eぶらあぼ 2014.11月号
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186SACDCDCDCDベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番&第4番/ピリス&ハーディングパッシオーネ~イタリア歌曲集/樋口達哉光へ~Classical & Crossover/安倍なつみイェルク・デームス プレイズ シューマンベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番・第4番マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)ダニエル・ハーディング(指揮)スウェーデン放送交響楽団レオンカヴァッロ:朝の歌/マリナンジェリ:最後の夜/ビクシオ:マリウ、愛の言葉を/トスティ:理想、夢、君なんかもう、悲しみ、暁は光から/デンツァ:妖精の瞳/ディ・カプア:あなたの口づけを/ダッラ:カルーソー/ララ:グラナダ 他樋口達哉(テノール)ヴィンチェンツォ・スカレーラ(ピアノ)久石譲:Stand Alone~ドラマ「坂の上の雲」より/C.シェーンベルク:夢やぶれて、オン・マイ・オウン~ミュージカル「レ・ミゼラブル」より/イングランド民謡:グリーンスリーヴス~永遠/D.フォスター:この祈り~ザ・プレイヤ-/村松崇継:光へ 他安倍なつみ(ヴォーカル) 他シューマン:幻想小曲集op.12より4曲、クライスレリアーナ、森の情景、3つの幻想的小品op.111、幻想曲(2009年・2013年の演奏を併録) 他イェルク・デームス(ピアノ)東京エムプラスPONYX-4125 ¥2857+税ソニー・ミュージックダイレクトMECO-1024 ¥3000+税COZQ-974-5 ¥3500+税(初回限定盤DVD付)COCQ-85097 ¥2800+税(通常盤)収録:2009年11月、東京、JTアートホール,2013年1月、ツヴィッカウ、シューマン・ハウス(ライヴ)PRO ARTE MUSICAEPAMP-1052(2枚組) ¥3000+税ピリスがベートーヴェンのピアノ協奏曲第3・4番を録音するのは、意外にもこれが初めて。しかし実演では経験を重ねているのだろう、確信にみちた解釈と表情で、その名声と個性にふさわしい演奏となっている。特徴的なのはその音の粒だちの鮮やかさで、清水がきらめいて流れるような美しい連なりを聴かせてくれる。力まず、音と戯れるような姿勢は、十八番のモーツァルトの協奏曲での演奏と変わらないが、ベートーヴェンの劇性も自然に表出されている。ハーディングの指揮も深めの呼吸で巧みにバックアップ。なおこの1枚は、亡きアバドに捧げられている。(山崎浩太郎)舞台ではフランスものからオペレッタ、邦人作品と幅広い役柄を誇る東京二期会の看板テノール。待望のセカンド・アルバムはかつて研鑽を積んだイタリアのカンツォーネを中心に集めた一枚。タイトルが示す通り、全編から熱い情熱と切なさがほとばしるが、中間部を彩る歌曲王トスティ作曲のナンバー5曲もハイライトのひとつ。マリナンジェリの〈最後の夜〉やルチオ・ダッラの〈カルーソー〉といったポップス系から、カレーラスの名唱を彷彿とさせるララの〈グラナダ〉まで幅広い選曲で楽しめる。そして伴奏を務めた名手スカレーラのピアノがこれまた見事!(東端哲也)クラシック・クロスオーバー・シーンに大型新星あらわる。国民的アイドル・グループを卒業して10年、《トゥーランドット》や《三文オペラ》などの音楽劇からブロードウェイ・ミュージカル作品への出演などで才能を開花させこの道に。シーンではお馴染みのナンバーも、クリスタルな声と抜群の表現力であらためて日本語歌唱の魅力を伝え、選曲もNHK朝ドラ主題歌からディズニー・ナンバーまでと幅広い。定番デュエット曲〈ザ・プレイヤ-〉の相手を二期会の人気テナー望月哲也が務めているのも豪華。映画『思い出のマーニー』で注目の村松崇継が書き下ろしたタイトル曲が実にいい。(東端哲也)巨匠デームスのシューマン2枚組み。1枚目は2009年11月に当時81歳のデームスが東京で開いたリサイタルのライヴ録音で、深く力強いタッチが胸にせまる迫力の音源だ。「幻想小曲集」「クライスレリアーナ」といった名曲が、作品を深く知り尽くした者こそが生み出す鮮烈な音像により、活き活きと展開される。2枚目は2013年1月1日にシューマンの生家(ツヴィッカウ)で行われたリサイタル。「森の情景」や「3つの幻想的小品」などが抒情的に奏される。両公演ともに「幻想曲」を収録しており、2種類のライヴ演奏をじっくりと堪能できる。(飯田有抄)
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