eぶらあぼ 2014.11月号
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48飯森範親(指揮) 東京交響楽団天才の名作に注がれる清新な情熱文:柴田克彦ベルリン・フィルハーモニー ヴィルトゥオーゾ古典と現代が共鳴しあうステージ文:笹田和人第625回 定期演奏会 11/8(土)18:00 サントリーホール問 TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511 http://tokyosymphony.jp第86回 新潟定期演奏会 11/9(日)17:00 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館問 りゅーとぴあ025-224-5521 http://www.ryutopia.or.jp いま東京交響楽団のサウンドと音楽作りが興味深い。ノットを音楽監督に迎えた今年4月以降、10年に及ぶスダーン体制のもとで培われた端整で精緻なアンサンブルに、別種の開放感や生気が付与されつつあると思えるからだ。 来る11月定期のメインは、正指揮者・飯森範親が振るベルリオーズの「幻想交響曲」。斬新なオーケストレーションが色褪せない同曲は、そうした変化を知るに相応しい作品だろう。山形響の活性化で評価の高い飯森は、今年から日本センチュリー響の首席指揮者にも就任し、早くも清新な発想で新風を吹き込んでいる。50歳を超えていっそう脂が乗ってきた彼のアプローチも当然要注目。飯森の音楽はいつも情熱と活力に溢れている。そんな彼の「幻想」がいま東響でいかに響くのか? これは本公演1つ目の楽しみだ。 もうひとつの話題は、バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番を弾くリチャー 世界最高峰の名門、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の弦楽奏者5人で組織された、ベルリン・フィルハーモニー ヴィルトゥオーゾ(PVB)が、晩秋の日本へと降臨。モーツァルトやドヴォルザークなど古典作品はもちろん、ヴァイオリンの古澤巌を迎えて、強烈なラテンの芳香を放つタンゴの新作まで、多彩に披露する。 1979年の結成以来、名門楽団の粋のようなサウンドと完璧な技巧で、世界中の聴衆を魅了し続けているPVB。メニューインやグルダ、ブレンデルら錚々たる巨匠ともコラボレートを重ね、名演を展開してきた。特に近年は、リーダーを務めている第1ヴァイオリンのラウレンティウス・ディンカにより、ピアソラなどタンゴ作品にもレパートリーを拡大。さらに新しいファンを獲得している。ド・リン。台湾に育ち、カーティス音楽院を経てジュリアード音楽院に学ぶ彼は、2013年仙台国際音楽コンクールの優勝及び聴衆賞獲得で大きく脚光を浴びた。今年6月には優勝記念の東京公演でブラームスのソナタ3曲を弾き、堅牢なテクニックと濃密な音色で実力を知らしめただけに、東響初登場への期待は大。演目は、民族性とモダニズムが最高の形で融合した円熟の名作であり、リンの音色に合った作品でもある。彼がこの難曲をどう弾くの 今回の日本ツアーには、古澤がゲストとして参加する2つのプログラムとPVBのみのプログラム(11/29,11/30)が用意された。古澤が出演するプログラムのひとつは、レスピーギ「リュートのための古代舞曲とアリア 第3組曲」やモーツァルトの「ディヴェルティメント K.136」、J.シュトラウスⅡの喜歌劇《こうもり》序曲が軸に(11/26,11/27,11/28,12/3)。そして、もうひとつは、ドヴォルザークの弦か? 飯森のサポートを含めてこれも実に楽しみだ。 2つの情熱的なインパクトが待つ当公演。その密度の濃い時間をぜひ味わおう!楽五重奏曲第2番やピアソラ「バレエのタンゴ」を核に据えた(12/2)。両プログラムとも、古澤の新アルバム『Virtuoso』で彼がPVBと録音した、イタリアの現代作曲家ロベルト・ディ・マリーノの手による「ヴァイオリン協奏曲」と、スペイン出身のアルトゥーロ・カルデラスによる「タンゴの幻影」が披露される。古典と現代が互いに共鳴し、絶妙なハーモニーを織り成してゆく。リチャード・リン飯森範親 ©川崎 領古澤 巌ベルリン・フィルハーモニー ヴィルトゥオーゾ11/26(水)19:00 紀尾井ホール、11/27(木)19:00 三井住友海上しらかわホール、11/28(金)19:00 ザ・シンフォニーホール、11/29(土)14:00 相模湖交流センター、11/30(日)14:00 板橋区立文化会館、12/2(火)19:00 紀尾井ホール、12/3(水)19:00 相模原市民会館問 プリマヴェーラ・アーツ03-5422-7680 http://www.primavera-arts.co.jpCD『Virtuoso ヴィルトゥオーソ’ ~弦楽のタンゴ』Hats HUCD-10163¥3000+税

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