eぶらあぼ 2014.7月号
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517/30(水)~8/3(日) Bunkamuraオーチャードホール問 Bunkamuraチケットセンター03-3477-9999※公演によりプログラムが異なります。詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。http://www.bunkamura.co.jp他公演7/25(金) 18:30 愛知県芸術劇場(エトワール・ガラ名古屋公演事務局 052-678-5308)、8/4(月) 18:30 フェスティバルホール(フェスティバルホール 06-6231-2221)エトワール・ガラ 2014金子三勇士とエトワールとの饗宴文:高坂はる香金子三勇士 ©K.Miura©相澤 隆堀内康雄&西村悟 ジョイント・コンサート7/15(火)13:30 東京オペラシティ コンサートホール問 ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 http://www.japanarts.co.jp堀内康雄(バリトン)ダイナミックな“男声デュエット”をお楽しみください取材・文:岸 純信(オペラ研究家)Interview 世界最高峰のバレエダンサーが集う、『エトワール・ガラ2014』。2005年から回を重ね、4回目を迎える今年は特にゴージャス。名門パリ・オペラ座バレエのトップダンサーに与えられる“エトワール”の称号を持つ7名、プリンシパル3名を含むスーパースターばかりが出演し、古典の名作から初演作品を含むコンテンポラリーまでも披露。まさに“美味しいとこ取り”の公演だ。 この夢の舞台で一部のピアノ演奏を担当するのが、日本とハンガリーのハーフで今注目の若手、金子三勇士。これまでにもバレエとの共演経験があり、フレッシュな感性、柔軟性、そしてなにより持ち前の卓越したリズム感で、踊りに寄り添う音楽を紡ぎ出すだろう。彼が演奏するのは、ラフマニノフ「3つの前奏曲」、「月に憑かれたピエロ」という演目に伴うベートーヴェンの「月光ソナタ」、ダンサー3組全員エトワールの「イン・ザ・ナイト」でのショパンのノクターン(以上Aプログラム)、そして「デジール」に合わせるスクリャービンのノクターン(Bプログラム)だ。 日本が誇るバリトンとして、国内外で活躍中のベテラン、堀内康雄。7月にはテノール西村悟とジョイント・コンサートを開く。第一人者が「後輩に胸を貸す」意気込みを尋ねてみた。 「西村さんはいま最も輝いている若手ですね。美しく、どこまでも伸びるテノールは必聴でしょう。今回は2人でヴェルディやプッチーニの名アリアをたくさん取り上げますし、イタリア近代歌曲やオペラの二重唱も歌います。また、河原忠之さんのまるで“3D”のような立体的なピアノ演奏も、鮫島有美子さんの司会も凄く楽しみですね」 1994年ヴェネツィアで《ラ・ボエーム》に出演しオペラ・デビューを飾った堀内。輝かしいキャリアを自ら振り返ってみて。 「幼少時にフルートを習いましたが、歌は慶応大学のグリークラブに入ってから始めました。でも、本格的に『声楽』に取り組んだのは企業に就職後1年経ってからです。当時から付き合っていた家内がピアニストで、精神面でも僕を引っ張ってくれました。留学先のミラノ・ヴェルディ音楽院ではピアノや和声でも絞られましたが、そのうちに、2週連続で同じ授業を欠席できないという校則を守るか、フェニーチェ座で決まったショナール役を取るかの選択になって、迷わず後者を選び音楽院は中退に。でも良い決断だったと思っています…。欧州各地で歌ってきましたが、日本に長くいる時でも、発声や歌のスタイルを見失わないよう、初心を忘れずにいたいです」 その堀内が、いま考えるヴェルディの個性とは? 「ヴェルディ・バリトンに必要なのは、何より、声質・音量・発音・表現力・情熱の5つですが、いまの僕が一番肝心と思うのは、実はフレージングなんですよ。ヴェルディを歌うなら、人物像にどうやって現実味を持たせられるかが一つのテーマですが、その一方で、レガートが滑らかで美しく、しかも極めて男性的でなければなりません。僕の声がそれに合致するかどうかは知りませんが(笑)、でも、曲負けしないよう精一杯歌っています!」 なお、今回はビゼー《真珠とり》の二重唱も披露の予定。フランスものでも定評ある堀内の抱負は? 「求められるフレージングがイタリアものとは違いますね。鼻母音やR音の処理に的確なタイミングが必要で、より繊細に当たらねばと思います。イタリア語のようにはゆかない“もどかしさ”がまた美しいのですよ。あと、今回は男声ばかりですが、オペラの主役はソプラノとテノールと言われながらも、男声デュエットも最近はリクエストが多いですし、ご満足いただけると思います。ご来場お待ちしています!」

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