eぶらあぼ 2014.11月号
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287タンゴ・ミュージカル『シャンテクレール』~ブエノスアイレス 愛と欲望の夜~劇団四季『アラジン』ドラマティックな大人のタンゴブロードウェイに次いで、豪華絢爛な舞台が日本上陸へ!文:新藤弘子取材・文:宇田夏苗 劇団四季とディズニー提携によるミュージカル第5弾『アラジン』の制作発表が9月29日に行われた。1992年公開の長編アニメーションを基にした本作は、今年3月にブロードウェイで開幕以降、連日スタンディングオベーションが起こり、チケット完売が続いている話題作。その舞台がブロードウェイに次いで2015年5月、日本に上陸する! 青年アラジン、王女ジャスミン、ランプの精ジーニーなど、舞台化にあたり登場人物たちにより奥行きが加えられた。またアカデミー歌曲賞に輝いた「ホール・ニュー・ワールド」をはじめ、アラン・メンケンのカラフルでパワフルな楽曲が愛と冒険の物語を彩る。なお、今回の舞台では未発表曲3曲と新 モーラ・ゴドイの名を聞いて胸が高鳴る人も多いだろう。アルゼンチン、ブエノスアイレス州出身のトップダンサーだ。抜群のプロポーションと美貌に恵まれ、クラシック・バレエ、ジャズダンスを経てタンゴの世界に入る。転機は、自ら振付・主演したタンゴ・ミュージカル『タンゲーラ』の世界的大ヒット。ダンサー・振付家として国際的なスターへの飛躍を遂げ、2002年にはベスト・ミュージカル賞を受賞。作品は2008、9年に日本でも上演されて話題を呼んだ。 「シャンテクレール」とは、かつてブエノスアイレスに実在し、隆盛を誇ったキャバレーの名だ。幕が上がるとそこは街角。老警備員が見上げる古びた建物が、突然ライトを浴び、半世紀以上も昔曲4曲が追加される。日本語訳詞には『アナと雪の女王』を手がけた高橋知伽江が参加。魔法の絨毯が、まさに魔法のように飛び回るなど、驚きに満ちた舞台美術も見どころだ。 会見には劇団四季代表取締役社長の吉田智誉樹、ウォルト・ディズニー・カンパニーアジアプレジデントのポール・キャンドランド、『アラジン』日本版製作チームを代表して加藤敬二が登壇し「劇団四季のホール・ニュー・ワールド(新しい世界)をお見せする」と力強く宣言。その言葉通り、新たな試みとして全キャラクターとダンサーの公開オーディションが開催されるというから、新たな才能との出会いにも期待が大いに高まる!のにぎわいがよみがえる。忙しく動き回るウェイターやウェイトレス、あやしげな取引やカードに興じる客たち、実らない恋や乱闘事件。その中でひときわ輝いているのは、花形ダンサーのリタナだ。すらりとした身体のラインを惜しげなく見せる衣裳をまとい、男たちと大胆に絡み、華麗なダンスを披露する。 リタナを踊るのは、カンパニーのリーダーで、企画・振付を行ったモーラ自身。妖艶な視線と姿から、あでやかなオーラが立ちのぼる。バレエを知るモーラならではのダイナミックなダンスシーンは、本格的なタンゴの演奏と併せて見応え十分。ストーリー性を重視した展開や、過去と現在をつなぐ演出も効いている。確実に楽しめる逸品だ。12/4(木)~12/7(日) 東急シアターオーブ問 チケットスペース03-3234-9999 http://l-tike.com/tango142015年5月開幕予定 電通四季劇場 海問 劇団四季 東京公演本部03-5776-6730https://www.shiki.jp/applause/aladdin/special/release左から:吉田智誉樹(劇団四季代表取締役社長)、加藤敬二、ポール・キャンドランド(ウォルト・ディズニー・カンパニーアジアプレジデント)

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