eぶらあぼ 2014.10月号
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656510/28(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 新演奏家協会03-3561-5012 http://www.shin-en.jp岡本愛子(ピアノ) 室内楽シリーズNo.11 フランス近代のサロン音楽を集めてパリの名手たちと紡ぐ極上の響き文:笹田和人岡本愛子 2005年に日本人として初めてプーランクのピアノ作品全曲録音を発表するなど、フランス近代音楽のスペシャリストとして知られている岡本愛子。パリ国立音楽院を一等賞で卒業し、ロン=ティボーをはじめ、数々の国際コンクールで入賞を重ねた。そんな彼女が1991年から続けている室内楽シリーズの第11回目。『フランス近代のサロン音楽を集めて』と題し、パリ管弦楽団首席ホルン奏者のアンドレ・カザレ、パリ国立歌劇場管首席フルート奏者のカトリーヌ・カンタン、同管オーボエ奏者のクリストフ・グランデルらの名手を共演に迎える。プーランク「六重奏曲」やルーセル「ディヴェルティメント」などアンサンブル作品に、プーランクのオーボエ・ソナタ、フルートとピアノのためのドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」を披露。さらに岡本のソロでラヴェル「メヌエット」「パレード」、プーランク「エレジー」など、ピアノ作品もたっぷりと聴かせてくれる。独特のエスプリに彩られた、極上の響きが堪能できよう。11/12(水)18:30 日経ホール問 日経ミューズサロン事務局  03-3943-7066 http://www.nikkei-hall.com第430回 日経ミューズサロン アルノ・ラウニック(ソプラニスト) カストラートの歌声を再現!?文:寺西 肇アルノ・ラウニック 女性の声域を担当する男性歌手と言えば、ファルセット(裏声)を使うカウンターテナーが一般的に知られているが、これとは違って、ナチュラル・ボイスで高音域をカバーする歌手のことを「ソプラニスト」と呼ぶ。まずは天賦の身体能力が前提となるため、かつて存在したカストラート(去勢した男性歌手)が歌ったパートを一流歌劇場で披露できる本格的ソプラニストは、世界に数人しか存在しない。その中にあって、第一級のテクニックと音楽性で、尊敬を集めているのがアルノ・ラウニック。幼少時はウィーン少年合唱団に在籍し、変声後はしばらく文筆の世界で活躍、あらためてシュヴァルツコップら名歌手の薫陶を受けて、ソプラニストとしてデビュー、ベルリン国立歌劇場など檜舞台で活躍を続けている。日経ミューズサロンのステージでは、ウィーン在住のピアニスト、みどり・オルトナーと共演。ヘンデルやモーツァルトのオペラ・アリアや、シューベルトのリートなどを“神秘の歌声”で聴かせる。これは必聴だ。11/8(土)15:00 大田区民ホール・アプリコ問 大田区民ホール・アプリコ  03-5744-1600 http://www.ota-bunka.or.jp名コンビで聴かせるドイツ音楽の神髄文:渡辺謙太郎都響 × アプリコ小泉和裕(指揮) 東京都交響楽団 with 南紫音(ヴァイオリン)小泉和裕 ©Prgue Spring-lvan Maly 2012年に大田区民ホール・アプリコで公演を行い、チャイコフスキーの「悲愴」を中心としたプログラムが大好評を博した小泉和裕&都響。あれから約2年を経て、名コンビがふたたびアプリコの舞台に帰ってくる。今回のメインは、ドイツ音楽の金字塔のひとつとして名高いブラームスの交響曲第1番。強い構成力を持った交響曲の指揮に定評がある小泉にとって、これほど相応しい作品はないかもしれない。全4楽章を通じて揺るぐことのない情熱と緊張に貫かれ、圧倒的な高揚感に満ちたフィナーレへと達することだろう。そこに美しい華を添えるのが若手ヴァイオリニストの南紫音。ロン=ティボー国際コンクールでの第2位入賞から早いものでもう10年近く。その瑞々しい演奏はさらに洗練されてきている。今回はブルッフの協奏曲第1番を、持ち前の歌心と技巧でスケール豊かに歌い上げる。南 紫音 ©Akito Koyama

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