eぶらあぼ 2014.9月号
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164征爾音楽塾』『小澤国際室内楽アカデミー奥志賀』など、徐々に自分の名前がつくようになって、それに慣れたのもあるけれども、ああ、そういう時が来たんだな、と思った」と語った。 今年はオーケストラ公演のみの指揮となった小澤だが、2015年はベルリオーズのオペラ《ベアトリスとベネディクト》を指揮する予定だという。サイトウ・キネン・フェスティバル松本http://www.saito-kinen.com/■第21回神奈川国際芸術フェスティバル 記者会見 『神奈川国際芸術フェスティバル』が今年も10月から12月にかけて開催される。クラシック音楽、バレエ、演劇、聲明など多彩なジャンルの公演(全14演目)が繰り広げられるが、とくに今回は神奈川県民ホールの開館40周年、神奈川県立音楽堂の開館60周年にもあたり、まさに「祝祭 円熟の未来へ─」というコンセプトにふさわしい内容だ。7月25日に行われた記者会見には、一柳慧(神奈川芸術文化財団 芸術総監督)、白井晃(KAAT神奈川芸術劇場 アーティスティック・スーパーバイザー)、現田茂夫(指揮者)、宮田まゆみ(笙)が壇上に上がり、フェスティバルへの抱負を述べた。 まず、一柳は「今年は神奈川県民ホールのリニューアルもあり、新しいオープニングという意味でも高い内容を目指す。KAATでは白井晃さんがアーティスティック・スーパーバイザーに就任したが、今後、彼とどのようにかかわっていけるのか楽しみにしている。音楽、演劇、舞踊、美術の4つを柱として、今日の社会情勢に対しての問題提起を行っていきたい」と語った。 つづいて白井は「一柳さんとは、オペラ《愛の白夜》などでいっしょに仕事をさせていただいたが、これを機にフェスティバルで舞台芸術の可能性を探ってゆきたい。今回の参加演目について、若手のアーティスト■『サイトウ・キネン』が『セイジ・オザワ  松本フェスティバル』に名称変更 小澤征爾総監督のもと長野県松本市で毎夏開催されている『サイトウ・キネン・フェスティバル 松本』が、2015年から『セイジ・オザワ 松本フェスティバル(英語表記:Seiji Ozawa Matsumoto Festival)』に名称変更する。8月4日、日本外国特派員協会での記者会見で明らかになった。サイトウ・キネン・オーケストラの名称は2015年以降も存続する。 小澤征爾ら世界的な音楽家を育てた齋藤秀雄の没後10年にあたる1984年、小澤の呼びかけで世界中で活躍する門下生およそ100名が一堂に集い、メモリアルコンサートを行った。そこで生まれたのがサイトウ・キネン・オーケストラだ。その後、小澤征爾総監督のもと、サイトウ・キネン・オーケストラを母体とし、オーケストラとオペラを2本の柱とする音楽祭『サイトウ・キネン・フェスティバル 松本』が1992年9月に始まった。 名称変更について、神澤睦雄実行委員長は「23回目となる2014年は、齋藤秀雄さんの没後40年、サイトウ・キネン・オーケストラ結成30周年の記念すべき年となります。また、小澤さんが来年9月で80歳を迎えられる。この23年間、齋藤先生の教えや信念を大事にして続けてこられたのが小澤総監督。節目の年であり、サイトウ・キネン・オーケストラの名を世界に広め定着していただいた功績からも、小澤さんの名前を冠にした音楽祭にしたいと打診し、快諾いただいた」と説明。 これを受け小澤は「ボストン交響楽団の音楽監督をしていたときに、タングルウッドに新しいホールが造られて『セイジ・オザワ・ホール』にすると言われた。自分の名前が建物につくと、なんだかお墓のようなイメージがあってイヤだと言った」と語り会場を笑わせ、続けて「あれから20年ほどたって大病もし、今回自分の名前を音楽祭の名称につけるのを引き受けたのはどういうことだろう? とも思うが、感謝もしている。『小澤記者会見する小澤征爾 ©M.Terashi/TokyoMDE左から一柳慧(神奈川芸術文化財団 芸術総監督)、宮田まゆみ(笙)、現田茂夫(指揮)、白井晃(KAAT神奈川芸術劇場 アーティスティック・スーパーバイザー) ©西野正将

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