre~』は、そのフランクを中心にフランスものを取り上げた。 「プロデューサーの西脇義訓さん(N&Fレーベル)はホールの音響を大事にされる方なのですが、ホールの豊かな響きが感じられるような、広がりのある世界を作ってくれました」(CDは12月発売予定) 宮田は2013年6月にドイツのクロンベルク・アカデミーを修了し、今は日本とヨーロッパで演奏活動を続けている。この秋には仙台フィル(10/24,10/25)、関西フィル(11/15,11/18)、読響(11/22,11/24)とオーケストラとの共演も多い。また来年1月には京都市交響楽団とグルダの「チェロとブラス・オーケストラのための協奏曲」を演奏する。新鋭チェリストの活躍から目が離せない秋になりそうだ。鉄壁のハーモニーと変幻自在の音楽性文:笹田和人第431回 日経ミューズサロン シングフォニカー 初来日クリスマス・コンサート12/19(金)18:30 日経ホール問 日経ミューズサロン事務局 03-3943-7066 http://www.nikkei-hall.com 人間の「声」が持つ底力を体感できるはず。才能あふれる5人の歌手と1人のピアニストによって、1982年にドイツで結成されたアンサンブル「シングフォニカー」。厳かなグレゴリオ聖歌で聴く者を中世の僧院に誘ったかと思えば、1920~30年代のアカペラグループ、コメディアン・ハーモニスツのナンバーで、喧騒のキャバレーへ。そして、シューベルトやメンデルスゾーンを正統派の響きで聴かせ、サイモン&ガーファンクルの名曲で魅せる——。鉄壁のハーモニーと変幻自在の音楽性で、世界中の聴衆を釘づけにしてきた。日経ミューズサロンでのステージは「世界の歌」と題して、スティング「シスター・ムーン」やサイモン&ガーファンクル「明日に架ける橋」、ビートルズ「オブラディ・オブラダ」などポップスから、「もろびとこぞりて」などのクリスマス・メドレー、イタリアの「おお、いと聖なる」をはじめ、クリスマスにちなんだ各地の民謡まで、たっぷりと披露。一足早いプレゼントとなりそう。
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