eぶらあぼ 2014.10月号
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 神奈川県民ホールとびわ湖ホール・東京二期会との共同制作オペラは、今回で8回を数える。共同制作ならではの強みは、日本の優れたオペラ歌手を集めて、海外で高い評価を受ける気鋭の演出家を迎えて新制作の舞台を作ることにある。この三者の共同制作は、その点を存分にいかし、常にオペラ界の話題となるような、非常にエッジの効いた作品を発表し続けてきた。 さて、神奈川県民ホール開館40周年という節目の年にあたり選ばれたのは、ヴェルディの《オテロ》。何よりも優れた“オテロ歌い”のテノールがいないと成立しないこの作品、人気はあるが、国内ではなかなか満足のいく上演に出会う機会は少ない。しかし今回は、出演者・スタッフともに、望みうる最高の布陣が結成された。 オテロには、おそらく日本では今、この人をおいて他にいないといえる名テノール、福井敬。そして、ミラノ・スカラ座《アイーダ》で、ロベルト・アラーニャの代役として急遽ラダメスを歌って見事なスカラ座デビューを果たした逸話を持つアントネッロ・パロンビが登場する。デズデモナには、日本を代表するソプラノ歌手として新国立劇場ほかで大活躍中の2人、砂川涼子と安藤赴美子。そしてイアーゴは、名実共に日本のオペラ界を牽引するバリトン歌手、黒田博と堀内康雄が歌う。注目の演出は粟國淳。《トゥーランドット》(09)、《アイーダ》(11)以来、このシリーズには3回目の登場となる。今回も観ごたえ・聴きごたえ十分のヴェルディを披露してくれるだろう。(文:室田尚子)神奈川県民ホール開館40周年記念オペラ《水炎伝説》改訂版初演2015年1月17日(土)、18日(日) 両日15:00神奈川県民ホール小ホール作曲:一柳慧 台本:大岡信指揮:板倉康明 演出・振付・美術:中村恩恵合唱・演奏:《水炎伝説》特別編成アンサンブル〈主な配役〉アカトキ乙女:天羽明惠トコヨ乙女/老女:加賀ひとみ白い顔の男:高橋淳黒い顔の男:松平敬ダンス:後藤和雄 ほか9月20日(土)発売 一般 6,000円 学生(24歳以下) 4,000円問 チケットかながわ0570-015-415   http://www.kanagawa-kenminhall.com神奈川県立音楽堂開館60周年特別企画音楽堂バロック・オペラ《メッセニアの神託》2015年2月28日(土)、3月1日(日)両日15:00神奈川県立音楽堂※両日とも14:15~ファビオ・ビオンディによるトークあり。作曲:ヴィヴァルディ音楽監督・ヴァイオリン:ファビオ・ビオンディ演出:彌勒忠史 演奏:エウローパ・ガランテ〈主な配役〉ポリフォンテ:マグヌス・スタヴランメローペ:マリアンヌ・キーランドエピーディデ:ヴィヴィカ・ジュノーエルミーラ:マリーナ・デ・リソトラシメーデ:ユリア・レージネヴァリチスコ:フランツィスカ・ゴッドヴァルトアナッサンドロ:クサヴィエール・サバタ10月14日(火)発売S 12,000円 A 11,000円 B 10,000円  学生席 8,000円問 チケットかながわ0570-015-415  http://www.kanagawa-ongakudo.com 神奈川県民ホール開館40周年記念歌劇《オテロ》(新制作)2015年3月21日(土・祝)、22日(日)両日14:00神奈川県民ホール 大ホール作曲:ヴェルディ指揮:沼尻竜典 演出:粟国淳管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル、二期会合唱団〈主な配役〉 3/21 3/22オテロ: 福井敬 アントネッロ・パロンビデズデモナ: 砂川涼子 安藤赴美子イアーゴ: 黒田博 堀内康雄エミーリア: 小林由佳 池田香織カッシオ: 清水徹太郎 大槻孝志ロデリーゴ: 二塚直紀 与儀巧9月28日(日)発売SS 16,000円 S 13,000円(Sペア 24,000円)A 10,000円 B 7,000円 C 6,000円 D 4,000円E 3000円 学生(24歳以下) 2,000円問 チケットかながわ0570-015-415   http://www.kanagawa-kenminhall.com主催:公益財団法人 神奈川芸術文化財団Ⅲ《オテロ》~最高の布陣でのぞむヴェルディの傑作Information沼尻竜典(指揮)©Ryoichi Aratani黒田 博堀内康雄©深谷義宣(aura)砂川涼子福井 敬粟國 淳安藤赴美子撮影:大野純一アントネッロ・パロンビ

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