eぶらあぼ 2014.11月号
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42ファンもたくさんいると思います。ヒンデミットは一見“アメリカ”からは外れそうですが、エール大学で教授をしていたし、『交響的変容』はニューヨーク・フィル初演ですから。『ラプソディ・イン・ブルー』の吹奏楽版は初めてですが、もともとオリジナルはビッグバンド用の曲なので楽しみですね」 彼のウェブサイト(shizuokuwahara.com)の動画でオーケストラのリハーサル風景を見た。簡潔で的を射た表現の指示もさることながら、それを受け、演奏で応える楽員たちとの間の信頼関係が見えるような映像。いい指揮者だ。©堀 衛第121回 東京佼成ウインドオーケストラ定期演奏会11/22(土)14:00 東京芸術劇場コンサートホール問 東京佼成ウインドオーケストラ チケットサービス0120-692-556 http://www.tkwo.jpシズオ・Z・クワハラ(指揮)吹奏楽は私の原点なのです取材・文:宮本 明Interview 日本でもすでに複数のオーケストラに客演しているシズオ・Z・クワハラが、東京佼成ウインドオーケストラの定期演奏会に登場する。米国籍だが、両親は日本人で、彼も10歳まで日本で育った。「Z」はミドルネームの略ではなくニックネーム。 「アメリカ人は“シズオ”と発音できないんですよ。結局SHIZUOの“Z”だけ残って、『ズィー』と呼ばれていました。じゃあそれで親しんでもらおうと」 吹奏楽でも有名な名門イーストマン音楽学校で学んだ。 「音楽教育科に入学したあと、高校まで遊びで吹いていたサックスも始めたのですが、そこで初めて指揮者というものを見て感銘を受け、サックスよりも指揮の勉強に専念しました。自分で学生のオーケストラを組織して、初めて振った曲がマーラーの5番(笑)。そこから始めるともう怖いものはないですよね」 現在ジョージア州オーガスタ交響楽団音楽監督を務めているが、吹奏楽は彼の原点でもあるだろう。 「やはり自分でも吹いていたので楽しいですね。しかも今回はアメリカ・プログラム。いろいろと経験してわかっているジャンルなのでなおさらです」 プログラムは、ロン・ネルソン、ロバート・ラッセル・ベネット、デイヴィッド・ホルジンガーといったアメリカの吹奏楽オリジナル曲に、ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」、ヒンデミット「ウェーバーの主題による交響的変容」。 「私が提案したのがベネットとホルジンガーです。ベネットの『古いアメリカ舞曲による組曲』は、佼成の桂冠指揮者で、今年生誕100年のフレデリック・フェネルさんとご一緒した時に演奏した曲。ビッグバンドのスタイルを吹奏楽でどう求めるか、作曲当時としてはすごく画期的なスタイルなんですね。ホルジンガーは私が高校生の時に出会った作品。とても感動的で、この曲がきっかけで音楽にのめり込んだという吹奏楽11/18(火)19:00 あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール問 KCMチケットサービス0570-00-8255 http://www.kojimacm.com関西弦楽四重奏団理想の室内楽を追求したい文:寺西 肇 「関西から、理想の室内楽を追求したい」と、大阪交響楽団コンサートマスターの林七奈、元大阪響コンサートマスターで京都市交響楽団員の田村安祐美、京都市響首席ヴィオラ奏者の小峰航一、ソリストとして活躍するチェロの上森祥平がクァルテットを結成。「関西弦楽四重奏団」との団体名を冠し、旗揚げ公演を行う。 「自分たちから発信するのは初めて。弦楽四重奏は、音楽家として避けられぬ半面、マーケットとして成立し難い。覚悟はできている」と上森。林は「目標を高く持ちながら、長く続けてゆければ」と話す。今回は、4人が「常に基本に据えたい」というベートーヴェンの弦楽四重奏曲から、第4番を軸に。ここへ、バルトークの難曲・第3番と、小峰が「ヴィオラ冥利に尽きる」と語るブラームスの第3番を配した。「ステージがとにかく、楽しみで仕方がない」と田村。上森が「関西では“やる気”は必ず聴衆へ伝わる」と力を込めれば、小峰が「いずれは関東でも公演を。でも、あくまで関西のノリで」と笑った。

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