eぶらあぼ 2014.11月号
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52佐渡裕(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団佐渡が7年ぶりに東京フィル定期へ登場!文:柴田克彦Vヴォーチェス・エイトOCES8 (声楽アンサンブル)ブレイク中のアカペラグループが贈る極上のクリスマス文:飯尾洋一第854回 サントリー定期シリーズ11/12(水)19:00 サントリーホール第89回 東京オペラシティ定期シリーズ11/13(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール第855回 オーチャード定期演奏会11/16(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール(完売)問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522 http://www.tpo.or.jp12/13(土)14:00 秋篠音楽堂(0742-35-7070)、12/14(日)14:00 秋川キララホール(042-559-7500)、12/17(水)19:00 仙台電力ホール(河北チケットセンター022-211-1189)、12/18(木)19:00 王子ホール(03-3567-9990)、12/20(土)14:00 ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール)(0263-47-2004)、12/21(日)15:00 よこすか芸術劇場(046-823-9999)、12/23(火・祝)14:00 東京オペラシティ コンサートホール(カジモト・イープラス0570-06-9960) 首都圏のファンは、佐渡裕が振る在京オーケストラの演奏をどれだけ聴いているだろうか? 『題名のない音楽会』等で身近に感じる彼だが、兵庫や海外での指揮が多いだけに、在京オケへの出演は案外限られている。11月の東京フィル定期は、佐渡が2つのプログラムを振る。これは今の彼をじっくりと聴く貴重な機会だ。 「第九」や山下洋輔の協奏曲公演等で東京フィルとは以前から親密な佐渡だが、定期への登場は7年ぶり。それだけに満を持したプログラムが用意されている。ベルリン・フィル、パリ管等への客演をはじめ欧州で活躍を続ける彼は、2015年9月からウィーンの名門トーンキュンストラー管の音楽監督に就任する。今回はそれに向けた、ウィーンもの中心の演目。いわば佐渡の“新たな世界”が展開される。 両プログラムの軸は、ブルックナー(11/12,11/13)とブラームス(11/16・完売)の交響曲第4番。19世紀ウィー ウェストミンスター聖歌隊出身の若者8人組によるイギリスの声楽アンサンブル、VOCES8が、ふたたび来日する。おなじみのクリスマス・キャロルから、ミュージカルの名曲まで、彼らならではのレパートリーを披露してくれる。 VOCES8といえばまっさきに思い出されるのが2011年の『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン』での初来日。祝祭的な気分にあふれた音楽祭にあって、彼らの溌剌としたステージは一段と明るく華やか。個性豊かでオシャレな若者8人組が、清新な空気をもたらしてくれたのが印象的だった。選曲も練られていて、お客さんを楽しませることをよく知っているのが、彼らの強みだろうか。2012年にも来日して、クリスマス・コンサートで好評を博した。 もちろんVOCES8の楽しいステージは、確かな実力に支えられてこそ。もともとクラシックの合唱音楽を専門として、ルネサンス期の多声音楽も歌う一方で、ンで火花を散らした両巨頭の「4番」を並べて、昔日の都に思いを馳せる趣向が興味深い。特に前者、「ロマンティック」では、表情豊かで壮麗な佐渡の持ち味が発揮された、躍動感溢れるブルックナー演奏を体感できるに違いない。また、ブルックナーの前に置かれたハイドンの交響曲第6番「朝」にも注目したい。同曲は、30歳直前のハイドンが、エステルハージ家の楽団の名手たちを生かすべく作曲したソロ満載の佳品で、チャーミングな音楽は誰もが楽しめること請け合い。モダン・オーケストラで聴く機会も稀ゆえにぜひマークしたい。 もちろん及川浩治とのラフマニノフポップスやジャズなども独自のアレンジで歌うという驚異的なレパートリーの広さを誇っている。ときにはヴォイス・パーカッションを駆使しながら、多彩で緻密な声の表現を聴かせる。8人の内訳は、ソプラノ2、テノール2、カウンターテナー2、バリトン1、バス1。カウンターテナー2人の存在が効いている。のピアノ協奏曲第3番(11/16)にも期待だが、残念ながらすでに完売している。佐渡&東京フィルが魅せる新境地、乞うご期待! 洗練されたアカペラの魅力を存分に楽しめるクリスマス・コンサートになるはず。佐渡 裕 ©飯島 隆©DECCA/Paul Stuart

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