eぶらあぼ 2014.10月号
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74©Mirco MaglioccaB→C(ビートゥーシー) バッハからコンテンポラリーヘ10/18(土)18:30 宗次ホール問 宗次ホールチケットセンター052-265-1718 http://www.munetsuguhall.com10/21(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 http://www.operacity.jp中木健二(チェロ)キーワードは“ポリフォニック”取材・文:渡辺謙太郎Interview 東京オペラシティの人気シリーズ『B →C』。今回の中木健二は、2011年の遠藤真理以来、同シリーズに3年ぶりに登場するチェリストということでも注目を集めている。東京芸大を経て、パリ国立高等音楽院を首席で卒業した中木。05年のルトスワフスキ国際コンクールや、08年の国際フランス音楽コンクールを制し、10年から14年3月までフランス国立ボルドー・アキテーヌ管の首席奏者を務めた。「30代の活動の中心は室内楽を」という思いから帰国。現在は、室内楽のほかに紀尾井シンフォニエッタ東京のメンバーとしても活躍し、東京芸大の准教授として後進の指導にもあたっている。 今回は名古屋の宗次ホールでも同一公演を開催。さて、そのプログラミングの意図は? 「リサイタルでは常に一貫性とストーリー性のあるプログラムを心がけています。今回はJ.S.バッハの音楽の特徴である“対位法とフーガによる対話”をテーマに、作曲家それぞれの構築性が際立った作品を厳選しました」 前半はバッハの無伴奏組曲第5番で幕を開け、中木が今回のために委嘱した酒井健治の新作、リゲティの無伴奏ソナタと続くオール無伴奏。 「3人とも建築家や彫刻家のように音楽を立体的に構築できる作曲家。今回はバッハを作曲当時の調弦で演奏したり、リゲティを勢い任せではなく、緻密に理路整然と描いたりすることで、そうした魅力をお伝えしたいです。酒井さんの新作は、無伴奏チェロ作品では珍しいフーガ形式の小品をお願いしたので、出来上がりがとても楽しみですね」 パリ留学時代からの友人でもあるピアニストの島田彩乃と共演する後半のデュオでは、ルトスワフスキの「グラーヴェ」と、ブラームスのソナタ第2番を披露する。 「ルトスワフスキ国際コンクールの課題曲でもあった『グラーヴェ』には、音のエネルギーが完璧に制御された作風にすっかり魅了されてしまいました。そして僕が最も好きなソナタのひとつであるブラームスの第2番。アキテーヌ管時代に彼の交響曲を全曲演奏した経験をいかしながら、そのポリフォニックな作風の核心に少しでも迫れるように頑張ります」 昨年、20世紀フランス音楽で統一したデビュー盤『美しき夕暮れ』(キングレコード)を発表し、今後も録音を積極的に行っていきたいと語る中木。次回作の具体的な予定はないが、今回のプログラムにも含まれるバッハの無伴奏組曲には格別の思い入れがあるというから、近い将来に全曲録音をリリースしてくれるかもしれない。10/27(月)19:00 紀尾井ホール問 テイツィアーナ・ドゥカーティ&山口研生デュオリサイタル実行委員会080-2744-1015(岩永)テイツィアーナ・ドゥカーティ(ソプラノ)&山口研生(ピアノ)「奇跡の声」に再び会える文:笹田和人 左:テイツィアーナ・ドゥカーティ 右:山口研生 どこまでも羽ばたいてゆけそうな高音域、豊かに響きわたる低音域。そして、全てを包み込むようなフォルティッシモに、囁きつつも決して芯を失わないピアニッシモ。この幅広い表現力こそ、イタリア伝統のベル・カントを受け継ぐ歌声なのだ。世界最難関と言われるヴェルディ国際をはじめ、名だたる声楽コンクールに「出場すなわち優勝」という輝かしい実績を引っ提げ、母国はもとより、ヨーロッパ各国の檜舞台で活躍を続けているテイツィアーナ・ドゥカーティ。この秋、日本の音楽ファンの前に再び降臨し、至宝とも言うべき美声をたっぷりと聴かせる。パートナーを務めるのは、桐朋学園大からベルリン芸術大学に学び、国際的な活躍を続ける実力派ピアニストの山口研生。ドゥカーティはベッリーニの歌劇《ノルマ》から〈清らかな女神よ〉やプッチーニの歌劇《トスカ》から〈歌に生き愛に生き〉など名アリアの数々を。山口はリスト「エステ荘の噴水」やドビュッシー「月の光」などソロでも佳品を披露する。

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