eぶらあぼ 2014.11月号
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180プロジェクトXIV 京都公演』、ワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー・オペラ《エフゲニー・オネーギン》。《フィデリオ》は劇団「地点」の三浦基が演出、マリインスキー・オペラは同劇場の京都初公演となる。「小澤征爾音楽塾」では、メインホールでの喜歌劇《こうもり》のほか、京都市勧業館みやこめっせで小学生を対象とした『子どものためのオペラ』も開催する(オープンに先立ち、2015年3月にプレ事業として行う)。 小澤征爾委員長は「京都は、自治体として初めてオーケストラを作った。それがいい刺激となって各都市に拡がっていった。今回もそれと同じ効果を期待している。次世代につながるものになってくれればいい。そして、岡崎地区を京都のなかでも、みんなが集まる地域にしたい。ホールは、人が集まる魅力がなければならない。若い人が集まるようにしなければならない」と期待をこめて語った。 また、小学生を対象とした『子どものためのオペラ』は、小澤自身、日本では初の試みとなる。これについて小澤は「ウィーンでは《魔笛》の縮小版を舞踏会と同じように、座席を取り払った広い会場でやって大成功した。松本では1992年から毎年中学生にオペラを見せているけど、10人に8人は嫌々ながら来るかな(笑)。それでも、帰るときには『おもしろかったなあ』と思ってもらえるようなものにしなければならないという意気込みで20年以上続けてきた」と成功に自信をのぞかせた。主なオープニング事業[プレ事業]◎小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト XⅢ 子どものためのオペラ《子供と魔法》 2015年3月26日(木) 京都市勧業館みやこめっせ[オープニング事業]◎京都市交響楽団オリジナル・オペラ《フィデリオ》(セミステージ形式) 三浦基(演出) 下野竜也(指揮) 京都市交響楽団 2016年1月 ◎小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト XIV 京都公演 喜歌劇《こうもり》と『子どものためのオペラ』ほか 2016年2月 (京都市勧業館みやこめっせでも開催)◎ワレリー・ゲルギエフ(指揮)マリインスキー・オペラ《エフゲニー・オネーギン》 2016年10月◎平成28年度 新国立劇場高校生のためのオペラ鑑賞教室 関西公演《フィガロの結婚》 広上淳一(指揮)京都市交響楽団 2016年10月 ロームシアター京都http://www.kyoto-ongeibun.jp/rohmtheatrekyoto/■ロームシアター京都(京都会館)がオー プニング事業主要ラインナップを発表 2016年1月10日に開館するロームシアター京都(京都会館)のオープニング事業内容が9月11日、記者会見で明らかになった。会見には検討委員会委員長を務める指揮者の小澤征爾、門川大作京都市長らが出席した。 ロームシアター京都は、1960年(昭和35年)4月に「京都の文化の殿堂」として岡崎地区(平安神宮周辺)に開館した旧京都会館をリニューアルするもので、メインホール(旧第一ホール)はオペラなどの総合舞台芸術公演に対応できるよう舞台の奥行や高さを確保、4層バルコニー構造で約2000席を有するホールに生まれ変わる。 会見で門川市長は「小澤征爾さんを初めとする委員のみなさんの熱意溢れる議論が行われた。『京都が動く! 覚悟せよ!』という言葉もいただいた。ロームシアター京都は世界の文化都市の殿堂として国内外の人々に愛されると同時に、多くの市民に愛され、生活のなかに息づく、親しみやすいホールを目指している。開館日も決定した今、引き締まる思いだ。文化こそが京都の強み。京都を世界に冠たる文化都市にし、岡崎地区を象徴するのがロームシアター京都となるように覚悟を決めて実施していく」と語った。 これまで4回の検討委員会を経て決定されたオープニング事業は「創造・育成・交流・生活」の4つをコンセプトの大きな柱に、オペラやバレエをはじめ、京都ならではの伝統芸能、吹奏楽、現代演劇やダンスを取り扱うフェスティバル、ホールに限らず岡崎地区全体を使ったイベントなど、様々なジャンルで構成されている。なかでも注目されるのは『京都市交響楽団オリジナル・オペラ《フィデリオ》』『小澤征爾音楽塾オペラ・小澤征爾・ロームシアター京都オープニング事業検討委員会委員長Photo:M.Terashi/TokyoMDE

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