eぶらあぼ 2014.10月号
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236デリック・イノウエはカナダ出身、かつてジェームズ・レヴァインの薫陶と厚い信頼を得て、コンサートにオペラにと活躍してきた指揮の名匠。今回はメンデルスゾーン「イタリア」、モーツァルト「プラハ」の2つの交響曲に、ベートーヴェンの歌劇《フィデリオ》序曲、リストの交響詩「ゆりかごから墓場まで」というユニークなプログラム。イノウエは「各々の作曲家の個性と才能を感じられるはず」と話す。マルク・ゴレンシュタインは、巨匠エフゲニー・スヴェトラーノフから、ロシア国立響芸術監督兼首席指揮者の地位を託された名指揮者。今回の東京ニューシティ管とのステージでは、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」とグリンカの歌劇《ルスランとリュドミラ》序曲、イングリット・ヘブラーも絶賛した新星ピアニスト・今川裕代をソロに据えてのラフマニノフの協奏曲第2番と“スラブの神髄”を聴かせる。マルク・ゴレンシュタイン今川裕代バロックチェロの先駆者として、世界の古楽シーンをリードしてきた鈴木秀美が率いる達人集団、オーケストラ・リベラ・クラシカ。今回は交響曲第28番に、国際的な活動を展開するフォルテピアノの上尾直毅を迎えての協奏曲第19番と、モーツァルト作品に加え、ハイドンの交響曲第74番を。「どの曲も特に有名というわけではありませんが、魅力に溢れた作品ばかり。どうぞご期待下さい!」と鈴木は言う。デリック・イノウエ©Satoru Mitsuta鈴木秀美©K.Miura上尾直毅住友郁治は国立音大と同大学院を首席で修め、国際リストコンクールなど数々の登竜門で入賞を果たした実力派ピアニスト。演劇人とのコラボレートや映画音楽など、クラシックにとどまらぬ活動も光る。銘器ベーゼンドルファーを使用したリサイタルは、モーツァルトの「幻想曲ニ短調」で幕開けし、ショパン、ラフマニノフの佳品に続き、「2つの伝説」「ダンテを読んで」と得意のリスト作品で締め括る。2007年のチャイコフスキー国際コンクールチェロ部門を制したセルゲイ・アントノフ、そして東京国際ヴィオラ・コンクールの最初の覇者セルゲイ・マーロフ。さらに、国際的に活躍の場を広げる指揮の海老原光。3人の俊英が集い、東京シティ・フィルハーモニック管と共に、ドヴォルザークのチェロ協奏曲、バルトークのヴィオラ協奏曲、そしてスメタナの「モルダウ」と、ボヘミアへの望郷の想いを織り上げる。月の10住友郁ふみはる治(ピアノ)デリック・イノウエ(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団マルク・ゴレンシュタイン(指揮) 東京ニューシティ管弦楽団 スラブの神髄ボヘミアン・ラプソディ 東欧の旅路アントノフ&マーロフ 協奏曲名曲選鈴木秀美(指揮) オーケストラ・リベラ・クラシカ俣野修なが子こ(ピアノ)My Favorite F.Schubert4年にわたる室内楽シリーズ『楽興の時』を昨年秋、好評のうちに完結させたピアノの俣野修子。“原点”に立ち戻ってのソロ・リサイタルは、シューベルトを特集。まさに「楽興の時」を核に置いて、シリーズの余韻を感じさせつつ、シューベルト特有のカンタービレが美しいアレグレットハ短調と、最後の作品であるソナタ第21番を配した、滋味あふれるプログラム。名手が紡ぐ至福の響きに、身を委ねてみたい。10/1(水) 19:00横浜みなとみらいホール(小)10/17(金) 19:00東京オペラシティコンサートホール10/4(土) 14:00坂戸市文化会館10/4(土) 17:00かつしかシンフォニーヒルズ10/18(土) 15:00上野学園石橋メモリアルホール10/5(日) 15:00 青山音楽記念館(バロックザール)10/18(土) 19:00 王子ホール文:笹田和人左から:海老原光/セルゲイ・アントノフ/セルゲイ・マーロフ©mischa
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