eぶらあぼ 2014.9月号
45/207

4210/24(金)19:00 浜離宮朝日ホール問 朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990   http://www.asahi-hall.jp/hamarikyu他公演 10/13(月・祝)いずみホール(キョードー大阪06-7732-8888)、10/25(土)伊那市生涯学習センター(0265-78-5801)、10/26(日)相模湖交流センター(042-682-6121)CD『火の鳥 ―ロシア・ピアノ作品集―』日本コロムビアCOCQ-85095 ¥2,800+税9/17(水)発売 ©T.Shimmura満を持してロシアの大作をレコーディング取材・文:飯田有抄Interview福間洸太朗(ピアノ) 日本コロムビア第3弾のアルバムはロシア作品集だ。バラキレフの「イスラメイ」など、リサイタルでしばしばロシアものを披露している福間洸太朗だが、意外なことにかつてはロシア音楽に「コンプレックスがあった」と言う。 「チャイコフスキーの『ドゥムカ』を15歳で初めて弾いたとき、先生から『音や音楽が細い』と言われ、自分にはロシア音楽は向いていないのかな、と思ったのです」 そんな思いを徐々に払拭させたのがムソルグスキーの「展覧会の絵」だった。20歳でクリーヴランド国際コンクール優勝後、アメリカツアーと日本デビューという飛躍の舞台でこの作品に取り組んだことが、ロシア音楽へのアプローチを変化させた。 「すべてがハードな挑戦に思えたあの時期に『展覧会の絵』を弾いて理解を深められたことが、ロシア音楽への距離を縮めることにつながりました。以来、いつかこの作品をレコーディングしたいと思っていました」 形式を重んじるドイツ音楽、色彩感に満ちたフランス音楽とは違うもの――福間がロシア音楽に感じるのは、「分厚い響きや濃厚な感情、そして時に意表を突くような自由な表現」だと語る。 「イメージを極限まで引き伸ばし、多少大げさに演奏しなければロシアらしく響きません。そのためには『こうしたいんだ!』という強靭な意志と体力が必要です。ロシア人のように身体が大きくなくても、音のもつ空間性をいかに大きくイメージできるかで、出せる響きは変わります。僕は普段の練習から大ホールの響きをイメージし、実際は1センチしか沈まない鍵盤が1メートルくらい沈むことを想像しながら演奏しています」 昨年のリサイタルでも取り上げたストラヴィンスキー「火の鳥」(アゴスティ編曲)はスイスの友人の演奏を通じて知った。「あまり演奏されていませんが、とても優れたピアノ版です」。グリンカの「ひばり」(バラキレフ編曲)は、「もとは歌曲で、遠くの愛する人に自分の歌を届けたいという気持ちが歌われます。録音時は詩を譜面台の上に置いて演奏しました」。15歳以来「眠らせていた」という「ドゥムカ」は、曲への愛情は当時のままに、まったく新しい解釈で録音した。 10月24日にはCDリリース記念のリサイタルも行う。ロシアの人々の心に根付いたロシア正教会の鐘の音が、「音楽作品の至る所に感じられる」と福間は語る。 「真冬のロシアを旅したことはありますが、いつかロシアで演奏もしたい。それが僕の今の夢です」9/9(火)19:00 東京芸術劇場コンサートホール問 ミリオンコンサート協会03-3501-5638  http://www.millionconcert.co.jpオレンジ世代応援コンサート元気が漲る“ニクい”公演文:柴田克彦近藤嘉宏広上淳一 「オレンジ色のニクい奴」…これはある世代以上の方にとって懐かしくも気持ちが弾むフレーズだろう。このキャッチでおなじみの「夕刊フジ」は、1969年に創刊され、今年45周年を迎えた。同紙と共に歩んだ主力は今やシニア&シルバー世代。だがこれを機に、彼らをよりポジティブな「オレンジ世代」と称して応援するキャンペーンが組まれ、淑徳大学・東京キャンパス開設記念を兼ねて「応援コンサート」が開催される。 陣容は、広上淳一指揮の新日本フィルハーモニー交響楽団に、ピアノの近藤嘉宏がソロで加わる本格派。モーツァルト、ベートーヴェン、スメタナ、チャイコフスキーなどの人気曲に、広上が演奏を担当したNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』のメイン・テーマをまじえた、バラエティ豊かなプログラムにも心が躍る。エネルギーに溢れた広上の指揮で活気漲る曲を聴き、内外で活躍を続ける人気奏者・近藤の瑞々しいピアノで勇壮な「皇帝」を味わえば、元気が出ること請け合い! さらには、多彩でブリリアントな名曲コンサートとして老若男女も楽しめる。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です