eぶらあぼ 2014.9月号
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181コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL公演情報11月の見もの・聴きもの2014年11月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場◎11月2(18:00)日 ワーグナー:タンホイザー指/チョン・ミョンフン、演出/C.グート、出/K.ヨン、R.D.スミス、C.ゲルハーヘル、C.ニュールンド、I.テオリン11月4(19:00)、7(19:00)日 プッチーニ:ラ・ボエーム 指/D.エッティンガー、演出/F.ゼッフィレッリ、出/D.ポポフ、K.ストヤノヴァ、M.カリア、A.ガリフッリーナ11月5(19:30)日 ロッシーニ:セビリャの理髪師 指/M.ギュトラー、演出/G.レンネルト、補訂演出/R.ブレチャッハー、出/P.コルガティン、P.ルメッツ、M.グリツコヴァ11月8(19:00)、12(19:00)、14(19:00)、17(19:00)日 ヤナーチェク:利口な牝狐の物語 指/F.ウェルザー=メスト、演出/O.シェンク、出/G.フィンリー、W.バンクル★◎11月15(18:30)、18(18:30)、21(18:30)、24(18:30)、27(18:30)、30(18:00)日ムソルグスキー:ホヴァンシチナ[プレミエ] 指/S.ビシュコフ、演出/L.ドディン、出/F.フルラネット、C.ヴェントリス、H.リッペルト、A.ドッバー、A.アンガー11月16(18:00)、19(19:00)、22(19:00)、25(18:30)日 モーツァルト:フィガロの結婚指/S.ゲッツェル、演出/J.L.マルティノーティ、出/L.ピサロニ、O.ベツメルトナ、A.ハルティッヒ、A.プラチェトカ、R.フレンケル◎11月20(18:00)、23(18:00)、26(18:00)、28(18:00)日 R.シュトラウス:ばらの騎士指/K.ペトレンコ、演出/O.シェンク、出/S.イソコスキ、P.ローズ、A.コートウィーン・フォルクスオーパー11月1(18:00)、5(19:00)、22(19:00)、25(19:00)日 ヴェルディ:椿姫 演出/H.グラツァー11月3(19:00)、21(19:00)、23(18:00)、28(19:00)日 P.リンケ:ルナ夫人 演出/P.ルント11月4(19:00)、8(18:00)日 プッチーニ:トゥーランドット 演出/R.ドゥセ11月7(19:00)、9(19:00)、11(19:00)、13(19:00)日 C.ポーター:キス・ミー・ケイト(ミュージカル) 演出/B.モットル11月10(19:00)、14(19:00)、18(19:00)日ヨハン・シュトラウス:こうもり 演出/R.ヘルツル、新校訂演出/H.ツェドニク11月15(18:00)、19(19:00)、29(19:00)日モーツァルト:魔笛 演出/H.ローナーアン・デア・ウィーン劇場(主要公演のみ)★◎11月16(19:00)、19(19:00)、22(19:00)、25(19:00)、28(19:00)、30(19:00)日ビゼー:真珠とり[プレミエ] 指/J.C.スピノージ、演出/L.デ・ベール、出/D.ダムラウ、D.コルチャク、N.ガン、N.テステ、演奏/ウィーン放送響◎11月23(19:00)日 グルック:デモフォンテ(演奏会形式) 指/A.カーティス、出/V.ジュノー、S.シュヴァルツ、M.C.シャピュイ、演奏/イル・コンプレッソ・バロッコ◎11月29(19:00)日 パーセル:アーサー王(演奏会形式) 指/R.キング、出/C.サンプソン、R.ウトラム、J.クーパー、D.オーチンクロス、演奏/キングズ・コンソートウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(B)=コンツェルトハウス(ベルリン)]11月(15:30)、2(11:00)日 D.バレンボイム指揮 ブーレーズ:弦楽のための本、固定/爆発(オリジナル)、シューベルト:交響曲第8番「ザ・グレイト」 独/K.H.シュルツ◎11月9(11:00)、10(20:00)(B)日 N.アーノンクール指揮 シューベルト:ロザムンデ(全曲)、交響曲第7番「未完成」 独/W.レームクールA11月15(15:30)、16(11:00)日 H.ブロムシュテット指揮 ハイドン:交響曲第101番「時計」、ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」11月22(15:30)、23(11:00)、25(19:30)(KH)日 S.ビシュコフ指揮 グリンカ:幻想的ワルツ、ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 独/K.ゲルシュタインpウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(K)=フィルハーモニー(ケルン)、(LUX)=フィルハーモニー(ルクセンブルク)、(BRU)=パレ・デ・ボザール(ブリュッセル)、(P)=サル・プレイエル(パリ)]11月5(19:30)(MV)、6(19:30)(MV)、7(19:30)(MV)日 D.アフハム指揮 リゲティ:ロンターノ、シベリウス:ヴァイオリン協奏曲、チャイコフスキー:交響曲第5番 独/L.カヴァコスvn11月11(19:30)(KH)、12(19:30)(KH)日G.ノセダ指揮 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、リムスキー=コルサコフ:シェエラザード独/D.トリフォノフp11月15(19:30)(MV)、16(19:30)(MV)日P.ジョルダン指揮 シューベルト:交響曲第7番「未完成」、ヴォルフ:歌曲集(7曲)、ブルックナー:交響曲第1番(リンツ稿・1866年) 独/T.ハンプソンBr11月21(19:00)(KH)日 P.ジョルダン指揮シューベルト:交響曲第2番、リスト:ピアノ協奏曲第2番、ワーグナー:タンホイザー〜序曲、他 独/K.ブニアティシヴィリp【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 先月号で、体調の悪さを憂えたロリン・マゼール。まさか、こんなあっという間に天に召されるとは誰も思っていなかったに違いない。寂寥(せきりょう)感というより脱力感を覚える。今年に入って、指揮者だけでも、M.ホルヴァート(1月)、C.アバド(1月)、G.アルブレヒト(2月)、R.F.デ・ブルゴス(6月)といった有名指揮者が次々と鬼籍に入っている。年を増して深みを増す芸術家には、ただただ人一倍の健康を願うしかない。 さて、11月のオペラ公演は、ブリテンの「ねじの回転」とムソルグスキーの「ホヴァンシチナ」という、あまり実演に接する機会の多くないオペラが複数の劇場でプレミエとなる。前者はベルリン州立歌劇場とチューリッヒ歌劇場。しかもベルリンの演出がC.グート、チューリッヒがW.デッカーということで、共にアイディアに満ちた舞台が期待できる。後者はウィーン国立歌劇場とシュトゥットガルト歌劇場。初演後何年といった記念の年でもないので競合するのは偶然だろうが、両者共、力が入るだろう。 ドレスデン・ゼンパーオーパーでは、オペラの指揮台にティーレマンが登場して、R.シュトラウスの「アラベラ」と「カプリッチョ」を振る。「アラベラ」はプレミエ公演ではあるが、今年4月に「ザルツブルク復活祭音楽祭」で上演された新演出公演の実質的には再演。ティーレマンは、オーケストラ(シュターツカペレ・ドレスデン)コンサートでも、R.シュトラウスを特集した興味深いプログラムを組んでいる。同じR.シュトラウスでは、チューリッヒ歌劇場でルイジが振る「影のない女」、ウィーン国立歌劇場でキリル・ペトレンコが振る「ばらの騎士」という注目公演もある。特に、ペトレンコが、昨年のバイロイト音楽祭「リング」でのバランス絶妙の指揮ぶりで瞬く間に評判を呼び、今やヨーロッパでブレイク中の旬の指揮者であることは本欄でも何度も紹介した。そのペトレンコが、いきなり「ばらの騎士」でウィーン登場というのもいかにも華々しい。もっとも、そのペトレンコは、本来の自分のオペラハウス、バイエルン州立歌劇場で振るB.A.ツィンマーマンの「兵士たち」でさらに本領を発揮するはず。近現代オペラ・ファンにとってはこれは逃せない。さらには、ハンブルク州立歌劇場で「フィデリオ」、バイエルン州立歌劇場で「マノン・レスコー」と2本のノイエンフェルス演出作品がかかるのも先鋭的演出好きにはたまらない。 一方、ミンコフスキ・ファンにとって11月随一の要注目公演といえば、何と言っても英国ロイヤル・オペラの「イドメネオ」プレミエ。オケは、手兵のルーヴル宮音楽隊ではなく、ロイヤル・オペラハウスのオーケストラだが、ミンコ節炸裂のヴィヴィッドなモーツァルトが展開されるに違いない。対極的、というと語弊を招きそうだが、メータ指揮の「ファルスタッフ」(フィレンツェ歌劇場)、ムーティ指揮の「アイーダ」(ローマ歌劇場)といったレジェンド(?)風の公演もある。また、ドミンゴ御大は、スカラ座の「シモン・ボッカネグラ」に登場。そのスカラ座で、発表通りにプレートルが「ウェルテル」を振れば、これはいい意味でのサプライズ公演になるだろう。ああ、これでアルフレート・クラウスがまだ生きていたら…などと考えるのは、いくら何でも不規則発言か。 オーケストラ公演では、サロネン指揮フィルハーモニア管がドビュッシー「ペレアスとメリザンド」を演奏会形式で上演する公演がまず注目。サロネンの明晰な譜面解析力は、最近一段と完成度を増している。アーノンクールがウィーン・フィルに久々復帰するのは大ニュース。ウィーンとベルリンで1回ずつの公演だが、どこまで繊細なシューベルト「未完成」の音楽が聴けるのか興味津々。ラトル=ベルリン・フィルがベルリンの壁崩壊25周年記念として演奏するベートーヴェンの「第9」は、壁崩壊直後にバーンスタインが高らかに奏でた「歓喜の歌」からも25年経ったのかという複雑な思いとともに聴く。時の流れはいと速し。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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