eぶらあぼ 2014.9月号
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58ピティナ × ザ・シンフォニーホール presents シンフォニー・ブランチコンサート旬の男性ピアニスト6人が大阪に登場文:高坂はる香Vol.1 2014/11/20(木) 関本昌平    Vol.4 2015/8/27(木) 阪田知樹Vol.2 2015/2/24(火) 後藤正孝  Vol.5 2015/11/10(火) 田村響Vol.3 2015/5/11(月) 菊地裕介    Vol.6 2016/2/23(火) 崎谷明弘 各回 11:00  ザ・シンフォニーホール問 ザ・シンフォニー チケットセンター06-6453-2333  http://www.piano.or.jp/concert/symphonybrunch  Vol.1は発売中、Vol.2は9/20(土)、Vol.3は2015/1/17(土)発売。 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)と大阪のザ・シンフォニーホールによる共同プロジェクト、『シンフォニー・ブランチコンサート』が、この11月からスタートする。 平日午前11時開演、公演時間は休憩を含んで約90分間。お昼過ぎには終演という時間設定となっていることで、普段ランチタイムコンサートを楽しんでいる層の方々はもちろん、夕方から夜の時間帯はレッスンで忙しいピアノ指導者にも足を運んでもらおうという考えだ。開演前には、ホール楽屋でプレセミナー(限定50名)もあり、夜の時間帯に行われる通常のコンサートとは一味違った体験が用意されている。ピアノ指導者やピアノを習う子供を持つ親御さんに、嬉しい企画だ。 今年11月から2016年2月まで、全6回にわたるリサイタルシリーズのラインナップを見ると、出演ピアニストの顔ぶれがとても良い。これまでピティナ・ピアノコンペティションでグランプリに輝いたピアニストを中心に選定されたとのことだが、輝かしい国際コンクール入賞歴と確かな実力を持つピアニストばかりが名を連ねる。そのうえ、料金は税込¥2,000(コンサート直前プレセミナー付きのセット券は¥3,000)と、とてもリーズナブルだ。 11月20日のVol.1で演奏するのは、地元大阪出身、2005年ショパン国際ピアノコンクール第4位に入賞した関本昌平。同コンクール入賞後はどうしてもショパンばかりを求められることが多くなりがちな中で、それを最小限にとどめながら、自分の音楽を磨いてきたという関本。それが今回、コンクール後初めてとなるオール・ショパン・プログラムを披露するというから、聴きものだ。「小犬のワルツ」や「英雄ポロネーズ」などの名曲に加え、「24のプレリュード」全曲を演奏する。意欲的な内容で、今の関本が抱くショパンへの想いを聴かせてくれることだろう。 2015年2月24日Vol.2に登場するのは、2011年リスト国際ピアノコンクール優勝の後藤正孝。「ショパンとリスト」をテーマに、舟歌やマズルカ作品59といったショパンの晩年に近い作品、そしてリストからは、メフィスト・ワルツ第2番や「詩的で宗教的な調べ」から「愛の讃歌」、グノー=リストの「ファウスト・ワルツ」などを演奏する。バラエティに富んだ選曲で、優れた技巧から情感豊かな歌心までを披露する。 Vol.3には、マリア・カナルス国際音楽コンクール優勝、パリ、ハノーファーで名教師の元研鑽を積み、現在は実力派として精力的な演奏活動を行う菊地裕介が登場。日本人離れした感性と高い演奏能力が魅力のピアニストだ。続くVol.4には、昨年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで最年少ファイナリストとなった期待の新鋭、阪田知樹、Vol.5には、2007年ロン・ティボー国際音楽コンクールに優勝して一躍注目を集めた田村響、そしてシリーズ最後となるVol.6には、今年のハエン賞国際ピアノコンクール優勝が話題となったばかりの崎谷明弘が登場する。Vol.3以降のプログラムはこれから順次発表となるが、幅広い聴衆層を視野に入れて練り上げてゆくというので、期待できそうだ。 最近話題の若手から、着実にキャリアを重ねているピアニストまで、とにかく人気実力ともに文句なしの男性奏者が揃った。6人の男たちが大阪の昼のクラシック音楽シーンに新たな旋風を巻き起こしそうだ。左から:関本昌平/後藤正孝 ©Liszt Competition/Allard Willemse/菊地裕介/阪田知樹 ©Ellen Appel-Mike Morel/The Cliburn/田村響©三好英輔/崎谷明弘

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