eぶらあぼ 2014.7月号
57/197

54第33回定期演奏会7/12(土)16:00 いずみホール問 いずみホールチケットセンター06-6944-1188 http://www.izumihall.co.jp飯森範親(指揮) いずみシンフォニエッタ大阪親子で楽しめる“現代音楽”文:寺西 肇左から:飯森範親 ©樋川智昭/丸山泰雄/太田真紀 ©slot photographic 「現代音楽はコワくない」と、その魅力を紹介し続けている大阪・いずみホールの座付き楽団、いずみシンフォニエッタ大阪(ISO)。今回は、国際的に活躍するチェロの丸山泰雄と、現代作品の名手として知られるピアノの永野英樹を招き、飯森範親指揮で川島素晴の「セロ弾きのゴーシュ」を、同じ編成のサン=サーンス「動物の謝肉祭」と併せて上演する。2004年に子供向けのステージのため、丸山が川島へ委嘱した音楽劇で、宮沢賢治の物語を下敷きに、抱腹絶倒の展開となる。ゴーシュを演じる丸山は「子供向きだと区別せず、あえて本気の音楽創りに。しかし、先入観がない分、直感的に楽しめる」。さらに、舞台回しの太田真紀が大阪出身だけに、川島は「ハジけた舞台になりそう」。また、ISOメンバーの碇山典子と永野、2人の現代ピアノの名手が揃う好機を捉えて、ライヒの快作「ヴァイブ、ピアノ、弦楽器のための変奏曲」を日本初演。川島は「今回のISOは普段にも増して、親子で楽しんでもらえるはず」と語る。7/10(木)19:00 トッパンホール問 デュオジャパン03-5428-0571 http://www.duojapan.com三宅麻美&アンドレイ・コロベイニコフ ピアノ・デュオ4手連弾で聴くショスタコ・サウンド文:笹田和人 東京芸大からベルリン芸大に学び、オーケストラとの共演や国際コンクールでの入賞など欧州での実績を重ねたピアノの三宅麻美。ベルリン芸大大学院を修了して帰国後も、精力的な活動を展開する彼女は、2006年の生誕100年を機に『ショスタコーヴィチ・シリーズ』をスタートさせた。これまでに5回を開催し、「ショスタコーヴィチの音が、血となり肉となった感覚がある」と振り返る。 今回はロシアの俊英ピアニスト、アンドレイ・コロベイニコフを迎えて。実は、2年も前から熱望し、ようやく共演が叶った三宅は「非常に嬉しく、興奮しています」。まずは、作曲家自身の編曲による4手連弾版の「交響曲第9番」を。「ピアニストにとって、加わりたくても不可能なオーケストラ作品を演奏できるのは、大きな喜び」と期待を膨らませる。そして、インパクトに満ちた「コンチェルティーノ」や、若き作曲家が急逝した父親への哀惜の気持ちを込6/28(土)14:00 日本基督教団広島流川教会、6/29(日)15:00 上越文化会館(中)、7/1(火)19:00 日本福音ルーテル東京教会、7/2(水)18:45 宗次ホール問 プロアルテムジケ03-3943-6677 http://www.proarte.co.jpファブリス・ミリシェー(トロンボーン)滑らかな技巧、豊かな表情、余裕のパワー…全てが桁違い!文:柴田克彦 ミュンヘン国際コンクールで史上初となるトロンボーンでの優勝を飾った天才! 1位を容易に出さない同コンクールにおける金管部門の優勝者は、トランペットのアンドレやホルンのバボラークなど少数の名手しかいない。ゆえにこれだけでも彼を聴いてみたくなる。1985年生まれのファブリス・ミリシェーは、リヨン音楽院でベッケ等に学び、2005年ブダペスト、06年トゥールーズの各トロンボーン・コンクールで優勝。07年のミュンヘンで快挙を達成した。その後は、世界各地でリサイタルや協奏曲の演奏を行い、四重奏団「カルトボーン」も結成。ザールブリュッケンのオケの首席ソロ奏者や大学教授も務めている。昨年1月にはトランペットのM.ブランコとのジョイント公演で日本のファンを驚嘆させたが、この夏、単独で来日して多彩な演目を披露。東京ではオルガンと共演し、サックバットも演奏する。彼の演奏は音やフレーズの繋がりが信じ難いほどスムーズな上に表現力が並でない。実はチェロもプロ級の腕前というミリシェー。要注目&必聴だ!めた「組曲 嬰ヘ短調」を2台ピアノで披露。2人の名手による“音の会話”を楽しみたい。三宅麻美アンドレイ・コロベイニコフ

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です