eぶらあぼ 2014.7月号
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49まさに本場ドイツの王道プログラム文:飯尾洋一リオール・シャンバダール(指揮) ベルリン交響楽団7/4(金)19:00 サントリーホール 問 チケットスペース03-3234-9999※ベルリン交響楽団の他公演情報については下記ウェブサイトでご確認ください。http://www.ints.co.jp/berlin/schedule文:笹田和人家族みんなで楽しむオーケストラとダンス第40回 日本フィル 夏休みコンサート 20147/19(土)~8/3(日)東京・神奈川・千葉・埼玉で開催問 日本フィル・サービスセンター03-5378-5911各公演の詳細情報は下記ウェブサイトでご確認ください。http://www.japanphil.or.jp ベルリン交響楽団が2002年の初来日以来7度目の日本ツアーを行なう。このベルリン交響楽団は、1966年に当時の西ベルリンで創設されたオーケストラ。混同しやすいが、東ベルリンに存在したベルリン交響楽団(現在のベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団)とは別の団体だ。12年の間に7回の来日公演を開催しているのだから、すでに日本の多くの聴衆に親しまれているといえるだろう。 指揮は97年より首席指揮者を務めるリオール・シャンバダール。テル・アヴィヴ出身のベテランである。7月4日の東京公演では、ソリストに及川浩治を迎えて、オール・ベートーヴェン・プログラムが組まれた。「エグモント」序曲、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、そして交響曲第5番「運命」という、まさに名曲中の名曲が並ぶ。序曲、協奏曲、交響曲というプログラム構成もオーケストラ・コンサートの王道をゆくもの。つまり、本場ドイツのオーケストラで、きわめてオーソドックスなプログラムを聴けるというのが、この公演の魅力となる。また、このプログラムならクラシックになじみの薄い友人や家族を誘いやすい。多くの人が安心して楽しめる公演となりそうだ。 「皇帝」でソロを弾く及川浩治は「皇帝は小さい頃からの憧れの曲。マエストロとオーケストラの胸を借りて、ベートーヴェンの真髄を表現したい」と語っている。精彩に富んだ名演を期待したい。 「クラシック音楽が未体験の子供たちに、家族と一緒に、生のオーケストラを聴いてほしい」との願いから、日本フィルハーモニー交響楽団が毎年続けている「夏休みコンサート」が、40回目の節目に。そんな特別の機会である今回は、本格的なフル・オーケストラの響きだけでなく、ダイナミックなダンスのコラボレーションが加わり、体験したことのないワクワク体験ができそう。 川瀬賢太郎(7/19~27)、園田隆一郎(7/29~8/3)と注目の指揮者2人を迎えてのコンサートは、3部構成。第1部は、ヘンデル「水上の音楽」で華々しく幕開けを告げる。そして、江原陽子のナビゲートで、客席に座っているだけで“楽器博士”になれる魔法の曲、ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」を聴き、楽器の音色や形の違いを学ぶ。 そして、第2部では、J.シュトラウスⅡ「美しく青きドナウ」など、誰もが一度は聴いているはずの名旋律をバックに、山田うんの振付・演出で日本女子体育大学の新体操部とダンス・プロデュース研究部の踊り手たちが華麗に舞い、聴衆を幻想の世界へといざなう。 第3部は、ステージと客席が一体となって盛り上がる「みんなでうたおう」。ジブリ映画「となりのトトロ」の主題歌「さんぽ」など人気曲のほか、「夏の思い出」など歌い継ぎたい懐かしい日本の歌、さらには40周年記念の“特典”とも言える「スペシャル・メドレー」まで、まさに盛りだくさん。2014年にしか体験できない一期一会の特別なステージは、忘れられない思い出を作ってくれるはず。川瀬賢太郎園田隆一郎江原陽子リオール・シャンバダール 写真提供:ザ・シンフォニーホール及川浩治 ©Ayumu Gombiベルリン交響楽団 写真提供:ザ・シンフォニーホール
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