eぶらあぼ 2014.9月号
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68レ・ヴァン・フランセ(管楽アンサンブル) 6人の達人が作る濃密な時間文:飯尾洋一郡こおり 愛子(メゾソプラノ) 3サンキュー9th リサイタル思い出のあの歌、この歌文:宮本 明10/22(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 http://www.japanarts.co.jp他公演 10/12(日)彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール、10/13(月・祝)三鷹市芸術文化センター風のホール、10/15(水)紀尾井ホール、10/16(木)いずみホール、10/17(金)青山音楽記念館、10/19(日)北九州市響ホール、10/20(月)とりぎん文化会館梨花ホール、10/21(火)王子ホール※全国公演の詳細は(http://www.japanarts.co.jp)でご確認ください。11/9(日)14:30 よみうり大手町ホール問 グローバルアーツ03-5981-9175 http://www.koriaiko.com 管楽器の“ドリーム・チーム”とでも呼びたくなる、あの腕利きたちが今年もやってくる。10月22日、東京オペラシティでレ・ヴァン・フランセがコンサートを行う。メンバーはエマニュエル・パユ(フルート)、フランソワ・ルルー(オーボエ)、ポール・メイエ(クラリネット)、ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン)、ジルベール・オダン(バソン)、エリック・ル・サージュ(ピアノ)。超豪華メンバーがずらり顔をそろえた。 この管楽アンサンブルの巧さにはだれもが舌を巻かずにはいられないだろう。技術的な水準がきわめて高く、管楽アンサンブルという合奏形態自体への認識を改めさせてくれるほど。しかも、それに加えてすばらしいのは音楽に取り組む情熱の豊かさだ。エマニュエル・パユをはじめとする世界最高クラスのヴィルトゥオーゾたちが、あたかも音楽の化身となったかのごとく演奏に没頭し、濃密な時間を作り出す。 今回の公演では、ルーセルのディヴェルティスマン、ドゥリングのフルート、オーボエ、ピアノのための三重奏 来年デビュー40周年を迎えるメゾソプラノのベテラン郡愛子だが、まずはそれに先立って、39年(=サンキュー)の活動を支えた人々に感謝するリサイタルを開く。彼女のこれまでのキャリアを振り返り、折々のトピックに関わる曲を歌っていくという仕掛けで、コンサート全体をいわば年表のように見立てた構成だ。 1985年、86年のジロー・オペラ賞連続受賞(原嘉寿子「すて姫の子守歌」)。87年の文化庁芸術祭賞受賞(グルック「エウリディーチェを失って」)。90年の三菱自動車ディアマンテCMの歌唱と、95年の同CM出演。98年、99年のNHKニューイヤーオペラコンサート出演(サン=サーンス「あなたの声に私の心は開く」、ヴェルディ「炎は燃えて」)。93年の映画『はるか、ノスタルジィ』(監督:大林宣彦、音楽:久石譲)の挿入歌曲、ベートーヴェンのピアノと管楽のための五重奏曲、カプレのピアノと木管のための五重奏曲、プーランクの六重奏曲といった、多彩なプログラムが組歌唱。98年のテレビ朝日系「ニュースステーション」出演(羽田健太郎との共演)。2002年の『三大テノール・ラスト・コンサート・イン・ジャパン』出演(山田耕筰「からたちの花」)。こうして並べてみるだけでも、彼女の経験が、実に多岐にわたる豊富なものであることがわかる。 彼女の美質が深い響きの歌声や幅広い表現力にあるのは言うまでもないけれども、人を楽しませることに、いい意味でどん欲な、エンターテイナーとしての大切なスピリットの持ち主であることが最大の魅力だろう。その魅力はこの日もきっと全開。必聴だ!まれている。プーランクは彼らの十八番といってもいい名作。愉悦と機知にあふれ、精彩に富んだアンサンブルを楽しませてくれることだろう。Photo:青柳 聡

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